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第九章
397 街を守るもの
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( リーフ )
この【 モンスター避け結界 】は、その名の通りモンスターを中に入れさせない結界で、詳しい仕組みは分からないがどうやら< 魔素 >に反応して発動する仕組みなのだそうだ。
そしてそれが濃ければ濃いほど強く反応し、モンスターは中へと入りにくい仕様になっている。
ただ耐久性にはやはり限界というものがあり、例えばAランクなど物凄い強いモンスターが本気で壊そうと思えば、勿論破壊されることだってある。
しかし結界を壊して入るとなるとそれなりの苦労を要する上、街には屈指の守備隊がしっかりと街を守っているので反撃にも合ってしまう。
つまりモンスター達からしたらデメリットの方が大きいのだ。
それにプラスしてモンスターレベルが高い者たちほど、魔素が濃い居心地の良い場所に住み滅多なことでそこを離れたがらないので基本的には街は安全であるらしい。
しかしそもそもどうしてモンスターランクが高い者ほど魔素が濃いところを好むのか?
それについてははっきりと分かっていないのだが、この【 モンスター避け結界 】があげ玉のようなGランクモンスターには殆ど発動しない事からーーーー
” 体内に存在する魔素量が高ランクモンスターほど高く、その分必要となる魔素量が多いからでは? ”
ーーーーの説が有力な説らしい。
あげ玉は強いから結界ちゃんと通れるかな~?
そんな心配をしていたが、この様子だと全く問題なく通過出来てしまう様子。
それにもホッとしたが、実はその事実は街の人達からすれば脅威に分類される事なのだそうだ。
GランクはまだしもFランクくらいからそれなりの攻撃性をもって襲ってくるモンスターは増えていくため、勿論街に入れば犠牲者だって出る可能性もある。
しかも ” 数は力なり~ ” を証明するように低ランクモンスターが複数同時に襲ってきた場合は、結界は耐えきれず壊れてしまうので油断はできない。
そこで活躍するのが街に在住するーーー
< 冒険者 >や< 傭兵達 >!
彼らはそういったモンスター達を定期的に討伐してくれて、そのお陰でモンスターの大量発生を防ぐことが出来ているのだ。
脅威なのは単体の強いモンスターだけではなく、実はこういった低ランクモンスターの大量発生で、それにより街が壊滅に追い込まれる方が全国的にみれば多い。
そして基本的にその被害を大きくしてしまう最大の原因がーー
【 ダンジョンの放置 】
これが今のところ最も多い原因である。
< ダンジョン >は発見しだい街から国へ報告することが義務付けられていて、ある程度の規模になる前に街の各ギルドがその破壊を行う。
しかしうっかり見つけ忘れたりして巨大化してしまえば、騎士団の派遣や高ランク冒険者や傭兵を派遣しなければならなくなったり、それすら出来ないレベルになれば土地を捨てるしかなくなる。
それほど迅速な対応が求められる緊急対処事項なのだ。
< ダンジョン >は1つ誕生すれば周囲の魔素が濃くなっていきモンスターの数はどんどん増えていく。
さらにそのせいで新たに< ダンジョン >は増えるわ、高ランクモンスターは釣られてやってきてしまうわ、数が増える事でさらに魔素は強まるわ瘴気に進化してしまうわ……でとにかく悪い事しかない。
だからこそーーー
” 定期的なモンスターの間引き ”
それこそが冒険者ギルドと傭兵ギルドの最も大事な仕事と言ってもいいほど、極めて重要なお仕事なのである。
その魔素事態を弱めてくれるスキルもあるが、そのスキル持ちはレア中のレア。
ごくごく限られた者しか使えないため、基本はとにかく定期的なモンスターの間引きをして事前に魔素が濃くならない様にすることが一番大事。
しかしどうしてもそれでは対応出来なくなってしまった時に限り、魔素を弱められる特殊なレア能力を持った者が国を通し教会から派遣される。
ちなみにソフィアちゃんもそのうちの1人。
ただだからといって延々に溢れ出す魔素をゼロにできないし、それを根本から消滅させることも不可能であるためあくまでその場に漂う魔素を薄めるだけ。
魔素は酸素や二酸化炭素同様、世界を構成する物質の1つで、消しても消しても世界の中心から吹き出し溜まっていく。
人間に出来ることは、せいぜい地上に出てきた魔素を薄める、それだけしかない。
しかし、たった ” それだけ ” でもできれば奇跡だ。
強まった魔素はやがて瘴気へと進化し、街は大量に湧いたモンスター達によって結界を壊され人々は全滅。
そしてそこはダンジョンの一部になる。
悲しい事に現にそうなってしまった街や村は世界中に沢山あって、悲惨な歴史の1ページとして、後世の今に語り継がれているというわけだ。
それを少しでも防ぐ為にとっても役に立っている【 モンスター避け結界 】
昔になんちゃら結界師~とかいう凄い資質の人が制作したらしいが、今その恩恵を受けている俺としては、制作者さんありがとうございます~と心の底から拝みたい。
ナムム~!
