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第六章
271 とりあえず土下座
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( リーフ )
ボソッ……
ボソボソっ……
煩くはないが、耳をくすぐる音によって意識は急速に夢の国から追い立てられ、目をパカリと開ければ慈愛に満ちたレオンのお顔とご対面する。
まだ12歳でこんな母性に溢れる表情が出来るとは……
子供だったりママだったり大忙しだな、レオンは。
ははっ!と笑いながら大きく伸びをすると、レオンが「 おはようございますリーフ様。 」なんて挨拶してくるもんだから、俺のトリ頭は朝になったと勘違い。
「 おはよ~。今日の朝ごはんはなんだろうね~? 」
そう言いながらフッと周りを見れば、すぐそこに並ぶ長い机の前にズラリと並んで立っている受験生達と、台座の近くに立っている教員達からの沢山の目と目が合う。
────今日の朝ごはんはマルタさんの牛肉フルコースでした。( 朝ごはん日記より )
今が試験中であった事を一瞬で思い出し、俺は、ババッとレオンの上から離脱して土下座した。
「 す……すみませんでした…… 」
そしてブルブル震える声で謝罪する。
なんてこった!俺どのくらい寝てた??
一時間くらい??
大事な試験の最中居眠りなんて、失格にされても文句はいえないぞ!
「 ?リーフ様、どうされました? 」
レオンは俺の上にかけてたマントを身につけながら、マイペースにそう尋ねてくる。
「 マントありがとう……そして俺、どれくらい寝てた? 」
ブルブル、ガタガタと震えながらレオンに尋ねると、レオンはそれにあっさりと答えた。
「 1時間4分54秒です。 」
────────絶望。
今まで遅刻、欠席、欠勤をしたことない事が唯一の誇りであったこの俺が、そんなご迷惑を……
グイグイと俺の体を持ち上げようとするレオンに踏ん張って耐えていると、フラン学院長が慌てた様子で俺に言った。
「 いや!リーフ殿、違うのだ!
実は我々も今しがた着いたところでな……。
ちょうど準備も完了し、声を掛けようとしていたところだった。
どうか謝らないで頂きたい。 」
えっ?今……??
頭を上げながら、改めてフラン学院長と後ろにいる教員達を見渡すと、何人かが包帯を巻いていたり、徹夜明けの様な疲労困憊な様子を見せていたりと、ちょっと普通じゃない様子をみせている事に気づく。
「 ??? 」
不思議そうな表情を見せる俺に、フラン学院長は頭を抱えながら、はぁ~……とため息をついた。
「 実はジュワンの奴がリーフ殿達がいなくなった後、錯乱してしまい、理性をなくして暴れまわるものだから、その鎮圧に時間が掛かってしまったのだ。
< 仮想幻石 >をつけていれば、そのまま亡き者にして黙らせてやったものを……。 」
心底忌々しそうに吐き捨て更には、チィッ!!!と舌打ちまでするフラン学院長。
あ~ーー……それ、壊れちゃったからね、
レオンのせいで。
ジュワンは相当な剣の達人。
理性を失くしフルで暴れるのを生かしたまま取り押さえるのは大変だっただろう。
ましてや周りは守らなきゃいけない受験生たちが多数いる状態で。
受験生達に一切の怪我が無いところをみると、やはり教員たち一人一人の実力は確かなものの様だ。
ジュワンが一番悪いのは置いておいても、結局悪いのは喜んで喧嘩を買った俺なので、もう一度皆に謝ろうとしたその時、レオンが先に口を開いた。
「 リーフ様を待たせるなど万死に値する大罪……全員片付けますか? 」
チラッと皆に視線を走らせるレオンに、フラン学院長や他の教員達、そして受験生たちも全員が先ほど『 ないない君 』になったジュワンを思い出した様で一瞬で青ざめる。
俺は、全く……と呆れて、こちらを覗き込むレオンのお高い鼻をキュムっと掴んだ。
「 レオ~ン!( 恥ずかしいからといって )そんな事を言ってはいけないよ。
これから彼らと( レオンが )仲良くなる予定なんだから( 友達として )優しく接しなければ駄目だ。
いわば彼らは( レオンのより良い青春兼、狂った神の改善に )必要不可欠な大事な存在!
大事~大事~にしなければいけない!! 」
レオンは恥ずかしさから、こういった言葉で相手を試すような言葉を使う事がたまにある。
俺はこういう嫌なことやっちゃうよ~!
ね?ね?俺って嫌なやつでしょ~?
ーーという姿を見せて、相手がどれくらい自分を受け入れてくれるのか試す。
所謂「 お試し行為 」ってやつだ。
俺や教員達くらいの大人なら " はいはいわかってまちゅよ~。 " で済む話だが、同年代にそんな事すれば一気に嫌われもの一直線。
この悪癖は早々に潰さなければ……
レオンは鼻を摘まれキョトンとした顔を見せた後、真剣な表情を浮かべ、なるほど……と呟く。
「 そうでした。申し訳有りません。
ここにいる者達は( リーフ様の役に立つため存在する )大事な者達でした。
これからは( リーフ様の忠実なる奴隷としてこいつらが役に立つ内は )大事にしていきたいと思います。 」
『 これから俺こと、レオンは『 友達 』を大事にしていきたいと思います! 』
────聞いた?
俺、歴史的瞬間に立ち会っちゃったかもしれない。
ぶわぁぁぁぁ~!
込み上げる感動にブルブルと体は震えてしまう。
レオンが友達ほしいって!友情を大事に育みたいって!
