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第九章
387 輝かしい未来〜
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( リーフ )
おやおや~?
実はレオン、恥ずかしかったのかな~?
” 挨拶ちゃんとできたかな? ” って不安だったのかな~?
全然駄目だったけど頑張ったよ!と伝えるため、俺は目の前にあるレオンの後頭部にジョ~リジョリとまだおヒゲの生えていない顎を擦り付ける。
するとレオンはビクビクッ!!と震えた後、耳をジワッと赤くしながらオズオズと口を開いた。
「 ・・( 俺達の )未来はこれで多少は明るくなりましたか? 」
” 挨拶がちゃんとできたから、皆と仲良くできるかな・・? ”
俺は大きく頷き、いじらしい事を聞いてきたレオンにバシッと答えた。
「 勿論だ!( 皆と仲良くなれる )未来はピカピカさ! 」
自分の挨拶を褒めてもらったためか、レオンはパアァァ~と目に見えてご機嫌になる。
すると突然遠くからパチパチパチ・・と拍手がしたのでそちらに目線を向けると、生ぬるい笑顔で拍手するモルトとニールの姿が・・。
更には青ざめ震えている他の人達もそれに釣られるように拍手をし始め、何の拍手か分からないまま拍手喝采の中、レオンは俺をおぶさったまま王様席に戻った。
そして所定の黒猫の位置に俺を置いた後、嬉しそうに笑う。
「 以前レガーノの教会でみたやつみたいでしたね。
・・・いつか・・これを本物にできたら・・
・・・・・それにはまず・・お金・・ですね。 」
レガーノの教会??
ゴゴッ!と燃えるレオンを置いて、俺は、ううん??と必死に思い出の引き出しを開けまくり、その時の事を思い出す。
確かどこぞのカップルさんが結婚式を挙げていて、俺が奴隷にしたせいで自分は結婚できないじゃないか!ーーーとレオンがめちゃくちゃ怒った時のことかな・・?
確かに結婚式では、新郎新婦に対して周りの人達がこうやって拍手していたなとその時の状況を思い出し、俺は前回と同じ間違いは決して繰り返すまいとニコニコ笑いながらレオンに返事を返した。
「 そうだね!レオンはちゃんとそこへ向かって一直線に進んでいるよ。
今は無理でも絶対にその日はくるから諦めてはダメだ。
お金は確かに沢山必要だね。
こつこつ貯めていこう! 」
なんと言っても結婚式という儀式は恐ろしくお金が掛かるイベント!
特に自分たちのこだわりのものを挙げるには相当のお金が必要なのは間違いない。
俺の言葉を聞いたレオンは両目をキュムッと瞑り、何かに耐える様にフルフルと震え始めた。
「 はいっ・・・! 」
感極まった様子で頷いたレオンを見て、目を三日月にしてニンマリ笑う。
何何~?さては結婚式に夢見ちゃった感じかな~?
可愛い反応をしてくるレオンの目の前にあるお腹あたりをツンツンと揶揄う様に突いた。
大いに夢を見たまえ!少年よ!
結婚式は世界で一番幸せなイベントなのだから!ーー多分。
俺は残念ながら婚約破棄しちゃったからな~。
リーチになってビンゴにならずだったからな~。
自身の甘酸っぱい前世の記憶を思い出し、思わず渋い顔をしていると、いつの間にか舞台の方ではジュワンを引っ張り出そうと教員総出で頑張っていて、その姿は巨大な株を引き抜く某童話の様だった。
「 全然抜けないな。 」
「 もういっそ埋めていいんじゃない? 」
結構なめり込み具合に、全員プッ!と笑いながら救出作業を続けている。
そしてやっと抜けたジュワンが担架のような物で運ばれていくのを見守ると、忘れていた怒りが心に追いついてきた。
全く!子供に本気で斬りかかろうとするなんてなんて坊やだ!!
ちょっと普通ではない行動をしたジュワンは、今や俺の脳内で『 ないない君 』やら『 畑の野菜 』やらで大忙しになってしまった。
こんにゃろ~と怒っている俺に対して、とうの被害者であるレオンは上機嫌。
そしていつの間にか先程よりだいぶ離れた位置に移動している生徒たちと、直ぐ後ろにいたはずのマリオンと・・なんだかんだと入学院式はしっちゃかめっちゃかになってしまった。
結局は大破したスピーチ台の破片を片付けている教員たちの前へ、フラフラした足取りのフラン学院長がやってきてーーー
「 ーーーー以上をもって本日は解散・・・速やかに帰宅せよ・・。 」
それだけ言った後に舞台上から去っていったため、一応は入学院式は終了。
完全にフラン学院長がいなくなったのを見届けた後、俺はピョピョンと王様席のペットの場所から飛び降り、大きく伸びをした。
入学院式後は各自自由時間で、明日からは3日間のオリエンテーションがみっちり入っている。
そのため大体の人達は寮の片付けをして明日に備えるはず。
俺達も帰ったら寮の片付けの続きをやろう!
そう思いながら腰もついでに回していると、遠い席からタタっとソフィアちゃんとアゼリアちゃんが走り寄ってきた。
「 あの、リーフ様。
あれから結局、寮の方はどうされましたか? 」
なんとソフィアちゃん、俺達の寮について心配してくれていた模様。
ジーン・・としながら大丈夫と伝えようとすると、何々~?と言わんばかりにモルト、ニールは言わずもがな、獣人組とエルフ組もワラワラと集まって来たので、ソフィアちゃんは丁寧に先程の寮問題について説明をした。
すると、全員が、あ~・・・と何とも言えぬ表情を見せる。
おやおや~?
