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第六章
245 なか〜まっ!
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( リーフ )
その少年はニッコニッコと非常に上機嫌で笑っていて、俺達三人はその出現に驚いて彼を凝視した。
いたずら大好き!楽しいこと大好き!と物語るような無邪気な雰囲気。
そのせいか、燃えるような真っ赤な髪に目はややツリ目ーーーという、本来キツそうに見えてもおかしくないキリッとした顔立ちをしているのに、そんなイメージは一切感じられない。
頭には人族の耳の他にもう一つ、犬のようなピンっとした耳が生えていて、お尻からはプンプンと音を立てる勢いで動くふさふさしっぽが見える。
そして驚いたのはその体格の良さで、レオンに負けず劣らず・・といったご立派な体格をしている。
間違いない、獣人族だ!
初めてこんな間近で獣人族を見たため、俺、モルトとニールの三人が思わず、おおおーーーー!!と感動の声を上げると、獣人の少年はニヤッと笑いながら気さくに俺達に話しかけてくる。
「 お~すっ!俺は犬獣人の< レイド >
爵位は男爵、よろしくな。
会場に向かおうとしてたら同志の声が聞こえたもんだから思わず割り込んじまった。
右見ても左をみても人族とか、ここは天国だよな~。
将来の夢は人族のハーレムを作ること!
そのために俺は絶対この学院に受かってみせる! 」
グッと拳を握り感極まった様子を見せる獣人族のレイドを見て、紫のもじゃもじゃしたものが頭の端に浮かんだが、俺はとりあえずスッと彼に向かって手を差し出した。
「 うむ。それは全世界男性共通の大いなる夢だね。是非頑張って欲しい。
俺はリーフ、そして後ろにいるのはレオンで、横にいるのはモルトとニールだよ。
これからよろしく。 」
そして差し出した手の上にモルトとニールの手が重なり、更にその上にレイドが手を重ねようとしたその時、彼は突然、バッ!!!と道の端まで飛んで移動し、レオンを凝視する。
その素早い動きに流石は獣人。
感心しながらも突然の行動に、俺、モルト、ニールが不思議そうな顔をすると、レイドは青ざめブルブル震えながらレオンを指差した。
「 なっなんか変だぞ、そいつ・・・
人族??
・・・なんか・・・怖い・・・ビリビリする。
こんな感覚初めてで何か分からねえが・・・
・・・・うん・・・お前怖い。
なんかあんまり近づきたくない感じ?? 」
さっきはピンッと張っていた耳はへにょっと垂れ、尻尾はクルンと丸まりプルプルしている。
獣人族はその恐ろしいほどの身体能力と共に、気配察知や危険察知能力などの直感力に非常にすぐれている人種だ。
そのため恐らくはレオンの呪いの気配・・?的なものを感じてびっくりしてしまったのかもしれない。
なんたって神様にも解けない強力な呪いらしいし・・
ダラダラと汗を掻き続けるレイドを見て、これほどの過剰反応をみせるとは、やはりナンバーワン中学院を受けようとしているだけあって実力は相当高そうだと予想する。
これは試験合格も一筋縄ではいかないぞ!
気合を入れ直していると、突如ズドンっ!!と物凄い勢いでレイドの頭に何かがクリーンヒットし、そのままレイドは倒れてしまった。
そして当たった何かはくるくるとそれが飛んできた方向へブーメランの様に戻っていく。
ーー???靴???
小さいが特徴のある形にそれが靴である事に気づくと、今度はそれをキャッチした人物へと視線が移った。
青いフードを頭に被り、長めのワンピースに近い上着を着ている小さな少女。
その子は手元に戻ってきた靴をゆっくりと履いた後、パンパンと手を払った。
背丈は俺より頭二個分以上は小さく、目はまるでお人形の様にパチクリしているのと切りそろえた長い水色の髪がフードの横から一部出ているのを見て、俺の頭の中には日本の市松人形が思い浮かぶ。
少女は俺達にペコリと頭を下げると、倒れているレイドの襟元を鷲掴み、そのままズルズルと引きずっていった。
それを見送りながら、まさに電光石火のような出会いにしばし四人でシーンとしていたがーーー
「 あっ!!試験時間!!」
モルトの焦った声に我に返り、俺達は慌てて試験会場へと向かった。
その少年はニッコニッコと非常に上機嫌で笑っていて、俺達三人はその出現に驚いて彼を凝視した。
いたずら大好き!楽しいこと大好き!と物語るような無邪気な雰囲気。
そのせいか、燃えるような真っ赤な髪に目はややツリ目ーーーという、本来キツそうに見えてもおかしくないキリッとした顔立ちをしているのに、そんなイメージは一切感じられない。
頭には人族の耳の他にもう一つ、犬のようなピンっとした耳が生えていて、お尻からはプンプンと音を立てる勢いで動くふさふさしっぽが見える。
そして驚いたのはその体格の良さで、レオンに負けず劣らず・・といったご立派な体格をしている。
間違いない、獣人族だ!
