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第九章
403 新たなる過ち
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( リーフ )
しまった…………。
明らかにショックで固まっているレオンの前でゴロンと仰向けで転がっていた俺は、ゆっくりと起き上がり正座をした。
良かれと思って、一生懸命体を洗ってくれたレオンの心を、完膚なきまでに傷つけてしまった……。
普段あんなに優しく肌を洗う事などなかったため、どうしても我慢できずに笑ってしまったが────この反応を見るに、レオンなりにお風呂について色々調べてくれた上で、” 手で洗う ” という方法を選択してくれたのかもしれない。
つまり、今の行動はそんな頑張りを全否定してしまったということなので、俺はしどろもどろになりながらレオンに謝った。
「 ご……ごめん、レオン。
俺、こんな事されたの初めてだったから慣れてないんだ。
これから徐々に慣れていくから……。 」
なんてったって前世では、タワシみたいな硬いヤツでガッシガッシと洗っていたし、そのレベルから考えると、” 手 ” で洗うのは難易度が高すぎる。
せめて柔らかいスポンジくらいから始めて欲しい。
その要望を提案してみようかと口を開こうとした瞬間────レオンが物凄い勢いで俺の両肩をガシッと掴み、酷く興奮した様子で俺に詰め寄ってきた。
「 はっ……初めてって……本当ですか!?
こうして触れられるのが……俺が……初めてって……?! 」
「 えっ?えっ??────あ、うんうん。本当、本当。 」
かつて無いほど真剣な目でそう言われたので、驚いてオロオロしてしまったが、レオンは突然パァァァ────!!!と、心配になるくらい嬉しそうに目を輝かせた。
「 俺……リーフ様程の方なら……こういうことは日常的だったのかと思ってました。
こうして触るのがお風呂のルールだって聞いていたから……。
でも、まさか……そんな!
信じられない……。 」
そうブツブツと呟くレオンの手が震えているのを感じながら、心の中で俺は少しだけショックを受けて黙り込む。
あ────……。これ、あれだ……。
俺、肌が弱い系の人だと思われていたのか……。
多分レオンのアナコンダ・ホールドで毎回俺がヒィーヒィー言ってるもんだから、そういう体全体弱い系の男だと認識されてしまったらしい。
しかし────そんな事は断じてない。
レオンに掴まれている二の腕を見下ろしながら、心外であると密かな抗議を心の中でする。
俺、肌超強いよ。
なんてったって前世ではタワシじゃ飽き足らず、園庭に生えてた萎びたヘチマとかでゴシゴシ洗ったりとかもしていたし、繊細とは対極にいると断言できる。
「 レオン、あの────……「 俺も全くの初めてですので!!ゆっくり慣れていきたいです。俺、頑張りますから!! 」
これは流石に物申さねば……と言葉を言いかけた所に、レオンがグイグイと言葉を被せてきて今後の体の洗い方について改善宣言をされてしまう。
レオンの真面目&完璧主義スイッチが完全に入った。
こうなってしまえば誰が何を言おうが天変地異が起きようが、その横で平然と自身が満足するまでその出来を追求し続ける。
俺が擽ったくなく、それでいて肌を傷つけないような完璧な洗い方が出来るようになるまで。
そんなイノシシの様に進むであろうレオンの性格をよ~く知っている俺は、一度目を閉じた後ゆっくりっと開き────……。
「 ────うん、頑張って。 」
それだけ静かに告げておいた。
その後、今日のところはとりあえず俺の体はタオルで擦ってもらい、早速俺たちはメインのお風呂へ────…………行く前に、豆を食べ尽くしたらしいあげ玉が、ポポーンと上から飛んで入ってきたので、軽くシャワーで洗ってからそのまま大玉転がしの様に転がしお風呂へポチャンと落とす。
くそ~、一番風呂という名誉はあげ玉に取られたか……。
若干悔しい思いをしながらも、次はレオンをポチャンしてあげて、その後俺も続いて湯船に入る。
すると体の芯まで暖まるじんわりとした暖かさと全身の疲れが湯に吸い取られていくような感覚に、口からは「 うぅ~………… 」とうめき声に近い声が溢れた。
そのまませっかく広いお風呂なのでと仰向けにプカプカ浮かべば、目に飛び込んでくるのは数え切れないほどの星で飾られた夜空だ。
「 うわぁ~……。 」
今度は感動が口から飛び出ると、” あの大渋滞している星の中に一体いくつの世界が存在しているんだろう? ” と、ちょっとした疑問が浮かぶ。
一度死んだ後出会った ” 神幹部 ” のレーニャちゃんいわく、この世には沢山の世界があって、その1つ1つに ” 小神 ” 様がいてその世界を管理しているのだと言っていた。
だからきっと今目の前に見えている星達にも小神様たちが管理する世界があって、その数だけ人生という物語が存在している。
そして、その全ては1つの大きな流れに沿って流され進んでいる────な~んて壮大な話すぎて俺のポンコツ鳥頭ではついていけないスケールの話だ。
温かい湯を楽しみながら、レーニャちゃんと話をした時の事を思い出す。
この数多にある世界の共通のルール < 理 >
そしてそれを元に世界は同じ方向に回っていて、その大きな流れこそ< 運命 >
この流れは決して変えることはできず、変えようとしても必ず同じ流れに引っ張られて元の流れに引き戻されてしまうんだそうだ。
その中で、俺とレオンがで出会った事は、ちょっとしたイレギュラーというヤツで、この大きな< 運命 >の流れに一瞬だけ逆らう行為だが……果たして今は無事に、元の流れに戻れたのだろうか?
