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第十一章

439 今後の授業と……?

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( リーフ )

お腹が一杯、気合満々で修行に明け暮れ、ヘロヘロで帰ってきた俺は、本日この後行われる予定の学院のオリエンテーションについての確認をするため、縁側でゴロンと寝転がりながら配られたプリントに目を通し始める。


学院に到着後にまず行われるのは、今後の授業についての説明らしい。

そしてその後は、各自自由に部活動の見学をする時間になっている様だ。


それをふむふむと読み進めていくと、目立つ赤文字でババン!と書かれている文字に目が入った。


” 授業の説明の際、制服と教材の配布もあるので現金を忘れずに! ” 


どうやらその場で現金との受け渡しになる様だが、俺はフッフッフ~と不敵に笑う。

なんと俺たちはこういった経費も【 特別免除学生 】のため全て無料!

これはお金を貯めたい今は非常に有り難い。


ガッツポーズをとって優秀なウチの子レオンを見上げれば、幸せそうにニコリと微笑んでいる。


美味しいものを一杯食べて幸せ~な顔。

勿論俺も幸せ~。


それを伝えるようににっこりと微笑み返すと、レオンはモソモソと近寄ってきて俺をヒョイッと持ち上げた。

そして自身のお膝の上に乗せると、そのままご機嫌でニコニコ笑い掛けてくる。


お家にいる時が一番幸せそう……。

レオンは確実にインドア派なんだよね。


ちなみに俺はバリバリのアウトドア派。

だから直ぐに飛び出していく俺と一緒に行動するのは、レオンにとってストレスフルじゃないかな~と思う。


そして、そのせい(?)で、レオンは狂った神をも超越した存在になっちゃったし……。


その事を思い出し、直ぐにザッ……と血の気が下がった。


レオンの加減が難しすぎる!


ヒィィ~と小さく悲鳴を上げながら、俺はフルフル震える手でそのプリントを読み進めた。


授業の説明については、主に【 専門教養 】についての事。


小学院とちがい、中学院は午前中の【 一般教養 】の他に、午後はこの【 専門教養 】が必修科目となっているらしい。

小学院で午後に自由に選択してた授業の、もっと本格的なやつで、更にその種類も小学院よりぐんと増える様だ。


騎士や兵士などを目指すなら< 戦闘術学 >


魔術師や魔道具使いを目指すなら< 魔法学 >


領主や商人などを目指すなら< 貴族学 >や< 経営学 >

農作業や錬金術なら< 農工学 >や< 錬金術学 >


諜報員やトラップ解除人を目指すなら< 諜報術 >や< ギミック術学 >


────などなど……。

他にも沢山細かく分けられ、かつレベルもかなり高いので、明確な将来のイメージがないと早々にリタイアしてしまう生徒も毎年それなりにいるのだとか。


その選び方は自由なので、例えばそれ一本と決めて全てのコマに一つの授業だけ取る子もいれば、器用に万遍なく取る子もいて、その辺はその子の卒業後になりたい職業によって全く違うらしい。


とりあえず戦闘職を目指す剣も魔法も使える子は、< 戦闘術学 >と< 魔法学 >の両方をとるのがセオリーらしいので、俺もそれを選択するつもり。


その二つの授業中についての説明を目で追い、楽しみ~!とワクワク胸を踊らせた。


正直将来どうするかというビジョンは全く決まっていない。


しかし、このモンスターという脅威が常にあるこの世界では戦闘ができるに越したことはないし、更にこの後冒険者になる予定である事、そしてくっそ強いレオンの前に立ち塞がるためには強さは必須だ。


自分の興味ある事は、悪役のお役目を終えてからゆっくり勉強しよ~。


” 子育て中は自分がやりたいことは全部封印。

それが真に解かれる時は子供が巣立った時! ”


なんて、子育て終了後のおばちゃん達がよく言ってたな~。


そんな事を思い出しながら、フッと巣立ち前の卵の様なレオンを見上げた。


今は卵のレオンも、もう少ししたら俺を倒して飛び立つのか……。


「 …………。 」


何となくしんみりしていると、突然レオンの顔に物語のレオンハルトの顔が重なった。

心が壊れたまま、周りに世界を救う事を義務付けられた彼は、無理やり飛び立たされてお努めをこなしていった。


” 世界の命運を一気に背負い旅に出ろ。 ”


” 世界を救え! ”


自分を受け入れてくれなかった世界を救うって、本当に辛い事だと思う。

多分頑張れないと思うんだよ、心があったら。


そこまで考えて────突然ガンッとハンマーで叩かれた様な衝撃が頭に走った。




そうか……俺のしようとしている事って────……。




逆にレオンハルトを不幸せにしてしまうかもしれないのか。

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