その凄い人を想像し拝んでいると、あげ玉が首元にある多次元バックをゴソゴソと探り、ポイポイっと森で収穫したらしい物を取り出した。
この【 モンスター避け結界 】は、その名の通りモンスターを中に入れさせない結界で、詳しい仕組みは分からないがどうやら< 魔素 >に反応して発動する仕組みなのだそうだ。
そしてそれが濃ければ濃いほど強く反応し、モンスターは中へと入りにくい仕様になっている。
ただ耐久性にはやはり限界というものがあり、例えばAランクなど物凄い強いモンスターが本気で壊そうと思えば、勿論破壊されることだってある。
しかし結界を壊して入るとなるとそれなりの苦労を要する上、街には屈指の守備隊がしっかりと街を守っているので反撃にも合ってしまう。
つまりモンスター達からしたらデメリットの方が大きいのだ。
それにプラスしてモンスターレベルが高い者たちほど、魔素が濃い居心地の良い場所に住み滅多なことでそこを離れたがらないので基本的には街は安全であるらしい。
しかしそもそもどうしてモンスターランクが高い者ほど魔素が濃いところを好むのか?
それについてははっきりと分かっていないのだが、この【 モンスター避け結界 】があげ玉のようなGランクモンスターには殆ど発動しない事からーーーー
” 体内に存在する魔素量が高ランクモンスターほど高く、その分必要となる魔素量が多いからでは? ”
ーーーーの説が有力な説らしい。
あげ玉は強いから結界ちゃんと通れるかな~?
そんな心配をしていたが、この様子だと全く問題なく通過出来てしまう様子。
それにもホッとしたが、実はその事実は街の人達からすれば脅威に分類される事なのだそうだ。
GランクはまだしもFランクくらいからそれなりの攻撃性をもって襲ってくるモンスターは増えていくため、勿論街に入れば犠牲者だって出る可能性もある。
しかも ” 数は力なり~ ” を証明するように低ランクモンスターが複数同時に襲ってきた場合は、結界は耐えきれず壊れてしまうので油断はできない。
そこで活躍するのが街に在住するーーー
< 冒険者 >や< 傭兵達 >!
彼らはそういったモンスター達を定期的に討伐してくれて、そのお陰でモンスターの大量発生を防ぐことが出来ているのだ。
脅威なのは単体の強いモンスターだけではなく、実はこういった低ランクモンスターの大量発生で、それにより街が壊滅に追い込まれる方が全国的にみれば多い。
そして基本的にその被害を大きくしてしまう最大の原因がーー
【 ダンジョンの放置 】
これが今のところ最も多い原因である。
< ダンジョン >は発見しだい街から国へ報告することが義務付けられていて、ある程度の規模になる前に街の各ギルドがその破壊を行う。
しかしうっかり見つけ忘れたりして巨大化してしまえば、騎士団の派遣や高ランク冒険者や傭兵を派遣しなければならなくなったり、それすら出来ないレベルになれば土地を捨てるしかなくなる。
それほど迅速な対応が求められる緊急対処事項なのだ。
< ダンジョン >は1つ誕生すれば周囲の魔素が濃くなっていきモンスターの数はどんどん増えていく。
さらにそのせいで新たに< ダンジョン >は増えるわ、高ランクモンスターは釣られてやってきてしまうわ、数が増える事でさらに魔素は強まるわ瘴気に進化してしまうわ……でとにかく悪い事しかない。
だからこそーーー
” 定期的なモンスターの間引き ”
それこそが冒険者ギルドと傭兵ギルドの最も大事な仕事と言ってもいいほど、極めて重要なお仕事なのである。
その魔素事態を弱めてくれるスキルもあるが、そのスキル持ちはレア中のレア。
ごくごく限られた者しか使えないため、基本はとにかく定期的なモンスターの間引きをして事前に魔素が濃くならない様にすることが一番大事。
しかしどうしてもそれでは対応出来なくなってしまった時に限り、魔素を弱められる特殊なレア能力を持った者が国を通し教会から派遣される。
ちなみにソフィアちゃんもそのうちの1人。
ただだからといって延々に溢れ出す魔素をゼロにできないし、それを根本から消滅させることも不可能であるためあくまでその場に漂う魔素を薄めるだけ。
魔素は酸素や二酸化炭素同様、世界を構成する物質の1つで、消しても消しても世界の中心から吹き出し溜まっていく。
人間に出来ることは、せいぜい地上に出てきた魔素を薄める、それだけしかない。
しかし、たった ” それだけ ” でもできれば奇跡だ。
強まった魔素はやがて瘴気へと進化し、街は大量に湧いたモンスター達によって結界を壊され人々は全滅。
そしてそこはダンジョンの一部になる。
悲しい事に現にそうなってしまった街や村は世界中に沢山あって、悲惨な歴史の1ページとして、後世の今に語り継がれているというわけだ。
それを少しでも防ぐ為にとっても役に立っている【 モンスター避け結界 】
昔になんちゃら結界師~とかいう凄い資質の人が制作したらしいが、今その恩恵を受けている俺としては、制作者さんありがとうございます~と心の底から拝みたい。
ナムム~!
その凄い人を想像し拝んでいると、あげ玉が首元にある多次元バックをゴソゴソと探り、ポイポイっと森で収穫したらしい物を取り出した。
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