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第六章
244 青春を謳歌ーー・・できる?
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( リーフ )
シーンと静まりかえるその場で、ソフィアちゃんとアゼリアちゃんはお互い目を合わせ神妙な表情で頷きあう。
これが何かを二人は知っている様子だ。
「 二人はこの黒いのが何か知ってるの? 」
そう質問すればやや顔色の良くないソフィアちゃんがそれに答えてくれた。
「 ・・これは< 回避珠 >ではなく< 魔引力珠 >と呼ばれる魔道具です。
どうやらかなり精度の高い隠蔽スキルを掛けられていたようですね。
ここまで見事な偽装・・並大抵の実力では・・・ 」
< 魔引力珠 >
モンスターを引き寄せる魔道具で、黒い水晶のような色をした円形の形をしている。
制作者のレベルによってその品質に違いが見られ、レベル1~5まで。
レベルが高いほど高品質でより高い効果を得ることができる。
な、な、な、何だって!!
俺は驚きのあまり口をパカーンしてその黒い残骸達を見下ろした。
だからあんなに頻繁にモンスターに襲われたのか!
理由が判明してスッキリしたのも束の間、新たに判明した衝撃の事実にガガーン・・とショックを受ける。
・・ってことはソフィアちゃんは、何者かに命を狙われている、そういうことか!
物語の中ではその様な出来事は一切語られず、サラリとレオンハルトとの旅に同行していたから全く知らなかった事実だ。
王族という立場上、派閥争いなど様々な陰謀が渦巻いて・・的なやつだろうか?
王道パターンの理由をまずは思いつき、オロオロと心配したが、とりあえず物語上でのソフィアちゃんは無事。
だから多分このままでも大丈夫だと思うが・・
俺は改めて黒いカケラ達をジト~~と睨んだ。
ある程度は気をつけておいた方がいいかもしれないな・・
一応警戒しておこうと決意したが、ソフィアちゃんは凛とした表情で顔を上げ心配御無用!と言わんばかりの凛とした表情を見せる。
「 重ね重ね本当にありがとうございました。
このお礼は必ず後日必ず・・。
お互い試験、頑張りましょう。 」
そうして二人は試験会場へと向かうため、ひと足先にこの場を去っていった。
ちなみにアゼリアちゃんはこちらが見えなくなるまでものすごい顔でレオンを睨みつけていた・・
そしてその姿が見えなくなった途端、モルトとニールが、はっ~~~と大きく息を吐き、ヘナヘナとその場に座り込む。
「 二人共大丈夫かい?疲れちゃった?? 」
慌てて駆け寄りながらそう尋ねると、二人はブンブンと首を振った。
「 違いますよぉぉぉ~。
だってだって本物の王女様っすよ!?王女様っ!!
そんな雲の上のお人に話しかけられたら緊張するに決まってるじゃないすか~。
しかもめちゃくちゃ可愛いし!あんな綺麗な人初めて見たっす。
もう試験どころじゃないっすよ。 」
モルトも横でウンウンと完全同意の意思を示し、もう一度二人は、はぁ~~~と大きく息を吐いた。
なるほど、なるほど。
要はアイドルを間近で見て、更には話しかけられちゃった~ーー的な感じか。
確かに絶世の美少女だったからその気持ちはよく分かるし、意外にレオンも緊張して下ネタ振っちゃったんじゃな~い??
揶揄う様に笑いながら振り返ると、レオンはムッとしたまま黙りこくっているので正直よく分からない。
ーーーが、しかし!まだ俺達は青春の入り口にすら立ってすらいないのだ。
それを謳歌するにはまず試験に受かる事が大事!
「 ふっふっふっ~。
じゃあ、絶対にこの試験、落ちるわけにはいかないね。
受かれば俺達はそんな王女様と同級生さ。
それに・・そこにはまだ見ぬ楽園への道がきっと広がっている事だろう! 」
俺がそう言って右手をビシッと天に向けて振り上げれば、モルトとニールの目には炎が宿り、レオンはレオンで「 ・・・楽園・・?」とブツブツ言っているのでそれなりに興味は湧いたようだ。
「 ふっ・・ふふふふ・・・リーフ様!俺はやるっす!
王女様と・・まだ見ぬ女の子達のため!青春を謳歌するために!! 」
「 ・・おっ俺は、じゅっ、純粋に!!そんな不純な動機ではなく、あくまで自身の実力UPのため全力を尽くします!! 」
そう言って二人は勢いよく立ち上がり、俺同様右手を大きく上に向けて挙げる。
そして幼馴染~ズ、ファイオー!!と声を合わせて言おうとした、その時ーーー
「 ハイハ~イ!!!
俺はめちゃくちゃ可愛い人族のお嫁さん欲しい!!
