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第九章
373 怨念・・かも
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( リーフ )
そんな壮大な気持ちで、フォッフォッフォッ~と最近お気に入りのおじいさん風笑い方で笑っていると、レオンが地上に目をやり、何かを見つけた様子でヒュヒュンッと一瞬で消えてまた戻ってくる。
そしてその手にはキレイな光る葉っぱと手のひらサイズの輝く瘴核が・・・
「 只今戻りました。 」
そう言いながらいつもの様にその光る瘴核を渡してくるので、俺はありがと~とお礼を告げそれを受け取り、レオンの腰に装着されている剣にチラリと視線を向けた。
今レオンの腰に装備されているのは、なんとミスリルでできた超高級レイピアで、俺の腰にも同じくそんなミスリル製の中剣2本がしっかりと装備されている。
こ~んなお高い剣を自分で買ったーーーわけではなく、実はお祝いとしてドノバンにもらったものである。
< ミスリル >
銀色に光り輝く金属の一種で、非常に硬く軽いため武器や装備の材料として人気が高いが、中々見つからないため希少価値は高く、更にそれを加工できる職人は限られるためお値段はかなり高い。
ミスリル製など一般の兵士には手が届かぬ高嶺の花的な存在。
中学院試験後直ぐにそれを持ってきてくれたドノバンに俺は焦って " 本当にもらって良いのか? " と確認をとったがーーー
最近結構な額の臨時収入が入ったのと、昔の伝手で知り合いの職人さんが安く作ってくれたのだと言って最後に「 これから頑張れよ~。 」と言ってくれた。
俺はそれに感動し、ウルウルと泣きながら「 ありがと~! 」とお礼を告げたが、ドノバンは気まずそうに、スイっ・・と微妙に視線を逸す。
「 元はレオンのおかげっつーか・・まぁ、その・・気にするな・・。 」
そんな謎の言葉を小さく呟いたので、聞き返そうと口を開きかけると、慌ててバックから2つの品物を取り出す。
「 そうそう、ほら!この間会ったユーリス覚えてるか?
あいつからもお前らにお祝いのプレゼントだってよ。 」
ドノバンがグイッ!と差し出してきたのは、1つは顔半分が隠れる仕様になっている白色の < 魔術の仮面 >という魔道具。
そしてもう一つは貴族の子供に大人気の< 星空投影機 >という魔道具である。
< 星空投影機 >は手のひらサイズのおしゃれな箱の形をしていて魔力を流せば一瞬で部屋の中に星空が映し出される優れ物。
さらに設定を変えれば晴れ渡る青空にしたり夕焼け空にしたりと、色々なシチュエーションを部屋の中で楽しむことができる、貴族の家なら一台は必ずある魔道具だ。
更にこのお品、最高級品質が保証されているマリオンのお家製で、お値段はーーーー言わずもがな。
俺はブルブル震えながらそれをポケットにしまう。
ユーリスさんありがと~!
そんな言葉と共に出世払いとしてツケておいて頂こうと誓った後、レオン用にとくれたもう一つの魔道具に視線を移した。
< 魔術の仮面 >は、顔に重大な傷跡などが残ってしまった際それを隠すためのもので、なんとその持ち主の魔力に反応して磁石の様にくっつき、激しく動いてもまったく仮面はズレないというびっくり機能付き!
本人以外が無理やり剥がそうとすると、最悪顔の皮膚がベロ~ンと剥けちゃう恐れがあるというホラー要素もあり。
早速俺はポケ~~と立っているレオンの顔半分にその仮面を着けると、本当に磁石がくっつくようにペタッと皮膚に張り付き、外そうとしても外れない。
おぉ~!!!
ただただその性能に感動していると、ドノバンは、へぇ~と呟きながらマジマジとレオンの顔を眺めた。
「 普段は呪われ風の強烈な左半分に意識が向いちまっていまいち気づかねぇが・・レオンって実は信じられねぇほどキレイな顔してるよな~。
神が作り給うた~的な?
