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第九章
389 大事件
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( リーフ )
現在は、” まだ夕飯には少し早いがそろそろ準備しようかな? ” くらいの時間であるため、買い物客がピークになりそうな時間帯。
そのため多少不安があったがそこまで人は多くなく、ぽつりぽつりと人が歩いている程度であった。
着地した建物の屋根から下の商店と露店が並ぶ街並みを見下ろし、良かった~とホッとしながらも、なんだか歩いている人達に対しちょっとした違和感を感じる。
あれ?この間はもっと賑わっていたような……?
それに……。
俺はキョロキョロと辺りを見回し、やはり……と確信を持った。
歩いている人達も店を出している人達も、歳がそれなりにいった男女しかいない。
子供や若い娘さんが1人として歩いていなかったのだ。
この前来た時は歩いていたので、過疎化しているとかではなさそうだったのに??
不思議だな~?と思いながら、俺は屋根からシュワッチ!と下へと飛び降りると、周りにいた人達がギョッとしてコチラを見てきた。
「 ??? 」
目を見開いてこちらを見てくる街の人たちにますます頭にハテナマークが飛び、首を傾げる。
そしてそのままキョトンとしていると、直ぐに近くにいた1人の60代くらいの女性が走ってきて俺に話しかけてきた。
「 坊や、連絡聞かなかったのかい?!
・・・・
今、アイツらがここに向かっているって知らせが入ったから若い子たちは家から出ちゃいけないよ。
さっ、急いでこっちに隠れなさい! 」
訳が分からない俺に対し、他の人達も総出で「 ほらっ、こっちこい!坊主! 」「 早く早く! 」とヒソヒソ声で近くの家に俺を隠そうとしてくる。
何だ何だ???
増々意味が分からなかったが、とりあえずそのご厚意?受けて立とう!と大人しくその家へ向かおうとした、その時……。
────ガタンッ!!!!
そんな大きな物音が少し離れた場所から聞こえて、周りの人達は青ざめながら視線を音のした方へ。
何の音だ??
俺も同じくそちらへ視線をむけると、そこは露店が並ぶ一角だった。
そこには、大きい体のスキンヘッド……にしてしまえばいいのにと思うような、フサっとした髪を何故か一房だけ前髪に残した変わった髪型のガラの悪い男で、その横には2人ほど同様にあまり良い人には見えない男2人がいる。
そして、そんな男たちの前に、大きな赤いリボンをつけた小さな女の子がお腹を抑えてうずくまっていた。
更にその横には小さめの木箱が落ちていて、そこら中に沢山のリンゴがコロコロと転がっている事から、多分さっきの音はその女の子が持っていたものが手から落下した時の音だった様だ。
「 お~悪かったな~?
つい邪魔だったから足が出ちまった~♬ 」
スキンヘッドもどきの男と隣の男達はガ~ハッハッ~!!と下品な笑い声を上げた。
うずくまって震えている女の子は、見た感じまだ小学院にも上がってないくらいの年齢で、そんな小さな子供が汗を掻きながら必死に痛みに耐えるように目をぎゅっと瞑っている。
その様子を見てニヤニヤしているガラの悪い3人の男達に対し、街の人達は怒りを露わにして怒鳴った。
「 おいっ!こんな小さい子に何をするんだ!! 」
「 やめなさいよ!女の子になんてこと……! 」
怒鳴られたそのスキンヘッドもどきが、その場の全員を殺気を込めて睨むと、周囲の人々は────ビクッ!!と震えて口を閉じる。
「 はぁ~??今、誰か何か言ったか~?
守ってもらうしかない雑魚虫さん達?
俺達はこの街を守るためにわざわざ王都の冒険者ギルドから推薦されて来てやったんですけど~?
俺達がいないと街にモンスターが入って来ちゃうかも知れねぇっつーのに、そんな状況で文句とか言える立場なんですかねぇ~? 」
小馬鹿にしたようなニヤけた表情を顔に浮かべながら、耳に手を当て、は~ん?と周りの人達を挑発するスキンヘッドもどきに対し、誰も言い返す事はできず全員下を向いた。
そんな街の人達を見渡し非常に満足した様子のその男は、ニヤニヤしながら地面に落ちていたリンゴを1つ足で踏み潰しグチャグチャにしてから楽しそうに言った。
「 そうそう、くっそ弱ぇ雑魚虫共は大人しくしましょうね~?
