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第九章
383 入学院式の始まり始まり〜
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( リーフ )
いよいよ入学院式が始まる様だ。
俺の心はこれから始まるであろう学院生活にワクワクドキドキ。
物語では鉱山で石を掘っているだけであったレオンにとって、この中学院生活だけが唯一物語の影響を受けない自由な時間・・精神的に最も大事になるであろう学生生活の第一歩だ!
「 じゃあ、また後でね~! 」
俺はヨイショッとレオンの背中から降りて、そのままレオンの手を引き前の方の晒し者席へ。
そして一番前の王様席とその後ろにあるVIP席を交互に指さし、我関せずのレオンにきちんと説明した。
「 さぁ、これがレオンの椅子だよ。
そしてその後ろにあるのが俺の椅子~。 」
「 ・・・・。 」
説明を受けたレオンは、ジッと二つの椅子を見つめた後、直ぐにズッ!!ズッ!!と、床が心配になるほどの勢いでVIP席を王様席の横に移動。
さぁ、リーフ様どうぞ?
そんな目で座れと訴えかけてくるレオンだが、俺は床が傷ついてないかが気になって仕方がない。
傷ついてたら謝りに行かないと・・
ヒヤヒヤしながらVIP椅子を持ち上げて見てみたが、床はセーフ。
ホッとしながらゴネゴネ気配を漂わせてくるレオンをこれ以上刺激しない様、椅子はそのままで大人しくVIP席に・・・と座ろうとしたが、レオンはそのままワシっ!と俺の腰辺りを掴みお膝の上に乗せようとしてくる!!
流石にこんな全生徒の前で英雄様を ” 椅子 ” にするわけには・・!!と踏ん張る俺。
負けじと乗せようとしてくるレオン・・。
なんだかこれ、周りから見ると新種の筋トレみたいになってない??
多分そう思われている事は、少し離れたところにある三位の椅子に既に座っているマリオンの目を見ればよく分かる。
殺意、呆れ、怒り・・・
様々な想いがぎっしりつまったマリオンの目。
その全てはレオンに惜しみなく注がれている。
流石にこのまま新種の筋トレをするのはまずいと、踏ん張りながらマリオンに朝の挨拶をした後、スイッ~と王様席のサイドの手を置く所にお尻を誘導、そのままフンッ!とそこに座った。
そして " まぁ、そこなら・・ " と妥協したらしいレオンが大人しく王様席に座ると、なんとびっくり。
裏社会を牛耳るマフィアのボスとその横に大抵いる黒猫みたいな構図になってしまった!
ここでも転倒を防ぐためレオンが俺の腰を片手で支えてくれたので、とりあえずお礼を言ったが、俺の座る予定だったVIP席が空席でなんとも寂しい。
そのため俺はとりあえずライトノア学院のしおりをポケットから取り出し、ソッとそこに置いておいた。
後ろが多少ざわついているのが分かっていたが、大ホールへフラン学院長、そして続くは先程名前を教えてもらったセリナ副学院長と沢山の教員達が入ってきたのを合図に、それもピタリと止み、皆は大人しく彼らが前にある舞台に上がるのを見守る。
一番最初に入ってきたフラン学院長は威厳ある堂々たる態度で入ってきたが、俺達の方を見ると一瞬足を止めた。
ーーーが・・
ーーーギギギギ・・。
ぎこちなく視線を外し、そのままスピーチ台の前まで行くと、脇に抱えた高さ調節のための踏み台を置きその上に立つ。
そしてそれに続き他の教員たちはその後ろにズラリと横並びになった。
試験の時と同じだな~と思いながら、突然ビッシビシとビンタされるくらいの強い視線を感じ、後ろに並ぶ教員達の一番端へと目を向ける。
するとーー
こめかみが何かの生き物の様にビクンビクンッと動き、目はうさぎの目の様に真っ赤に充血。
親の敵どころか全人類が皆殺しにでもされたの?と問いたくなるくらいの憎しみをこめた視線をレオンに向けているドーナッツ少年こと< ジュワン >の姿を発見した。
「 ・・・・。 」
思わず凝視していると、ジュワンは、ぎ~りぎりっ!!とコオロギの求愛行動のような音まで立てて歯ぎしりまでし始めたため、周りの生徒達の視線はジュワンに釘付け。
そのため俺とレオンは皆の興味の対象から外れた様だ。
勿論そんな求愛行動などお仕事以外無関心がスタンダードなレオンには届かない。
うちの子はそんなものに靡くほど安くはないので!
