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第七章

313 多様なシステムを活用しよう

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( リーフ )

「 レオン少年よ、落ち着くんだ。

確かにそういったやり方が多いけどそれだけじゃなくて、娼館には【 専属契約 】というシステムもあるんだ。

これはお金を余分に払って自分だけをお客さんにしてもらうシステムでね、その人を独占することができるんだよ。 」


娼館の【 専属契約 】は、かな~りお値段は張るが、貴族などは殆どこれを利用するらしい。

更に娼館に努めている女の子にはランキングのようなものがあって、上のランキングの子ほどそのお値段は高く、それこそ何千万単位くらいのお金は平気でいってしまうのだとか……。


お家が建つくらいのお金を想像し、ヒュッ!と息を飲みながら、その情報元であるマリアンヌさんの事を思い出した。

実は、この知識……あのきっちりしっかり家庭教師のマリアンヌさんに教えて貰ったものなのだ。


授業中いきなり娼館の話が出てきた時は、焦ってレオンを見上げちゃったけど、レオンは何も聞いていなかった。


恐ろしいほど無反応……。


その時の様子を思い出し、フフフッと思わず笑ってしまう。


マリアンヌさんはね~今にして思えば、あれ、俺達に対して嫌味的なもので言ってたんじゃないかと思うんだよ~。


” 廃爵された貴族は大抵が生活のためと借金を重ね、最終的には娼館や男娼館で強制労働になるんですって。

きっと惨めでしょうね~、可哀想だと心から思いますわ~。 ”


” でもお顔が残念なお方は……ねぇ?

それすらも役に立たないって何のために産まれてきたのかしら。 ”


────とか言ってたからさ!


まぁレオンは大丈夫そうだったから、俺凄い食いついて聞いちゃったよね~。娼館について!

多分その時、マリアンヌさんが汗をかいていたのは、嫌味で言った事にめちゃくちゃ食いついてきたからだと思われる。


エッチな話を聞きたくて詳しく聞いた知識が、まさかここでその知識が役に立つとは……。


マリアンヌさん、本当にありがとう!と心の中でお礼を告げながら、レオンの様子をチラッと伺った。

すると、どうやらレオン的に納得できる回答だったようで、ス~……と殺気は消えていく。


しかし、顔はまだ険しいので、俺はこの路線でトドメを刺す!


「 他にも【 身請け契約 】というのもあるよ。

身分を買い取って完全に自分のところに来てもらう、つまり結婚みたいなものだね。 」


【 身請け契約 】は、どえらいお金を払いそのお嬢さんの身分を買い取るシステムで、殆ど結婚するのと変わらないものとされている。


これは娼館で働く者達にとって願ってもないことらしく、借金が原因でやめられないお嬢さんはそれがババンと帳消しに。

お金が必要で働いているお嬢さんは、大金を手に入れる事が出来る。


その上、身分を買った以上、その先生きるのに困らぬ生活を保護することが法律で決まっているため、所謂 ” 一生安泰 ” という生活を送ることができるのだ。


中にはそれが目当てで、自ら娼館で働いているという猛者もいるというのだから驚きだ。


そんな魅力溢れる契約について語ったら、レオンはスコーンと険しい顔から情けない顔へと変化し、死なないか心配になるほど真っ赤になった。


「 結婚……ホントにそんな事が……?


────おいくらですか?


いくら払えば俺だけが、キ……キスしたり……その……触ったりとか……できますか?

けっ……結婚も……本当にできるものなら……したいです。 」


「 う~ん……どうだろうね?

多分人それぞれなんじゃないかな?

とりあえずはめちゃくちゃ高いのは確かだね。


目ん玉飛んでなくなっちゃうくらいは。 」


レオンは、「 目玉は別に飛んでいっても大丈夫ですが……」などとブツブツ言った後、難しい顔をして考え込む。

そしていつになく真剣な様子で、尋ねてきた。


「 ……それは美しく、素晴らしい人物ほど高い……ということですよね? 」


ズイズイ!と迫ってくるレオンに圧倒されつつ、俺も、う~ん……?と考える。


……まぁ、それで間違いではないんじゃないかな?

人の好みは千差万別だから、その ” 美しさ ” の基準は分からないけど……。


「 うん、そうだね! 」


とりあえず間違ってはなさそうなのでそう答えると、レオンは遠い場所を見るような目をした。


「 では、一生かけても足りませんね……。 」


んんん????


俺はそこでやっと違和感に気づく。


あれ??これってもしかして…………?

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