実はレオン、恥ずかしかったのかな~?
” 挨拶ちゃんとできたかな? ” って不安だったのかな~?
全然駄目だったけど頑張ったよ!と伝えるため、俺は目の前にあるレオンの後頭部にジョ~リジョリとまだおヒゲの生えていない顎を擦り付ける。
するとレオンはビクビクッ!!と震えた後、耳をジワッと赤くしながらオズオズと口を開いた。
「 ・・( 俺達の )未来はこれで多少は明るくなりましたか? 」
” 挨拶がちゃんとできたから、皆と仲良くできるかな・・? ”
俺は大きく頷き、いじらしい事を聞いてきたレオンにバシッと答えた。
「 勿論だ!( 皆と仲良くなれる )未来はピカピカさ! 」
自分の挨拶を褒めてもらったためか、レオンはパアァァ~と目に見えてご機嫌になる。
すると突然遠くからパチパチパチ・・と拍手がしたのでそちらに目線を向けると、生ぬるい笑顔で拍手するモルトとニールの姿が・・。
更には青ざめ震えている他の人達もそれに釣られるように拍手をし始め、何の拍手か分からないまま拍手喝采の中、レオンは俺をおぶさったまま王様席に戻った。
そして所定の黒猫の位置に俺を置いた後、嬉しそうに笑う。
「 以前レガーノの教会でみたやつみたいでしたね。
・・・いつか・・これを本物にできたら・・
・・・・・それにはまず・・お金・・ですね。 」
レガーノの教会??
ゴゴッ!と燃えるレオンを置いて、俺は、ううん??と必死に思い出の引き出しを開けまくり、その時の事を思い出す。
確かどこぞのカップルさんが結婚式を挙げていて、俺が奴隷にしたせいで自分は結婚できないじゃないか!ーーーとレオンがめちゃくちゃ怒った時のことかな・・?
確かに結婚式では、新郎新婦に対して周りの人達がこうやって拍手していたなとその時の状況を思い出し、俺は前回と同じ間違いは決して繰り返すまいとニコニコ笑いながらレオンに返事を返した。
「 そうだね!レオンはちゃんとそこへ向かって一直線に進んでいるよ。
今は無理でも絶対にその日はくるから諦めてはダメだ。
お金は確かに沢山必要だね。
こつこつ貯めていこう! 」
なんと言っても結婚式という儀式は恐ろしくお金が掛かるイベント!
特に自分たちのこだわりのものを挙げるには相当のお金が必要なのは間違いない。
俺の言葉を聞いたレオンは両目をキュムッと瞑り、何かに耐える様にフルフルと震え始めた。
「 はいっ・・・! 」
感極まった様子で頷いたレオンを見て、目を三日月にしてニンマリ笑う。
何何~?さては結婚式に夢見ちゃった感じかな~?
可愛い反応をしてくるレオンの目の前にあるお腹あたりをツンツンと揶揄う様に突いた。
大いに夢を見たまえ!少年よ!
結婚式は世界で一番幸せなイベントなのだから!ーー多分。
俺は残念ながら婚約破棄しちゃったからな~。
リーチになってビンゴにならずだったからな~。
自身の甘酸っぱい前世の記憶を思い出し、思わず渋い顔をしていると、いつの間にか舞台の方ではジュワンを引っ張り出そうと教員総出で頑張っていて、その姿は巨大な株を引き抜く某童話の様だった。
「 全然抜けないな。 」
「 もういっそ埋めていいんじゃない? 」
結構なめり込み具合に、全員プッ!と笑いながら救出作業を続けている。
そしてやっと抜けたジュワンが担架のような物で運ばれていくのを見守ると、忘れていた怒りが心に追いついてきた。
全く!子供に本気で斬りかかろうとするなんてなんて坊やだ!!
ちょっと普通ではない行動をしたジュワンは、今や俺の脳内で『 ないない君 』やら『 畑の野菜 』やらで大忙しになってしまった。
こんにゃろ~と怒っている俺に対して、とうの被害者であるレオンは上機嫌。
そしていつの間にか先程よりだいぶ離れた位置に移動している生徒たちと、直ぐ後ろにいたはずのマリオンと・・なんだかんだと入学院式はしっちゃかめっちゃかになってしまった。
結局は大破したスピーチ台の破片を片付けている教員たちの前へ、フラフラした足取りのフラン学院長がやってきてーーー
「 ーーーー以上をもって本日は解散・・・速やかに帰宅せよ・・。 」
それだけ言った後に舞台上から去っていったため、一応は入学院式は終了。
完全にフラン学院長がいなくなったのを見届けた後、俺はピョピョンと王様席のペットの場所から飛び降り、大きく伸びをした。
入学院式後は各自自由時間で、明日からは3日間のオリエンテーションがみっちり入っている。
そのため大体の人達は寮の片付けをして明日に備えるはず。
俺達も帰ったら寮の片付けの続きをやろう!
そう思いながら腰もついでに回していると、遠い席からタタっとソフィアちゃんとアゼリアちゃんが走り寄ってきた。
「 あの、リーフ様。
あれから結局、寮の方はどうされましたか? 」
なんとソフィアちゃん、俺達の寮について心配してくれていた模様。
ジーン・・としながら大丈夫と伝えようとすると、何々~?と言わんばかりにモルト、ニールは言わずもがな、獣人組とエルフ組もワラワラと集まって来たので、ソフィアちゃんは丁寧に先程の寮問題について説明をした。
すると、全員が、あ~・・・と何とも言えぬ表情を見せる。
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