ギロッ!とジュワンを睨みつけてから、横に座るレオンを見下ろせばニコッと微笑む可愛い可愛いレオン少年の顔がある。
よ~しよし、怖い大人がいまちゅね~!
一応気遣う様に撫で撫でしていると、ゴホン・・と咳払いをすることで生徒たちの視線を自分に戻したフラン学院長は、スピーチ台に設置したマイクの様な魔道具に向かって話し始めた。
「 新入生諸君、まずはこのライトノア学院入学おめでとう。
あの厳しい試験を通過しここに今いるという事実は、諸君らにとって誇れる事実であることをまずは言わせていただこう。
しかし、これはほんのスタートにしか過ぎない。
これより我が学院でその才能を存分に磨き実力に見合った活躍の場に辿り着ける事を心より願っている。
ここにいる全ての者達が今日よりライバルだ。
お互い切磋琢磨し、より高みを目指してくれ。
ーーーーーでは、まずは今年の試験上位三名を紹介しよう。
3位通過、マリオン・オブ・スタンティン!総合点は『 250点 』!!! 」
おおおおーーー!!!
三位であるにも関わらず、去年の主席を上回る点数だったらしく興奮するような声が至るところで上がる。
そしてそれが収まった頃、フラン学院長は続けて言った。
「 続いて第二位通過、リーフ・フォン・メルンブルク!
総合点はーーーーーー『 355点 』!!!! 」
フラン学院長がそう告げた瞬間、ドンッ!!!と物凄い爆発が起きたかのような歓声が大ホール中に響いた。
いよいよ入学院式が始まる様だ。
俺の心はこれから始まるであろう学院生活にワクワクドキドキ。
物語では鉱山で石を掘っているだけであったレオンにとって、この中学院生活だけが唯一物語の影響を受けない自由な時間・・精神的に最も大事になるであろう学生生活の第一歩だ!
「 じゃあ、また後でね~! 」
俺はヨイショッとレオンの背中から降りて、そのままレオンの手を引き前の方の晒し者席へ。
そして一番前の王様席とその後ろにあるVIP席を交互に指さし、我関せずのレオンにきちんと説明した。
「 さぁ、これがレオンの椅子だよ。
そしてその後ろにあるのが俺の椅子~。 」
「 ・・・・。 」
説明を受けたレオンは、ジッと二つの椅子を見つめた後、直ぐにズッ!!ズッ!!と、床が心配になるほどの勢いでVIP席を王様席の横に移動。
さぁ、リーフ様どうぞ?
そんな目で座れと訴えかけてくるレオンだが、俺は床が傷ついてないかが気になって仕方がない。
傷ついてたら謝りに行かないと・・
ヒヤヒヤしながらVIP椅子を持ち上げて見てみたが、床はセーフ。
ホッとしながらゴネゴネ気配を漂わせてくるレオンをこれ以上刺激しない様、椅子はそのままで大人しくVIP席に・・・と座ろうとしたが、レオンはそのままワシっ!と俺の腰辺りを掴みお膝の上に乗せようとしてくる!!
流石にこんな全生徒の前で英雄様を ” 椅子 ” にするわけには・・!!と踏ん張る俺。
負けじと乗せようとしてくるレオン・・。
なんだかこれ、周りから見ると新種の筋トレみたいになってない??