こう、人間離れした美しさっていうか・・。
半分しか見えなくてもあのメルンブルク家に勝っちゃってるもんな。
・・・お前の呪い、実は世のイケメンを憎む男たちの怨念なんじゃね? 」
そう言われた瞬間、俺の頭の中には、レオンに呪いを掛けた邪神『 ゼノン 』がお祓いの時に祈祷師が持っているペラペラの白い紙がついた棒を一心不乱に振っている映像が浮かぶ。
” 私が教えたかったことは全て君に贈る事ができる・・・ "
" ーーーそう・・外見によって女の子にモテない事がどんなに辛いのかをっ!!
イケメン呪われろぉぉぉ~! ”
ゼノンが物語のレオンハルトに言ったセリフがグニャグニャに変曲して頭に思い浮かび、ブフーーっ!!!と吹き出すと、そのまま耐えきれず大笑いしながらゴロゴロと転がりまわった。
多分かなり強力な呪い~!
神様さえも解けない呪い~♬
それを見て同じくレオンを見ながら大爆笑しているドノバン。
その直後ズカズカと凄い勢いでやって来たカルパスがすかさずスパパーン!とドノバンの頭を叩いて黙らせたので、俺はぴたりと笑うのをやめて素知らぬふりをした。
そんなこんなで貰ったミスリルの剣とレオンの左半分に張り付く白い仮面。
仮面は特に興味なさそうだったので俺がペトリとつけてあげ、剣も特に・・という感じであったが、実はそちらには興味あった様だ。
多分その性能を試してみたくてウズウズしていて試し切りにはしゃいでいるんだろうな~。
それを微笑ましく思いながら、道中これで貰った瘴核はいくつ目だろう?と数えるのも難しくなってきた瘴核を改めて見つめた。
キラキラと輝く瘴核は高く売れるらしいが、お金にしてレオンにお小遣いとして渡すか否か未だに迷っている。
貰うなら売れない石とかどんぐりとかの方がいいんだけど・・
そう思ったが勿論それは口には出さず、俺はあげ玉の首元にちょこんと装備された小さなバックの中にその瘴核をポイッと放り込んだ。
そんな小さなバックに手のひらサイズの瘴核なんて入れたらバックが破けてしまうのでは・・?
そんな心配はご無用!!
なんとコレ、あの有名な『 多次元バック 』なのである!
そんな壮大な気持ちで、フォッフォッフォッ~と最近お気に入りのおじいさん風笑い方で笑っていると、レオンが地上に目をやり、何かを見つけた様子でヒュヒュンッと一瞬で消えてまた戻ってくる。
そしてその手にはキレイな光る葉っぱと手のひらサイズの輝く瘴核が・・・
「 只今戻りました。 」
そう言いながらいつもの様にその光る瘴核を渡してくるので、俺はありがと~とお礼を告げそれを受け取り、レオンの腰に装着されている剣にチラリと視線を向けた。
今レオンの腰に装備されているのは、なんとミスリルでできた超高級レイピアで、俺の腰にも同じくそんなミスリル製の中剣2本がしっかりと装備されている。
こ~んなお高い剣を自分で買ったーーーわけではなく、実はお祝いとしてドノバンにもらったものである。
< ミスリル >
銀色に光り輝く金属の一種で、非常に硬く軽いため武器や装備の材料として人気が高いが、中々見つからないため希少価値は高く、更にそれを加工できる職人は限られるためお値段はかなり高い。
ミスリル製など一般の兵士には手が届かぬ高嶺の花的な存在。
中学院試験後直ぐにそれを持ってきてくれたドノバンに俺は焦って " 本当にもらって良いのか? " と確認をとったがーーー
最近結構な額の臨時収入が入ったのと、昔の伝手で知り合いの職人さんが安く作ってくれたのだと言って最後に「 これから頑張れよ~。 」と言ってくれた。
俺はそれに感動し、ウルウルと泣きながら「 ありがと~! 」とお礼を告げたが、ドノバンは気まずそうに、スイっ・・と微妙に視線を逸す。
「 元はレオンのおかげっつーか・・まぁ、その・・気にするな・・。 」
そんな謎の言葉を小さく呟いたので、聞き返そうと口を開きかけると、慌ててバックから2つの品物を取り出す。
「 そうそう、ほら!この間会ったユーリス覚えてるか?
