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第七章
320 災難は続く
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☆ 若干のグロ表現ありです、ご注意をお願いします~汗m(_ _)m
( アントン )
「 ?新しい庭師でも雇ったんですかい?何も聞いてなかったが……。 」
「 いいえ?誰も雇ってなんかいませんよ?
僕の可愛いこの子達を、他人になんて任せられるわけないじゃないですか。 」
「 ????……でもあそこに沢山いるじゃないか。 」
俺がゴソゴソと土をイジったり、雑草を抜いたりしている怪しい人物達を指さすと、クランは、あぁ、と納得した様に頷く。
そしてその内の1人をこちらへと呼び寄せ、何のためらいもなく黒いフードを取った。
その瞬間、俺はビシッ──!!と固まる。
なぜなら、目の前に現れたのは、人……の形を型どった花の蔓の集合体であったからだ。
細い蔓は人の顔型を維持しながらモゾモゾと動いており、人間ならば左目に相当する場所に可愛らしい白い花が咲いている。
ゾゾゾゾッ────!!!
白目を向いて凍りついている俺に構うこと無く、クランはマントの前を開けると、そこからも人の体の形を模した蔓の集合体が姿を見せた。
「 この子は【 寄生食人花 】です。
これも新入りの子なんですよ~、可愛いでしょう? 」
うっとりした目を向けながらクランは、花が咲いている左目の隣、右目に相当する部分の蔦をスルスルと解く。
すると、中から見えたのは────真っ赤に充血した人間の目であった。
汗をブワッと掻きながら、その ” 目 ” を凝視していると、それはまるで苦痛を訴える様にぐるんぐるんと動き回り、俺にピタリと視線を合わせる。
「 ……た……た……す……………………け……。 」
そんな小さな囁きが聞こえたような気がするが、直ぐにその目を覆い始めた蔓の動く音によってそれはかき消されてしまった。
固まって汗をびゃーびゃー掻く俺に、クランはペラペラと説明を始める。
「 この子はとても優しい子でね、光と水から得た栄養で少しづつ溶かして、食べている宿主の体を出来るだけ生かしてあげるんですよ。
” 少しでも長く好きな人と過ごしたい ”
いじらしくて可愛いと思いませんか?
ちなみに戦力としてはBランクくらいですかね。
状態異常攻撃だけではなく前衛としても頼もしい子なんですよ。
……花の方は痛みを感じませんから。ね? 」
ふふっと笑いながら、クランは刈り取った匂い消し草をもっさりと渡してくれた。
それを両手で受け取ったまま固まっていると、遠くの方で────「 アントンさ~ん! 」
俺を呼ぶ声が聞こえた。
ギギッ……と呼ばれた方へ視線を向けると、そこには手を振りながらこちらへ走ってくるジェーンの姿が……。
俺は即座に走ってジェーンの元にいき、クランから距離をとる。
「 ジェーン!ナイスタイミングでさぁ!
なにか用ですかい? 」
「 あれ?アントンさん凄い汗ですけど大丈夫ですか?
えっと、実はですね~私、新しいスキルがいい感じに使える様になってきまして……。
その名も< びっくりおもちゃ箱 >!というスキルなんですが、アントンさんに確かめて欲しくて探していたんですよ。 」
< びっくりおもちゃ箱 >???
聞いたことがないスキルなので、恐らくユニークスキル……。
どうやら傭兵討伐直後に発現したものの様だ。
「 勿論いいでさぁ。 」
「 ありがとうございます!
じゃあ、ちょっと待って下さいね~! 」
何だか微笑ましい名前だなぁなどと思いながら、俺はジェーンにイエスと返すと、ニッコリ笑ったジェーンがそのスキルを発動した。
すると────……その瞬間、周囲の風がピタリと止まる。
「 ────へっ?? 」
ポカンと口を開けて周りを見渡すと、周囲に纏わりつくような気味の悪い気配が場に漂い始め、突然周囲の景色はぐにゃりと歪みだした。
更にそのせいで所々で空間に亀裂が入り、そこからドロドロと赤い血の様なものが垂れだしたではないか。
ま、まるで血の雨のようだ……。
恐ろしい光景にゴクリと唾を飲み込み、嫌な予感に支配されながら直ぐに包丁を構えると……やがて一瞬で周囲の景色が変わった。
そこは確かに今までいた場所なのだが、先ほどいた場所とはガラリと様子が変わっていて、まず青空だったはずの空が真っ赤に染まっている。
雲ひとつない赤い空、さらに迷路自体も真っ赤だし、クランが置いたであろう、バケツやシャベルなどの道具はゆうに100年くらいは経っているのか?といいたくなるくらい錆びてボロボロ。
更に周囲の花は、全てドライフラワーの様な姿へと変わっている。
「 ……母が連れて行ってくれた ” お化け洋館 ” を思い出すな。 」
母が生きていた頃、お祭りの際やっていた ” お化け洋館 ” というイベント。
単純に寂れた洋館を改造し、やってきたお客さんを驚かせるという単純な出し物であったが、子供の頃は怖くて大泣きした思い出がある。
それがちょうどこんな感じだったな~などと思い出していると突然────
「 やぁ!こんにちは! 」
そんな声が足元の方でしたため、反射的に下に視線を移すと……またもや俺は固まった。
ドライフラワーの様な花が咲き乱れている。それは別に格別驚くような事ではない。
────が…………その花の中心に人間の顔がついていれば話は別だ。
気がつけば、そこら中に咲いている全てのドライフラワーの中心には人間の顔がついていて、俺をジッと見つめながら一斉に話しかけてくる。
「 ねぇねぇ、遊ぼうよ! 」
「 お名前教えてよ~。 」
「 新入りさんかな? 」
「 ぎゃあぁぁぁぁ────────────!!!!!!! 」
俺は恐怖のあまり悲鳴を上げて、全力でその場を離れた。
( アントン )
「 ?新しい庭師でも雇ったんですかい?何も聞いてなかったが……。 」
「 いいえ?誰も雇ってなんかいませんよ?
