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第十一章

448 それどころじゃない

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( リーフ )



とうとう素人が手を出してはいけない状況まで・・?


その可能性に気づくとまるで巨大ハンマーに叩きつけられた様な衝撃が頭を襲う。


グワングワンと目がまわるような感覚に必死に耐えていると、ぷっぷっぷ~と笑いながらサイモンがアゼリアちゃんに向かって話しかける。


「 アゼリアちゃんはぁ~凄くカッコいいとは思うけどぉ~男が求めるのはそこじゃないんだよね~。

やっぱりぃボクくらい可愛くないと記憶に残らないっていうか? 」


サイモンはニコニコ~と笑いながら頬に両手を当て、レオンの前にケンケンパするかのように軽快に移動したと思えばそのままキラキラ~と輝くような瞳で上目遣い。



しかしレオンはそれを見もしないし完全なる無表情に無感情。



恐ろしいまでの無視&無反応にサイモンは固まり、レイドを始めとした全員がその様子に大爆笑をする始末・・


その中でモルトとニールは比較的早く笑いが治まり、固まるサイモンや大笑いしている周りの子たちに向かい説明するように話し始めた。



「 レオンは個体の特徴を捉えるのが苦手で、アゼリア様やサイモンさんに限らず誰でもこうなので気にしなくて良いと思いますよ。

モンスターに至っても大きいの小さいの、黒いの、白いのだのとその程度しか分かっていない様なので。 」



「 そうっすよ。

俺たちだって毎日会っていたのに、太いの、細いの、でイメージが固定するまでだいたい2~3ヶ月くらいは掛かったっすかね?

全く・・もう少し頭のストレージを広げて欲しいっすよね。 」



そう言ってため息をつくモルト、ニールに対し、ドン引きするアゼリアちゃんに、その原因を考え込むソフィアちゃん。


「 髪型変えてみようかな~? 」「 アピール方法の改善が第一ね。 」 と冷静に?改善方法を分析するサイモンとリリアちゃんをよそに、キランッ!と目を輝かせたのは獣人の二人組であった。



「 へぇ~!レオンって怖い見かけによらず結構フレンドリーなヤツだったんだな。

仇名だろ?その太いの、細いのってよ。


最初から仇名呼びとか、相当相手が好きとかじゃないとしねえもんな! 」



「 ・・レオンはモルトとニールが・・大好き。 」



ね~?と確認し合うレイドとメルちゃんに向かい、「 獣人のポジティブはもはや病気~。 」とズバッと言うサイモンに誰一人反論せず。


しかしその中で ” レオンが自分たちを大好き ” という最上級のパワーワードを聞いてしまったモルトとニールはそれどころではなく、サァァー・・とゆっくり青ざめていった。



レイドはフフ~ン♬と鼻歌交じりにレオンの前でユラユラと猫じゃらしの様に揺れながら、

「 なぁ、なぁ、俺は?俺を呼ぶとしたら仇名はなんだ~? 」と不機嫌なレオンの様子も何のその、果敢にも問いかけるも勿論応答はなし。




駄目か~と諦めかけた次の瞬間ーー




『 ほら、何かお話してごらん!

頭の中で考えている事はお口に出さないと人には伝わらないんだ♬ 』




『 さあ!心を軽く!空を飛ぶイメージで!!

気軽にお話してみよう!!♬ 』



俺の声を完璧にコピーしたモルト、ニールが鳥の羽ばたく真似をしながらそう言うと、レオンはムッとした雰囲気を若干緩め、「 ・・うるさい赤犬。 」と言った。


おお~!と手を叩いて喜ぶレイドとメルちゃんを見てから、他のメンバーはバサバサと鳥の真似をし続けるモルトとニールへ視線を向ける。


すると、モルトとニールはニヤリと笑みを浮かべ・・



” 地獄へようこそ ” 



ーーーーと静かに囁いた。



汗を掻くメンバーをよそに、今度はメルちゃんがズイッと一歩前に出ると、レオンはジッと見下ろし、「 青い( 小 ) 」と一言言い放つ。


それにガガーン・・とショックを受けるメルちゃんだったが、レイドとメルちゃんがスッ・・とサイモンを指差し「 あいつは? 」と聞けば、

「 小蝿 」と答え、サイモンが白目を剥き、獣人2人は大爆笑。



それにバチバチなりかけるも、サイモンはサッとリリアちゃんの後ろに周りおっぱいを鷲掴み。

そしてバインバインと揺らすものだから、獣人2人とモルト、ニールの視線はそこへ釘付けとなった。



「 ほ~ら、ほ~ら!

流石のレオンもこれにはたまらないんじゃないの~?

所詮は男の子だもんね?


どう?どう?? 」




ニヤニヤ~と笑うサイモンだったが、レオンの表情はピクリとも動かず「 牛乳 」とだけ告げて終わる。


牛乳・・と押し黙るエルフ族2人にニールが、「 レオンは牛の乳搾り俺より上手っすよ~。 」 と言うと全員がまたブっ!!と吹き出した。



そしてレイドが笑いながらアゼリアちゃんを差すと「 むっちんむちんを持たぬ者 」と18禁にひっかかる言葉を言われてアゼリアちゃんの顔はカッ!!と赤くなり胸部を慌てて隠すが、レイドは更に大爆笑。


流石のデリカシーのなさにモルトとニールがレイドの両足をカーン!と蹴り飛ばし跪まづかせると、両サイドから罪人の様にレイドの腕を持ち身体をホールド。

アゼリアちゃんは動けないレイドに無言で近づき、鞘に収めた刀の先でレイドの獣耳をペタペタ触りながら ” 切るぞ? ” と目で脅しをかけてきたのでひぃぃ~と悲鳴を上げて謝っていた。



その間の俺はというと・・


やはりそれどころじゃない。



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