雑魚虫は雑魚虫らしく自分達を守ってくれる俺様を楽しませてくれねと!
実際それしかできねぇんだからさぁ?
とりあえず今日は酒と~────……。 」
「 ────君!大丈夫かい?! 」
俺は直ぐにその暴力をふるわれた様子の女の子のところに飛び、その顔を覗き込むと、その子はグッ!と唇を噛みしめ、「 だ、大丈夫!! 」と大声で答えた。
この世界の子供たちって本当に逞しい!
「 じゃあ、お口開けようね~! 」
感心しながら、俺はポケットに入っている回復飴( 小 )を取り出し、その子の口にそれをポイッと放り込む。
< 回復飴 ( 小 ) >
切り傷や擦り傷、打撲など小さい怪我を直してくれる回復用の飴。
兵士の訓練時によく使われる。
するとその女の子は、にがっ!!と言わんばかりの渋い顔をしたが直ぐに痛みは引いたらしくパッと立ち上がって俺を見上げた。
「 凄い……痛みがなくなった!ありがとうお兄さん! 」
「 どういたしまして~。 」
元気になった女の子の笑顔を見ながら、リンゴを拾って木箱に入れていると────スキンヘッドもどきの男からブワッと物凄い量の殺気が放たれた。
「 ────おい、なんだぁ?このくそガキ。
てめぇ、騎士様気取りでもしてんのか?
俺の事知らねえわけないよなぁ~?
俺は────。 」
「 ごめん。悪いけど、俺は君と仲良くなりたくないから名前、言わなくていいよ。
どんな理由があってもこんな小さい子供を蹴るやつは大嫌いだ。 」
木箱を女の子に返しながら、バシッと言い切った俺に対し、更に殺気は大きく膨れ上がる。
ピキピキと青筋を立てて睨んでくるスキンヘッドもどきの男と、隣にいる男たちは、俺を殺さんとばかりに睨みつけた。
そのせいで一触即発の空気の中、そいつらが無言で俺の方へ近寄ってきて殴りかかろうとした、その瞬間────……。
現在は、” まだ夕飯には少し早いがそろそろ準備しようかな? ” くらいの時間であるため、買い物客がピークになりそうな時間帯。
そのため多少不安があったがそこまで人は多くなく、ぽつりぽつりと人が歩いている程度であった。
着地した建物の屋根から下の商店と露店が並ぶ街並みを見下ろし、良かった~とホッとしながらも、なんだか歩いている人達に対しちょっとした違和感を感じる。
あれ?この間はもっと賑わっていたような……?
それに……。
俺はキョロキョロと辺りを見回し、やはり……と確信を持った。
歩いている人達も店を出している人達も、歳がそれなりにいった男女しかいない。
子供や若い娘さんが1人として歩いていなかったのだ。
この前来た時は歩いていたので、過疎化しているとかではなさそうだったのに??
不思議だな~?と思いながら、俺は屋根からシュワッチ!と下へと飛び降りると、周りにいた人達がギョッとしてコチラを見てきた。
「 ??? 」
目を見開いてこちらを見てくる街の人たちにますます頭にハテナマークが飛び、首を傾げる。
そしてそのままキョトンとしていると、直ぐに近くにいた1人の60代くらいの女性が走ってきて俺に話しかけてきた。
「 坊や、連絡聞かなかったのかい?!
・・・・
今、アイツらがここに向かっているって知らせが入ったから若い子たちは家から出ちゃいけないよ。
さっ、急いでこっちに隠れなさい! 」
訳が分からない俺に対し、他の人達も総出で「 ほらっ、こっちこい!坊主! 」「 早く早く! 」とヒソヒソ声で近くの家に俺を隠そうとしてくる。
何だ何だ???
増々意味が分からなかったが、とりあえずそのご厚意?受けて立とう!と大人しくその家へ向かおうとした、その時……。
────ガタンッ!!!!
そんな大きな物音が少し離れた場所から聞こえて、周りの人達は青ざめながら視線を音のした方へ。
何の音だ??