俺も絶対試験に受かって青春謳歌してみせるぜ! 」
そう言いながら一人の少年が右手を挙げて話に混ざってきた。
シーンと静まりかえるその場で、ソフィアちゃんとアゼリアちゃんはお互い目を合わせ神妙な表情で頷きあう。
これが何かを二人は知っている様子だ。
「 二人はこの黒いのが何か知ってるの? 」
そう質問すればやや顔色の良くないソフィアちゃんがそれに答えてくれた。
「 ・・これは< 回避珠 >ではなく< 魔引力珠 >と呼ばれる魔道具です。
どうやらかなり精度の高い隠蔽スキルを掛けられていたようですね。
ここまで見事な偽装・・並大抵の実力では・・・ 」
< 魔引力珠 >
モンスターを引き寄せる魔道具で、黒い水晶のような色をした円形の形をしている。
制作者のレベルによってその品質に違いが見られ、レベル1~5まで。
レベルが高いほど高品質でより高い効果を得ることができる。
な、な、な、何だって!!
俺は驚きのあまり口をパカーンしてその黒い残骸達を見下ろした。
だからあんなに頻繁にモンスターに襲われたのか!
理由が判明してスッキリしたのも束の間、新たに判明した衝撃の事実にガガーン・・とショックを受ける。
・・ってことはソフィアちゃんは、何者かに命を狙われている、そういうことか!
物語の中ではその様な出来事は一切語られず、サラリとレオンハルトとの旅に同行していたから全く知らなかった事実だ。
王族という立場上、派閥争いなど様々な陰謀が渦巻いて・・的なやつだろうか?
王道パターンの理由をまずは思いつき、オロオロと心配したが、とりあえず物語上でのソフィアちゃんは無事。
だから多分このままでも大丈夫だと思うが・・
俺は改めて黒いカケラ達をジト~~と睨んだ。
ある程度は気をつけておいた方がいいかもしれないな・・
一応警戒しておこうと決意したが、ソフィアちゃんは凛とした表情で顔を上げ心配御無用!と言わんばかりの凛とした表情を見せる。
「 重ね重ね本当にありがとうございました。
このお礼は必ず後日必ず・・。
お互い試験、頑張りましょう。 」
そうして二人は試験会場へと向かうため、ひと足先にこの場を去っていった。
ちなみにアゼリアちゃんはこちらが見えなくなるまでものすごい顔でレオンを睨みつけていた・・
そしてその姿が見えなくなった途端、モルトとニールが、はっ~~~と大きく息を吐き、ヘナヘナとその場に座り込む。
「 二人共大丈夫かい?疲れちゃった?? 」
慌てて駆け寄りながらそう尋ねると、二人はブンブンと首を振った。
「 違いますよぉぉぉ~。
だってだって本物の王女様っすよ!?王女様っ!!
そんな雲の上のお人に話しかけられたら緊張するに決まってるじゃないすか~。
しかもめちゃくちゃ可愛いし!あんな綺麗な人初めて見たっす。
もう試験どころじゃないっすよ。 」
モルトも横でウンウンと完全同意の意思を示し、もう一度二人は、はぁ~~~と大きく息を吐いた。
なるほど、なるほど。
要はアイドルを間近で見て、更には話しかけられちゃった~ーー的な感じか。
確かに絶世の美少女だったからその気持ちはよく分かるし、意外にレオンも緊張して下ネタ振っちゃったんじゃな~い??
揶揄う様に笑いながら振り返ると、レオンはムッとしたまま黙りこくっているので正直よく分からない。
ーーーが、しかし!まだ俺達は青春の入り口にすら立ってすらいないのだ。
それを謳歌するにはまず試験に受かる事が大事!
「 ふっふっふっ~。
じゃあ、絶対にこの試験、落ちるわけにはいかないね。
受かれば俺達はそんな王女様と同級生さ。
それに・・そこにはまだ見ぬ楽園への道がきっと広がっている事だろう! 」
俺がそう言って右手をビシッと天に向けて振り上げれば、モルトとニールの目には炎が宿り、レオンはレオンで「 ・・・楽園・・?」とブツブツ言っているのでそれなりに興味は湧いたようだ。
「 ふっ・・ふふふふ・・・リーフ様!俺はやるっす!
王女様と・・まだ見ぬ女の子達のため!青春を謳歌するために!! 」
「 ・・おっ俺は、じゅっ、純粋に!!そんな不純な動機ではなく、あくまで自身の実力UPのため全力を尽くします!! 」
そう言って二人は勢いよく立ち上がり、俺同様右手を大きく上に向けて挙げる。
そして幼馴染~ズ、ファイオー!!と声を合わせて言おうとした、その時ーーー
「 ハイハ~イ!!!
俺はめちゃくちゃ可愛い人族のお嫁さん欲しい!!
俺も絶対試験に受かって青春謳歌してみせるぜ! 」
そう言いながら一人の少年が右手を挙げて話に混ざってきた。
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