僕の可愛いこの子達を、他人になんて任せられるわけないじゃないですか。 」
「 ????……でもあそこに沢山いるじゃないか。 」
俺がゴソゴソと土をイジったり、雑草を抜いたりしている怪しい人物達を指さすと、クランは、あぁ、と納得した様に頷く。
そしてその内の1人をこちらへと呼び寄せ、何のためらいもなく黒いフードを取った。
その瞬間、俺はビシッ──!!と固まる。
なぜなら、目の前に現れたのは、人……の形を型どった花の蔓の集合体であったからだ。
細い蔓は人の顔型を維持しながらモゾモゾと動いており、人間ならば左目に相当する場所に可愛らしい白い花が咲いている。
ゾゾゾゾッ────!!!
白目を向いて凍りついている俺に構うこと無く、クランはマントの前を開けると、そこからも人の体の形を模した蔓の集合体が姿を見せた。
「 この子は【 寄生食人花 】です。
これも新入りの子なんですよ~、可愛いでしょう? 」
うっとりした目を向けながらクランは、花が咲いている左目の隣、右目に相当する部分の蔦をスルスルと解く。
すると、中から見えたのは────真っ赤に充血した人間の目であった。
汗をブワッと掻きながら、その ” 目 ” を凝視していると、それはまるで苦痛を訴える様にぐるんぐるんと動き回り、俺にピタリと視線を合わせる。
「 ……た……た……す……………………け……。 」
そんな小さな囁きが聞こえたような気がするが、直ぐにその目を覆い始めた蔓の動く音によってそれはかき消されてしまった。
固まって汗をびゃーびゃー掻く俺に、クランはペラペラと説明を始める。
「 この子はとても優しい子でね、光と水から得た栄養で少しづつ溶かして、食べている宿主の体を出来るだけ生かしてあげるんですよ。
” 少しでも長く好きな人と過ごしたい ”
いじらしくて可愛いと思いませんか?
ちなみに戦力としてはBランクくらいですかね。
状態異常攻撃だけではなく前衛としても頼もしい子なんですよ。
……花の方は痛みを感じませんから。ね? 」
ふふっと笑いながら、クランは刈り取った匂い消し草をもっさりと渡してくれた。
それを両手で受け取ったまま固まっていると、遠くの方で────「 アントンさ~ん! 」
俺を呼ぶ声が聞こえた。
ギギッ……と呼ばれた方へ視線を向けると、そこには手を振りながらこちらへ走ってくるジェーンの姿が……。
俺は即座に走ってジェーンの元にいき、クランから距離をとる。
「 ジェーン!ナイスタイミングでさぁ!
なにか用ですかい? 」
「 あれ?アントンさん凄い汗ですけど大丈夫ですか?
えっと、実はですね~私、新しいスキルがいい感じに使える様になってきまして……。
その名も< びっくりおもちゃ箱 >!というスキルなんですが、アントンさんに確かめて欲しくて探していたんですよ。 」
< びっくりおもちゃ箱 >???
聞いたことがないスキルなので、恐らくユニークスキル……。
どうやら傭兵討伐直後に発現したものの様だ。
「 勿論いいでさぁ。 」
「 ありがとうございます!
じゃあ、ちょっと待って下さいね~! 」
何だか微笑ましい名前だなぁなどと思いながら、俺はジェーンにイエスと返すと、ニッコリ笑ったジェーンがそのスキルを発動した。
すると────……その瞬間、周囲の風がピタリと止まる。
「 ────へっ?? 」
ポカンと口を開けて周りを見渡すと、周囲に纏わりつくような気味の悪い気配が場に漂い始め、突然周囲の景色はぐにゃりと歪みだした。
更にそのせいで所々で空間に亀裂が入り、そこからドロドロと赤い血の様なものが垂れだしたではないか。
ま、まるで血の雨のようだ……。
恐ろしい光景にゴクリと唾を飲み込み、嫌な予感に支配されながら直ぐに包丁を構えると……やがて一瞬で周囲の景色が変わった。
そこは確かに今までいた場所なのだが、先ほどいた場所とはガラリと様子が変わっていて、まず青空だったはずの空が真っ赤に染まっている。
雲ひとつない赤い空、さらに迷路自体も真っ赤だし、クランが置いたであろう、バケツやシャベルなどの道具はゆうに100年くらいは経っているのか?といいたくなるくらい錆びてボロボロ。
更に周囲の花は、全てドライフラワーの様な姿へと変わっている。
「 ……母が連れて行ってくれた ” お化け洋館 ” を思い出すな。 」
母が生きていた頃、お祭りの際やっていた ” お化け洋館 ” というイベント。
単純に寂れた洋館を改造し、やってきたお客さんを驚かせるという単純な出し物であったが、子供の頃は怖くて大泣きした思い出がある。
それがちょうどこんな感じだったな~などと思い出していると突然────
「 やぁ!こんにちは! 」
そんな声が足元の方でしたため、反射的に下に視線を移すと……またもや俺は固まった。
ドライフラワーの様な花が咲き乱れている。それは別に格別驚くような事ではない。
────が…………その花の中心に人間の顔がついていれば話は別だ。
気がつけば、そこら中に咲いている全てのドライフラワーの中心には人間の顔がついていて、俺をジッと見つめながら一斉に話しかけてくる。
「 ねぇねぇ、遊ぼうよ! 」
「 お名前教えてよ~。 」
「 新入りさんかな? 」
「 ぎゃあぁぁぁぁ────────────!!!!!!! 」
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