俺も同じくそちらへ視線をむけると、そこは露店が並ぶ一角だった。
そこには、大きい体のスキンヘッド……にしてしまえばいいのにと思うような、フサっとした髪を何故か一房だけ前髪に残した変わった髪型のガラの悪い男で、その横には2人ほど同様にあまり良い人には見えない男2人がいる。
そして、そんな男たちの前に、大きな赤いリボンをつけた小さな女の子がお腹を抑えてうずくまっていた。
更にその横には小さめの木箱が落ちていて、そこら中に沢山のリンゴがコロコロと転がっている事から、多分さっきの音はその女の子が持っていたものが手から落下した時の音だった様だ。
「 お~悪かったな~?
つい邪魔だったから足が出ちまった~♬ 」
スキンヘッドもどきの男と隣の男達はガ~ハッハッ~!!と下品な笑い声を上げた。
うずくまって震えている女の子は、見た感じまだ小学院にも上がってないくらいの年齢で、そんな小さな子供が汗を掻きながら必死に痛みに耐えるように目をぎゅっと瞑っている。
その様子を見てニヤニヤしているガラの悪い3人の男達に対し、街の人達は怒りを露わにして怒鳴った。
「 おいっ!こんな小さい子に何をするんだ!! 」
「 やめなさいよ!女の子になんてこと……! 」
怒鳴られたそのスキンヘッドもどきが、その場の全員を殺気を込めて睨むと、周囲の人々は────ビクッ!!と震えて口を閉じる。
「 はぁ~??今、誰か何か言ったか~?
守ってもらうしかない雑魚虫さん達?
俺達はこの街を守るためにわざわざ王都の冒険者ギルドから推薦されて来てやったんですけど~?
俺達がいないと街にモンスターが入って来ちゃうかも知れねぇっつーのに、そんな状況で文句とか言える立場なんですかねぇ~? 」
小馬鹿にしたようなニヤけた表情を顔に浮かべながら、耳に手を当て、は~ん?と周りの人達を挑発するスキンヘッドもどきに対し、誰も言い返す事はできず全員下を向いた。
そんな街の人達を見渡し非常に満足した様子のその男は、ニヤニヤしながら地面に落ちていたリンゴを1つ足で踏み潰しグチャグチャにしてから楽しそうに言った。
「 そうそう、くっそ弱ぇ雑魚虫共は大人しくしましょうね~?
雑魚虫は雑魚虫らしく自分達を守ってくれる俺様を楽しませてくれねと!
実際それしかできねぇんだからさぁ?
とりあえず今日は酒と~────……。 」
「 ────君!大丈夫かい?! 」
俺は直ぐにその暴力をふるわれた様子の女の子のところに飛び、その顔を覗き込むと、その子はグッ!と唇を噛みしめ、「 だ、大丈夫!! 」と大声で答えた。
この世界の子供たちって本当に逞しい!
「 じゃあ、お口開けようね~! 」
感心しながら、俺はポケットに入っている回復飴( 小 )を取り出し、その子の口にそれをポイッと放り込む。
< 回復飴 ( 小 ) >
切り傷や擦り傷、打撲など小さい怪我を直してくれる回復用の飴。
兵士の訓練時によく使われる。
するとその女の子は、にがっ!!と言わんばかりの渋い顔をしたが直ぐに痛みは引いたらしくパッと立ち上がって俺を見上げた。
「 凄い……痛みがなくなった!ありがとうお兄さん! 」
「 どういたしまして~。 」
元気になった女の子の笑顔を見ながら、リンゴを拾って木箱に入れていると────スキンヘッドもどきの男からブワッと物凄い量の殺気が放たれた。
「 ────おい、なんだぁ?このくそガキ。
てめぇ、騎士様気取りでもしてんのか?
俺の事知らねえわけないよなぁ~?
俺は────。 」
「 ごめん。悪いけど、俺は君と仲良くなりたくないから名前、言わなくていいよ。
どんな理由があってもこんな小さい子供を蹴るやつは大嫌いだ。 」
木箱を女の子に返しながら、バシッと言い切った俺に対し、更に殺気は大きく膨れ上がる。
ピキピキと青筋を立てて睨んでくるスキンヘッドもどきの男と、隣にいる男たちは、俺を殺さんとばかりに睨みつけた。
そのせいで一触即発の空気の中、そいつらが無言で俺の方へ近寄ってきて殴りかかろうとした、その瞬間────……。
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