確かにそう言った!
ボソッ……
ボソボソっ……
煩くはないが、耳をくすぐる音によって意識は急速に夢の国から追い立てられ、目をパカリと開ければ慈愛に満ちたレオンのお顔とご対面する。
まだ12歳でこんな母性に溢れる表情が出来るとは……
子供だったりママだったり大忙しだな、レオンは。
ははっ!と笑いながら大きく伸びをすると、レオンが「 おはようございますリーフ様。 」なんて挨拶してくるもんだから、俺のトリ頭は朝になったと勘違い。
「 おはよ~。今日の朝ごはんはなんだろうね~? 」
そう言いながらフッと周りを見れば、すぐそこに並ぶ長い机の前にズラリと並んで立っている受験生達と、台座の近くに立っている教員達からの沢山の目と目が合う。
────今日の朝ごはんはマルタさんの牛肉フルコースでした。( 朝ごはん日記より )
今が試験中であった事を一瞬で思い出し、俺は、ババッとレオンの上から離脱して土下座した。
「 す……すみませんでした…… 」
そしてブルブル震える声で謝罪する。
なんてこった!俺どのくらい寝てた??
一時間くらい??
大事な試験の最中居眠りなんて、失格にされても文句はいえないぞ!
「 ?リーフ様、どうされました? 」
レオンは俺の上にかけてたマントを身につけながら、マイペースにそう尋ねてくる。
「 マントありがとう……そして俺、どれくらい寝てた? 」
ブルブル、ガタガタと震えながらレオンに尋ねると、レオンはそれにあっさりと答えた。
「 1時間4分54秒です。 」
────────絶望。
今まで遅刻、欠席、欠勤をしたことない事が唯一の誇りであったこの俺が、そんなご迷惑を……
グイグイと俺の体を持ち上げようとするレオンに踏ん張って耐えていると、フラン学院長が慌てた様子で俺に言った。
「 いや!リーフ殿、違うのだ!
実は我々も今しがた着いたところでな……。
ちょうど準備も完了し、声を掛けようとしていたところだった。
どうか謝らないで頂きたい。 」
えっ?今……??
頭を上げながら、改めてフラン学院長と後ろにいる教員達を見渡すと、何人かが包帯を巻いていたり、徹夜明けの様な疲労困憊な様子を見せていたりと、ちょっと普通じゃない様子をみせている事に気づく。
「 ??? 」
不思議そうな表情を見せる俺に、フラン学院長は頭を抱えながら、はぁ~……とため息をついた。
「 実はジュワンの奴がリーフ殿達がいなくなった後、錯乱してしまい、理性をなくして暴れまわるものだから、その鎮圧に時間が掛かってしまったのだ。
< 仮想幻石 >をつけていれば、そのまま亡き者にして黙らせてやったものを……。 」
心底忌々しそうに吐き捨て更には、チィッ!!!と舌打ちまでするフラン学院長。
あ~ーー……それ、壊れちゃったからね、
レオンのせいで。
ジュワンは相当な剣の達人。
理性を失くしフルで暴れるのを生かしたまま取り押さえるのは大変だっただろう。
ましてや周りは守らなきゃいけない受験生たちが多数いる状態で。
受験生達に一切の怪我が無いところをみると、やはり教員たち一人一人の実力は確かなものの様だ。
ジュワンが一番悪いのは置いておいても、結局悪いのは喜んで喧嘩を買った俺なので、もう一度皆に謝ろうとしたその時、レオンが先に口を開いた。
「 リーフ様を待たせるなど万死に値する大罪……全員片付けますか? 」
チラッと皆に視線を走らせるレオンに、フラン学院長や他の教員達、そして受験生たちも全員が先ほど『 ないない君 』になったジュワンを思い出した様で一瞬で青ざめる。
俺は、全く……と呆れて、こちらを覗き込むレオンのお高い鼻をキュムっと掴んだ。
「 レオ~ン!( 恥ずかしいからといって )そんな事を言ってはいけないよ。
これから彼らと( レオンが )仲良くなる予定なんだから( 友達として )優しく接しなければ駄目だ。
いわば彼らは( レオンのより良い青春兼、狂った神の改善に )必要不可欠な大事な存在!
大事~大事~にしなければいけない!! 」
レオンは恥ずかしさから、こういった言葉で相手を試すような言葉を使う事がたまにある。
俺はこういう嫌なことやっちゃうよ~!
ね?ね?俺って嫌なやつでしょ~?
ーーという姿を見せて、相手がどれくらい自分を受け入れてくれるのか試す。
所謂「 お試し行為 」ってやつだ。
俺や教員達くらいの大人なら " はいはいわかってまちゅよ~。 " で済む話だが、同年代にそんな事すれば一気に嫌われもの一直線。
この悪癖は早々に潰さなければ……
レオンは鼻を摘まれキョトンとした顔を見せた後、真剣な表情を浮かべ、なるほど……と呟く。
「 そうでした。申し訳有りません。
ここにいる者達は( リーフ様の役に立つため存在する )大事な者達でした。
これからは( リーフ様の忠実なる奴隷としてこいつらが役に立つ内は )大事にしていきたいと思います。 」
『 これから俺こと、レオンは『 友達 』を大事にしていきたいと思います! 』
────聞いた?
俺、歴史的瞬間に立ち会っちゃったかもしれない。
ぶわぁぁぁぁ~!
込み上げる感動にブルブルと体は震えてしまう。
レオンが友達ほしいって!友情を大事に育みたいって!
確かにそう言った!
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