初めてこんな間近で獣人族を見たため、俺、モルトとニールの三人が思わず、おおおーーーー!!と感動の声を上げると、獣人の少年はニヤッと笑いながら気さくに俺達に話しかけてくる。
「 お~すっ!俺は犬獣人の< レイド >
爵位は男爵、よろしくな。
会場に向かおうとしてたら同志の声が聞こえたもんだから思わず割り込んじまった。
右見ても左をみても人族とか、ここは天国だよな~。
将来の夢は人族のハーレムを作ること!
そのために俺は絶対この学院に受かってみせる! 」
グッと拳を握り感極まった様子を見せる獣人族のレイドを見て、紫のもじゃもじゃしたものが頭の端に浮かんだが、俺はとりあえずスッと彼に向かって手を差し出した。
「 うむ。それは全世界男性共通の大いなる夢だね。是非頑張って欲しい。
俺はリーフ、そして後ろにいるのはレオンで、横にいるのはモルトとニールだよ。
これからよろしく。 」
そして差し出した手の上にモルトとニールの手が重なり、更にその上にレイドが手を重ねようとしたその時、彼は突然、バッ!!!と道の端まで飛んで移動し、レオンを凝視する。
その素早い動きに流石は獣人。
感心しながらも突然の行動に、俺、モルト、ニールが不思議そうな顔をすると、レイドは青ざめブルブル震えながらレオンを指差した。
「 なっなんか変だぞ、そいつ・・・
人族??
・・・なんか・・・怖い・・・ビリビリする。
こんな感覚初めてで何か分からねえが・・・
・・・・うん・・・お前怖い。
なんかあんまり近づきたくない感じ?? 」
さっきはピンッと張っていた耳はへにょっと垂れ、尻尾はクルンと丸まりプルプルしている。
獣人族はその恐ろしいほどの身体能力と共に、気配察知や危険察知能力などの直感力に非常にすぐれている人種だ。
そのため恐らくはレオンの呪いの気配・・?的なものを感じてびっくりしてしまったのかもしれない。
なんたって神様にも解けない強力な呪いらしいし・・
ダラダラと汗を掻き続けるレイドを見て、これほどの過剰反応をみせるとは、やはりナンバーワン中学院を受けようとしているだけあって実力は相当高そうだと予想する。
これは試験合格も一筋縄ではいかないぞ!
気合を入れ直していると、突如ズドンっ!!と物凄い勢いでレイドの頭に何かがクリーンヒットし、そのままレイドは倒れてしまった。
そして当たった何かはくるくるとそれが飛んできた方向へブーメランの様に戻っていく。
ーー???靴???
小さいが特徴のある形にそれが靴である事に気づくと、今度はそれをキャッチした人物へと視線が移った。
青いフードを頭に被り、長めのワンピースに近い上着を着ている小さな少女。
その子は手元に戻ってきた靴をゆっくりと履いた後、パンパンと手を払った。
背丈は俺より頭二個分以上は小さく、目はまるでお人形の様にパチクリしているのと切りそろえた長い水色の髪がフードの横から一部出ているのを見て、俺の頭の中には日本の市松人形が思い浮かぶ。
少女は俺達にペコリと頭を下げると、倒れているレイドの襟元を鷲掴み、そのままズルズルと引きずっていった。
それを見送りながら、まさに電光石火のような出会いにしばし四人でシーンとしていたがーーー
「 あっ!!試験時間!!」
モルトの焦った声に我に返り、俺達は慌てて試験会場へと向かった。
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