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第六章
280 レオンのお花はな〜に?
しおりを挟む( リーフ )
そうしてレオンがゆっくりと前の方へと移動を開始したのだが、和やかだった場の空気は一変、ビッシビシに変わる。
更にレオンが通る道側に立つ受験生達は、その反対側ギリギリまでササササ────……と移動して逃げ、全員がレオンを凝視して固まっているし……。
前の方では台座の周りから教員達は10歩ほど離れ、そこが離れ小島状態になってしまった。
なんだか体育の授業でやった野球を思い出すな。
かっ飛ばしそうな人がバッターになった時、外野がやたら離れて配置につくやつ。
脳内でフンフンッ!とバットを振るレオンと、そんなレオンの球にビクビク怯える皆の姿を妄想していると、ブブ────ッ!!と吹き出してしまった。
そしてそのままプププ~!と笑っていると、レイドが静かに近づいてきて、そのままコソコソと話し出す。
「 な、なぁ、あいつって、剣に特化した奴なんだよな?
魔法は流石に苦手だよな? 」
それを聞いた、俺、モルト、ニールは、三人で顔を見合わせ、横に顔をブンブンと振った。
レオンはねぇ~苦手なモノないから。
本当にないな~い。
周りにいたメルちゃんやエルフの2人、そしてソフィアちゃん達や他の受験生達も気になっていたのか、いつの間にかこちらに注目していて、首を振る俺達に注目している。
そしてその答えを聞いた後、全員の顔からサァァ……と血の気が引き、聞いてきたレイドも青ざめながら耳と尻尾をペタリと力なく下げた。
「 ……なんか、あいつ……変……。
言ってる事も変だし……それに…… 」
何かを言いかけたレイドだったが、フラン学院長の声に反応し、口を閉ざした。
「 は……始め……! 」
歯切れの悪い開始の合図が上がったため、俺達はレオンへと意識を戻した。
さぁ、レオンはどんな花を咲かせるんだろう?
ワクワク!
ドキドキ!
楽しみで胸が高鳴る。
可愛い物が大好きなレオンは実は花も大好きで、毎朝何かしらの花を摘んでは自身の小屋へと持って帰ってる。
多分おままごとに使っているのだと思われる。
固唾をのみながらレオンを凝視している人達、そしてワクワクしながら見守る俺。
そんな中で、レオンは俺に視線を向けたまま、背筋がゾワッとする様な魔力を、鉢植えに一瞬流し込みーーーー……
ニコリと笑った。
────────バシュッ!!!!!
そんな爆発音を立て、レオンの前に置かれた鉢植えから何かが空に飛び出した。
ええええっ!!!?!
た、種、飛んでっちゃったぞっ??!!
びっくり仰天したのは俺だけではなかった様で、全員が驚愕に目を見開き空を見上げると、打ち上がった種??は空で、ボボボンッ!!!!ともう一度爆発し、なんと────
空から大量の花が俺達のいる地上へと降り注いだのだ!!!
「 花……爆弾……?? 」
目を見開きながらリリアちゃんがそう言うと、周囲からも「 え……花爆弾??なんで? 」「 うそでしょ……これ……。 」などざわつく声が多数上がる。
俺は空を見上げたまま、そのあまりに綺麗な光景に、「 う……うわぁぁ~……!! 」と感動の声を漏らした。
花は太陽の光に照らされキラキラと光り輝き、更によく見るとそんな花たちに混じって雪の結晶の様なキラキラしたものまで一緒に混じって落ちていている。
それがお互い反射して、まるで宝石の雨でも降ってきたみたいだ。
これは凄いぞ!
次から次へと感動が溢れ出し、俺は机の前からぴょんっと飛び出して落ちてくる花の一つをソッと手のひらでキャッチした。
そしてそれをマジマジと見つめると、形は蓮の花のようなのだが、色は白ではなく様々な色が混ざりあった虹色。
しかもガラスのように透き通っている事に気づく。
「 これ虹色だ! 」
俺がそう叫んだら、呆然としていた周りの人達もやっと我にかえったのか、花をマジマジと見つめた。
「 本当だ! 」
「 でも虹色なんて見たことないわ……。 」
「 しかも透き通ってるぜ。花……じゃない……? 」
口々に言い合って、ワイワイガヤガヤし始める。
確かに前見た花爆弾は、いろんな色の花はあったがこんな虹色はなかったな~……。
花爆弾を初めて見た日を思い出しながら、手にちょこんと乗っている花を見つめていると、その上から覆いかぶさるように大きな手が重なった。
おお??