多分そう思われている事は、少し離れたところにある三位の椅子に既に座っているマリオンの目を見ればよく分かる。
殺意、呆れ、怒り・・・
様々な想いがぎっしりつまったマリオンの目。
その全てはレオンに惜しみなく注がれている。
流石にこのまま新種の筋トレをするのはまずいと、踏ん張りながらマリオンに朝の挨拶をした後、スイッ~と王様席のサイドの手を置く所にお尻を誘導、そのままフンッ!とそこに座った。
そして " まぁ、そこなら・・ " と妥協したらしいレオンが大人しく王様席に座ると、なんとびっくり。
裏社会を牛耳るマフィアのボスとその横に大抵いる黒猫みたいな構図になってしまった!
ここでも転倒を防ぐためレオンが俺の腰を片手で支えてくれたので、とりあえずお礼を言ったが、俺の座る予定だったVIP席が空席でなんとも寂しい。
そのため俺はとりあえずライトノア学院のしおりをポケットから取り出し、ソッとそこに置いておいた。
後ろが多少ざわついているのが分かっていたが、大ホールへフラン学院長、そして続くは先程名前を教えてもらったセリナ副学院長と沢山の教員達が入ってきたのを合図に、それもピタリと止み、皆は大人しく彼らが前にある舞台に上がるのを見守る。
一番最初に入ってきたフラン学院長は威厳ある堂々たる態度で入ってきたが、俺達の方を見ると一瞬足を止めた。
ーーーが・・
ーーーギギギギ・・。
ぎこちなく視線を外し、そのままスピーチ台の前まで行くと、脇に抱えた高さ調節のための踏み台を置きその上に立つ。
そしてそれに続き他の教員たちはその後ろにズラリと横並びになった。
試験の時と同じだな~と思いながら、突然ビッシビシとビンタされるくらいの強い視線を感じ、後ろに並ぶ教員達の一番端へと目を向ける。
するとーー
こめかみが何かの生き物の様にビクンビクンッと動き、目はうさぎの目の様に真っ赤に充血。
親の敵どころか全人類が皆殺しにでもされたの?と問いたくなるくらいの憎しみをこめた視線をレオンに向けているドーナッツ少年こと< ジュワン >の姿を発見した。
「 ・・・・。 」
思わず凝視していると、ジュワンは、ぎ~りぎりっ!!とコオロギの求愛行動のような音まで立てて歯ぎしりまでし始めたため、周りの生徒達の視線はジュワンに釘付け。
そのため俺とレオンは皆の興味の対象から外れた様だ。
勿論そんな求愛行動などお仕事以外無関心がスタンダードなレオンには届かない。
うちの子はそんなものに靡くほど安くはないので!
ギロッ!とジュワンを睨みつけてから、横に座るレオンを見下ろせばニコッと微笑む可愛い可愛いレオン少年の顔がある。
よ~しよし、怖い大人がいまちゅね~!
一応気遣う様に撫で撫でしていると、ゴホン・・と咳払いをすることで生徒たちの視線を自分に戻したフラン学院長は、スピーチ台に設置したマイクの様な魔道具に向かって話し始めた。
「 新入生諸君、まずはこのライトノア学院入学おめでとう。
あの厳しい試験を通過しここに今いるという事実は、諸君らにとって誇れる事実であることをまずは言わせていただこう。
しかし、これはほんのスタートにしか過ぎない。
これより我が学院でその才能を存分に磨き実力に見合った活躍の場に辿り着ける事を心より願っている。
ここにいる全ての者達が今日よりライバルだ。
お互い切磋琢磨し、より高みを目指してくれ。
ーーーーーでは、まずは今年の試験上位三名を紹介しよう。
3位通過、マリオン・オブ・スタンティン!総合点は『 250点 』!!! 」
おおおおーーー!!!
三位であるにも関わらず、去年の主席を上回る点数だったらしく興奮するような声が至るところで上がる。
そしてそれが収まった頃、フラン学院長は続けて言った。
「 続いて第二位通過、リーフ・フォン・メルンブルク!
総合点はーーーーーー『 355点 』!!!! 」
フラン学院長がそう告げた瞬間、ドンッ!!!と物凄い爆発が起きたかのような歓声が大ホール中に響いた。
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