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第八章
371 ???
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( ??? )
~ エルフの国< レイティア王国 >辺境の地 ~
「 へっくしっ!!! 」
輝くような美しい金色の髪、その左サイドのやや長い一房の髪を編み込んだ変わった髪型に、晴れ渡った空のような蒼い瞳。
精悍な顔立ちをしているが、現在は泥にまみれてしまっているためその印象はぼやけてしまう。
そんな30には届かなさそうに見える年齢の青年は、派手なくしゃみをし、そのままゴシゴシと鼻を擦った。
「 ・・・お風邪でもひかれました? 」
そんな青年を気遣うように声を掛ける同じくらいの年の体格の良い青年。
赤黒い紫色の短い髪、切れ長で感情が読みにくいと感じる落ち着いた目。
そして真面目さを現すようなキリッと上がっている眉としっかり閉じられた口。
背中には大きな大剣を背負っているが汗1つ掻かずに平然とした様子で、もうひとりの青年のほうへ視線を向けると声を掛けられた青年は、ははっと朗らかに笑った。
「 い~や!風邪は引いてないから、多分誰かが俺の事でも噂してたんじゃないかな~?
俺ってば有名人だからホント困っちゃうよね~!
それか、今休憩しようとした事がバレちゃったかな? 」
「 ・・・そうですか・・。 」
イタズラがバレた様にウィンクする青年と、それに一切表情を変えずに淡々と答える青年。
その後シーン・・としてしまうが、金色の髪の青年の方は全く気にすることなく、その場に座ると大きなバックの中から一冊の絵本を取り出した。
表紙には両手を上に挙げニコニコ笑う猫と、同じく両手を上に挙げ踊りながらそれにゾロゾロとついていく人々の姿が描かれている。
・・
「 俺にはこれが全く見えないけど、きっと ” 彼ら ” には見えていたはずだ。
ーーー何かが。
だからこそ最後に残していったのだから・・
なら、俺は・・そのボンヤリと霧にかかったようなーー
” 3つ目 ” の未来へ。
たった1つのあるかもしれない ” 希望 ” に向かって準備しないとね。
最後にきっとこれが必要になるはずだから。 」
訳の分からぬ言葉だが、とりあえずといった様子で大剣を背負った青年は頷いた。
それにクスッと笑いながら絵本をバックにしまい、金色の髪の青年は立ち上がる。
「 神が決めたシナリオ、ルール、それを覆すことができるのは同じ神様だけ。
俺達 ” 人 ” に出来ることは、” 英雄 ” が決める選択肢の一部になることのみだ。
俺は何を犠牲にしてもより沢山の人達が助かる道を選ぶよ。
大きな賭けになっちゃうけどね。
シナリオ通りの未来になるのか、はたまたぼやけて見えない未来に向かっていくのかーーーその最大の分岐点はすぐそこまで迫っている。 」
金色の髪の青年はググッと大きく伸びをすると、バックを背負い大剣を背負った青年に向かって言った。
「 先が見えない未来に一体何が待っているのかな?
待つのは ” 希望 ” か、はたまた ” 絕望 ” か・・
それは進んでからのお楽しみ。
さぁ、先に進もうか! 」
コクリと頷いた大剣を持つ青年と共に金色の髪の青年は進んでいく。
長く生い茂った草木をかき分け、先の見えない道を切り開きながら・・・
~ エルフの国< レイティア王国 >辺境の地 ~
「 へっくしっ!!! 」
輝くような美しい金色の髪、その左サイドのやや長い一房の髪を編み込んだ変わった髪型に、晴れ渡った空のような蒼い瞳。
精悍な顔立ちをしているが、現在は泥にまみれてしまっているためその印象はぼやけてしまう。
そんな30には届かなさそうに見える年齢の青年は、派手なくしゃみをし、そのままゴシゴシと鼻を擦った。
「 ・・・お風邪でもひかれました? 」
そんな青年を気遣うように声を掛ける同じくらいの年の体格の良い青年。
赤黒い紫色の短い髪、切れ長で感情が読みにくいと感じる落ち着いた目。
そして真面目さを現すようなキリッと上がっている眉としっかり閉じられた口。
背中には大きな大剣を背負っているが汗1つ掻かずに平然とした様子で、もうひとりの青年のほうへ視線を向けると声を掛けられた青年は、ははっと朗らかに笑った。
「 い~や!風邪は引いてないから、多分誰かが俺の事でも噂してたんじゃないかな~?
俺ってば有名人だからホント困っちゃうよね~!
それか、今休憩しようとした事がバレちゃったかな? 」
「 ・・・そうですか・・。 」
イタズラがバレた様にウィンクする青年と、それに一切表情を変えずに淡々と答える青年。
その後シーン・・としてしまうが、金色の髪の青年の方は全く気にすることなく、その場に座ると大きなバックの中から一冊の絵本を取り出した。
表紙には両手を上に挙げニコニコ笑う猫と、同じく両手を上に挙げ踊りながらそれにゾロゾロとついていく人々の姿が描かれている。
・・
「 俺にはこれが全く見えないけど、きっと ” 彼ら ” には見えていたはずだ。
ーーー何かが。
だからこそ最後に残していったのだから・・
なら、俺は・・そのボンヤリと霧にかかったようなーー
” 3つ目 ” の未来へ。
たった1つのあるかもしれない ” 希望 ” に向かって準備しないとね。
最後にきっとこれが必要になるはずだから。 」
訳の分からぬ言葉だが、とりあえずといった様子で大剣を背負った青年は頷いた。
それにクスッと笑いながら絵本をバックにしまい、金色の髪の青年は立ち上がる。
「 神が決めたシナリオ、ルール、それを覆すことができるのは同じ神様だけ。
俺達 ” 人 ” に出来ることは、” 英雄 ” が決める選択肢の一部になることのみだ。
俺は何を犠牲にしてもより沢山の人達が助かる道を選ぶよ。
大きな賭けになっちゃうけどね。
シナリオ通りの未来になるのか、はたまたぼやけて見えない未来に向かっていくのかーーーその最大の分岐点はすぐそこまで迫っている。 」
金色の髪の青年はググッと大きく伸びをすると、バックを背負い大剣を背負った青年に向かって言った。
「 先が見えない未来に一体何が待っているのかな?
待つのは ” 希望 ” か、はたまた ” 絕望 ” か・・
それは進んでからのお楽しみ。
さぁ、先に進もうか! 」
コクリと頷いた大剣を持つ青年と共に金色の髪の青年は進んでいく。
長く生い茂った草木をかき分け、先の見えない道を切り開きながら・・・
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