デジャブを感じながらその重ねられた手を追って上を見上げると────レオンのジッと俺を見つめる視線とぶつかる。
そうしてレオンがゆっくりと前の方へと移動を開始したのだが、和やかだった場の空気は一変、ビッシビシに変わる。
更にレオンが通る道側に立つ受験生達は、その反対側ギリギリまでササササ────……と移動して逃げ、全員がレオンを凝視して固まっているし……。
前の方では台座の周りから教員達は10歩ほど離れ、そこが離れ小島状態になってしまった。
なんだか体育の授業でやった野球を思い出すな。
かっ飛ばしそうな人がバッターになった時、外野がやたら離れて配置につくやつ。
脳内でフンフンッ!とバットを振るレオンと、そんなレオンの球にビクビク怯える皆の姿を妄想していると、ブブ────ッ!!と吹き出してしまった。
そしてそのままプププ~!と笑っていると、レイドが静かに近づいてきて、そのままコソコソと話し出す。
「 な、なぁ、あいつって、剣に特化した奴なんだよな?
魔法は流石に苦手だよな? 」
それを聞いた、俺、モルト、ニールは、三人で顔を見合わせ、横に顔をブンブンと振った。
レオンはねぇ~苦手なモノないから。
本当にないな~い。
周りにいたメルちゃんやエルフの2人、そしてソフィアちゃん達や他の受験生達も気になっていたのか、いつの間にかこちらに注目していて、首を振る俺達に注目している。
そしてその答えを聞いた後、全員の顔からサァァ……と血の気が引き、聞いてきたレイドも青ざめながら耳と尻尾をペタリと力なく下げた。
「 ……なんか、あいつ……変……。
言ってる事も変だし……それに…… 」
何かを言いかけたレイドだったが、フラン学院長の声に反応し、口を閉ざした。
「 は……始め……! 」
歯切れの悪い開始の合図が上がったため、俺達はレオンへと意識を戻した。
さぁ、レオンはどんな花を咲かせるんだろう?
ワクワク!
ドキドキ!
楽しみで胸が高鳴る。
可愛い物が大好きなレオンは実は花も大好きで、毎朝何かしらの花を摘んでは自身の小屋へと持って帰ってる。
多分おままごとに使っているのだと思われる。
固唾をのみながらレオンを凝視している人達、そしてワクワクしながら見守る俺。
そんな中で、レオンは俺に視線を向けたまま、背筋がゾワッとする様な魔力を、鉢植えに一瞬流し込みーーーー……
ニコリと笑った。
────────バシュッ!!!!!
そんな爆発音を立て、レオンの前に置かれた鉢植えから何かが空に飛び出した。
ええええっ!!!?!
た、種、飛んでっちゃったぞっ??!!
びっくり仰天したのは俺だけではなかった様で、全員が驚愕に目を見開き空を見上げると、打ち上がった種??は空で、ボボボンッ!!!!ともう一度爆発し、なんと────
空から大量の花が俺達のいる地上へと降り注いだのだ!!!
「 花……爆弾……?? 」
目を見開きながらリリアちゃんがそう言うと、周囲からも「 え……花爆弾??なんで? 」「 うそでしょ……これ……。 」などざわつく声が多数上がる。
俺は空を見上げたまま、そのあまりに綺麗な光景に、「 う……うわぁぁ~……!! 」と感動の声を漏らした。
花は太陽の光に照らされキラキラと光り輝き、更によく見るとそんな花たちに混じって雪の結晶の様なキラキラしたものまで一緒に混じって落ちていている。
それがお互い反射して、まるで宝石の雨でも降ってきたみたいだ。
これは凄いぞ!
次から次へと感動が溢れ出し、俺は机の前からぴょんっと飛び出して落ちてくる花の一つをソッと手のひらでキャッチした。
そしてそれをマジマジと見つめると、形は蓮の花のようなのだが、色は白ではなく様々な色が混ざりあった虹色。
しかもガラスのように透き通っている事に気づく。
「 これ虹色だ! 」
俺がそう叫んだら、呆然としていた周りの人達もやっと我にかえったのか、花をマジマジと見つめた。
「 本当だ! 」
「 でも虹色なんて見たことないわ……。 」
「 しかも透き通ってるぜ。花……じゃない……? 」
口々に言い合って、ワイワイガヤガヤし始める。
確かに前見た花爆弾は、いろんな色の花はあったがこんな虹色はなかったな~……。
花爆弾を初めて見た日を思い出しながら、手にちょこんと乗っている花を見つめていると、その上から覆いかぶさるように大きな手が重なった。
おお??
デジャブを感じながらその重ねられた手を追って上を見上げると────レオンのジッと俺を見つめる視線とぶつかる。
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