しまった…………。
明らかにショックで固まっているレオンの前でゴロンと仰向けで転がっていた俺は、ゆっくりと起き上がり正座をした。
良かれと思って、一生懸命体を洗ってくれたレオンの心を、完膚なきまでに傷つけてしまった……。
普段あんなに優しく肌を洗う事などなかったため、どうしても我慢できずに笑ってしまったが────この反応を見るに、レオンなりにお風呂について色々調べてくれた上で、” 手で洗う ” という方法を選択してくれたのかもしれない。
つまり、今の行動はそんな頑張りを全否定してしまったということなので、俺はしどろもどろになりながらレオンに謝った。
「 ご……ごめん、レオン。
俺、こんな事されたの初めてだったから慣れてないんだ。
これから徐々に慣れていくから……。 」
なんてったって前世では、タワシみたいな硬いヤツでガッシガッシと洗っていたし、そのレベルから考えると、” 手 ” で洗うのは難易度が高すぎる。
せめて柔らかいスポンジくらいから始めて欲しい。
その要望を提案してみようかと口を開こうとした瞬間────レオンが物凄い勢いで俺の両肩をガシッと掴み、酷く興奮した様子で俺に詰め寄ってきた。
「 はっ……初めてって……本当ですか!?
こうして触れられるのが……俺が……初めてって……?! 」
「 えっ?えっ??────あ、うんうん。本当、本当。 」
かつて無いほど真剣な目でそう言われたので、驚いてオロオロしてしまったが、レオンは突然パァァァ────!!!と、心配になるくらい嬉しそうに目を輝かせた。
「 俺……リーフ様程の方なら……こういうことは日常的だったのかと思ってました。
こうして触るのがお風呂のルールだって聞いていたから……。
でも、まさか……そんな!
信じられない……。 」
そうブツブツと呟くレオンの手が震えているのを感じながら、心の中で俺は少しだけショックを受けて黙り込む。
あ────……。これ、あれだ……。
俺、肌が弱い系の人だと思われていたのか……。
多分レオンのアナコンダ・ホールドで毎回俺がヒィーヒィー言ってるもんだから、そういう体全体弱い系の男だと認識されてしまったらしい。
しかし────そんな事は断じてない。
レオンに掴まれている二の腕を見下ろしながら、心外であると密かな抗議を心の中でする。
俺、肌超強いよ。
なんてったって前世ではタワシじゃ飽き足らず、園庭に生えてた萎びたヘチマとかでゴシゴシ洗ったりとかもしていたし、繊細とは対極にいると断言できる。
「 レオン、あの────……「 俺も全くの初めてですので!!ゆっくり慣れていきたいです。俺、頑張りますから!! 」
これは流石に物申さねば……と言葉を言いかけた所に、レオンがグイグイと言葉を被せてきて今後の体の洗い方について改善宣言をされてしまう。
レオンの真面目&完璧主義スイッチが完全に入った。
こうなってしまえば誰が何を言おうが天変地異が起きようが、その横で平然と自身が満足するまでその出来を追求し続ける。
俺が擽ったくなく、それでいて肌を傷つけないような完璧な洗い方が出来るようになるまで。
そんなイノシシの様に進むであろうレオンの性格をよ~く知っている俺は、一度目を閉じた後ゆっくりっと開き────……。
「 ────うん、頑張って。 」
それだけ静かに告げておいた。
その後、今日のところはとりあえず俺の体はタオルで擦ってもらい、早速俺たちはメインのお風呂へ────…………行く前に、豆を食べ尽くしたらしいあげ玉が、ポポーンと上から飛んで入ってきたので、軽くシャワーで洗ってからそのまま大玉転がしの様に転がしお風呂へポチャンと落とす。
くそ~、一番風呂という名誉はあげ玉に取られたか……。
若干悔しい思いをしながらも、次はレオンをポチャンしてあげて、その後俺も続いて湯船に入る。
すると体の芯まで暖まるじんわりとした暖かさと全身の疲れが湯に吸い取られていくような感覚に、口からは「 うぅ~………… 」とうめき声に近い声が溢れた。
そのまませっかく広いお風呂なのでと仰向けにプカプカ浮かべば、目に飛び込んでくるのは数え切れないほどの星で飾られた夜空だ。
「 うわぁ~……。 」
今度は感動が口から飛び出ると、” あの大渋滞している星の中に一体いくつの世界が存在しているんだろう? ” と、ちょっとした疑問が浮かぶ。
一度死んだ後出会った ” 神幹部 ” のレーニャちゃんいわく、この世には沢山の世界があって、その1つ1つに ” 小神 ” 様がいてその世界を管理しているのだと言っていた。
だからきっと今目の前に見えている星達にも小神様たちが管理する世界があって、その数だけ人生という物語が存在している。
そして、その全ては1つの大きな流れに沿って流され進んでいる────な~んて壮大な話すぎて俺のポンコツ鳥頭ではついていけないスケールの話だ。
温かい湯を楽しみながら、レーニャちゃんと話をした時の事を思い出す。
この数多にある世界の共通のルール < 理 >
そしてそれを元に世界は同じ方向に回っていて、その大きな流れこそ< 運命 >
この流れは決して変えることはできず、変えようとしても必ず同じ流れに引っ張られて元の流れに引き戻されてしまうんだそうだ。
その中で、俺とレオンがで出会った事は、ちょっとしたイレギュラーというヤツで、この大きな< 運命 >の流れに一瞬だけ逆らう行為だが……果たして今は無事に、元の流れに戻れたのだろうか?
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