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第十一章

444 黒いカルガモ

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( リーフ )


それを有り難く一つもらってボリボリと食べながら、それも不正解であるとフルフル首を振る俺。


それを見た皆は、それぞれカユジ虫の煮干しをボリボリ食べながら、"   では、何事?  "  と言わんばかりに首を傾げた。


そのため俺は、ちょっと朝酷い物言いをして傷つけてしまった事と、部活に興味があってヤバいんだと伝えると、4人はほほぉ~?と納得した顔をした後、

じゃあ大丈夫だろうと判断したらしいレイドがあっさりと話題を変えて話しだす。



「 皆【 専門教養 】どうするんだ?

俺とメルは2コマとも< 戦闘術学 >一本にする予定だぜ。 」



「 俺はその< 戦闘術学 >と、もう一コマは< 魔法学 >にするつもりだよ。 」



そう答えると、おぉっ!とレイドとメルちゃんは興味津々とばかりに目が光る。



「 ってことは、試験の時も思っていたが、リーフは剣も魔法も得意な資質か! 」



「 うん。俺の資質は【 魔術騎士 】なんだ。

だから一応セオリー通りに剣と魔法両方の授業をとるよ。 」



すると、おおー!!と歓声を上げた2人は拍手までして「 上級資質すげぇ~! 」と言ってキラキラ目を輝かす。


実は上級資質は本来一学年に1人いるかいないかくらいの割合なのだが、今年はそれが豊富で分かっているだけでも俺、ジェニファーちゃん、さらにその上の特級資質のソフィアちゃんまでいるし、更にその数は増えるかもしれない。



それに・・


俺は後ろで不機嫌全開でコチラを睨みつけてくるレオンをチラッと見てから直ぐに視線を前に戻す。



レオンの【 英雄 】も特級資質。


まぁ、鑑定をしてないので、未分類扱いになっているが・・



その後話しは続き、モルトとニールは、< 魔法学 >と< 農工学 >の2コマにしたらしく、俺と同じ授業は< 魔法学 >だけ。


いつも一緒の幼馴染~ズとしては少し寂しいが、二人は試験を受ける前からレベルが高いとされるライトノア学院のこの< 農工学 >の授業を楽しみにしていて、新たな新商品を作るぞ!と意気込んでいたのを知っているので仕方がない。


だから本当に頑張って欲しいとアイドルを応援するファンの様に心からエールを送っておく。


ここで問題はレオン。


俺はもう一度ソロ~とレオンに視線を送ると先ほどよりは少しだけ機嫌が良くなったレオンが、何何~?と言わんばかりに不思議そうな顔をしている。


今なら・・と俺はレオンの様子を伺いながら尋ねてみた。



「 レオンは【 専門教養 】どれを取りたい? 」



するとレオンはピクッと一瞬肩を小さく揺らし、また更に機嫌はズズンッと落下。



「 < 戦闘術学 >と< 魔法学 >です。リーフ様と一緒にいます。 」




予想通りの解答を聞いてしまった俺の口からは、はぁ~・・と思わずため息が。


レオンは黒いカルガモの赤ちゃんの様に俺の後をくっついてくるだけ、それに興味もなければやる気もゼロ。



多分多少は興味のあるものが見つかってるとは思うんだよ。

部活も楽しみとか言っているから。



しかし、そんな小さな興味も俺が興味がないなら・・とあっさりと捨ててちょこちょこ俺の後ろに着いてきてしまう。


何だかそれって良くないよなぁ・・と思ったが、授業に関してはまだあまりピンッとくるものがない様子。


そのため恥ずかしがりのレオンが慣れるまでとりあえずは同じものを取らせておいて後々変えさせるしかないか・・



そう考えた俺はOKOK~と返事をしながらレオンの分の受講申請書を改めて見返すと、そこには震えながら書かれた様な字で、『 受講全免除可能・・ 』と書かれていた。



えっ?必須じゃないの?【 専門教養 】・・えっ?もしかして【 一般教養 】も??



俺の分には書かれていなかったのでどうやらレオンのみの様。



ハテナが飛んだが、首席だったことを思い出し納得。

とりあえずそれに二重線をピッと引いて、< 戦闘術学 >と< 魔法学 >と書き、ついでに俺もと同じ内容で書き終えた、その時ーー




「 やったぁ~!これで< 戦闘術学 >はリーフ様と一緒♡

これからよろしくお願いしま~す♡ 」



背後から聞き覚えのある声が聞こえたので「 サイモンおはよ~。 」と言いながら振り向けば、

ルンルンと上機嫌のサイモンの姿とその後ろにはリリアちゃんの姿と、ソフィアちゃん、そして渋~い顔でレオンを警戒しながら歩いてくるアゼリアちゃんが見えた。



エルフ族のサイモンに対し、レイドとメルちゃんはゲゲッ!と嫌そうに顔を歪めるが、多少は試験時の際慣れたのか、以前よりは小さなバチバチで留まっているようだ。


とりあえずは全員でおはようを言い合った後、詳しい自己紹介をしていなかったことに気づき、改めて自己紹介をしようということに。


俺はゴホンッと咳払いをしてから自己紹介を始めた。



「 俺の名前はリーフ・フォン・メルンブルク。

資質は【 魔術騎士 】

授業は< 戦闘術学 >と< 魔法学 >をとるつもりだから一緒になったらよろしくね。 」



「 モルト・ラルグ・フィンドル 。

資質は【 造花師 】で授業は< 魔法学 >と< 農工学 >をとる予定だ。

リーフ様とは同郷で、8歳の頃より一番の側近としてお側に仕えている。 」



「 ニール・ポイル・ホールドっす~。

資質は【 獣蓄師 】で授業は同じく< 魔法学 >と< 農工学 >を取る予定っすね。


ちなみにリーフ様と出会ってから今までずっと一番の側近を努めてきたのは俺っすから。

小魚系顔男の言うことは信じちゃ駄目っすよ。 」



俺の引き続きモルト、ニールと自己紹介していったが、お互い言っている事が気に食わなかったようで直ぐにポカスカポカスカと猫の手パンチ付きの喧嘩を始めてしまった。


猫のじゃれ合いの様なモノな事は知っているので、俺はにっこり。


そのまま自己紹介の続きを他の皆に即すと、先に獣人組が自己紹介を始めた。



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