あいつからもお前らにお祝いのプレゼントだってよ。 」
ドノバンがグイッ!と差し出してきたのは、1つは顔半分が隠れる仕様になっている白色の < 魔術の仮面 >という魔道具。
そしてもう一つは貴族の子供に大人気の< 星空投影機 >という魔道具である。
< 星空投影機 >は手のひらサイズのおしゃれな箱の形をしていて魔力を流せば一瞬で部屋の中に星空が映し出される優れ物。
さらに設定を変えれば晴れ渡る青空にしたり夕焼け空にしたりと、色々なシチュエーションを部屋の中で楽しむことができる、貴族の家なら一台は必ずある魔道具だ。
更にこのお品、最高級品質が保証されているマリオンのお家製で、お値段はーーーー言わずもがな。
俺はブルブル震えながらそれをポケットにしまう。
ユーリスさんありがと~!
そんな言葉と共に出世払いとしてツケておいて頂こうと誓った後、レオン用にとくれたもう一つの魔道具に視線を移した。
< 魔術の仮面 >は、顔に重大な傷跡などが残ってしまった際それを隠すためのもので、なんとその持ち主の魔力に反応して磁石の様にくっつき、激しく動いてもまったく仮面はズレないというびっくり機能付き!
本人以外が無理やり剥がそうとすると、最悪顔の皮膚がベロ~ンと剥けちゃう恐れがあるというホラー要素もあり。
早速俺はポケ~~と立っているレオンの顔半分にその仮面を着けると、本当に磁石がくっつくようにペタッと皮膚に張り付き、外そうとしても外れない。
おぉ~!!!
ただただその性能に感動していると、ドノバンは、へぇ~と呟きながらマジマジとレオンの顔を眺めた。
「 普段は呪われ風の強烈な左半分に意識が向いちまっていまいち気づかねぇが・・レオンって実は信じられねぇほどキレイな顔してるよな~。
神が作り給うた~的な?
こう、人間離れした美しさっていうか・・。
半分しか見えなくてもあのメルンブルク家に勝っちゃってるもんな。
・・・お前の呪い、実は世のイケメンを憎む男たちの怨念なんじゃね? 」
そう言われた瞬間、俺の頭の中には、レオンに呪いを掛けた邪神『 ゼノン 』がお祓いの時に祈祷師が持っているペラペラの白い紙がついた棒を一心不乱に振っている映像が浮かぶ。
” 私が教えたかったことは全て君に贈る事ができる・・・ "
" ーーーそう・・外見によって女の子にモテない事がどんなに辛いのかをっ!!
イケメン呪われろぉぉぉ~! ”
ゼノンが物語のレオンハルトに言ったセリフがグニャグニャに変曲して頭に思い浮かび、ブフーーっ!!!と吹き出すと、そのまま耐えきれず大笑いしながらゴロゴロと転がりまわった。
多分かなり強力な呪い~!
神様さえも解けない呪い~♬
それを見て同じくレオンを見ながら大爆笑しているドノバン。
その直後ズカズカと凄い勢いでやって来たカルパスがすかさずスパパーン!とドノバンの頭を叩いて黙らせたので、俺はぴたりと笑うのをやめて素知らぬふりをした。
そんなこんなで貰ったミスリルの剣とレオンの左半分に張り付く白い仮面。
仮面は特に興味なさそうだったので俺がペトリとつけてあげ、剣も特に・・という感じであったが、実はそちらには興味あった様だ。
多分その性能を試してみたくてウズウズしていて試し切りにはしゃいでいるんだろうな~。
それを微笑ましく思いながら、道中これで貰った瘴核はいくつ目だろう?と数えるのも難しくなってきた瘴核を改めて見つめた。
キラキラと輝く瘴核は高く売れるらしいが、お金にしてレオンにお小遣いとして渡すか否か未だに迷っている。
貰うなら売れない石とかどんぐりとかの方がいいんだけど・・
そう思ったが勿論それは口には出さず、俺はあげ玉の首元にちょこんと装備された小さなバックの中にその瘴核をポイッと放り込んだ。
そんな小さなバックに手のひらサイズの瘴核なんて入れたらバックが破けてしまうのでは・・?
そんな心配はご無用!!
なんとコレ、あの有名な『 多次元バック 』なのである!
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