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第六章
235 戦闘後にて
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( リーフ )
顎が外れそうなくらい口を開け言葉もでない兵士たちをよそに、座布団みたいなピンクハート型の花びら?と野球ボールくらいのダイヤモンドみたいな固まりを持ったレオンがその首の上にスタッと着地した。
そして俺の姿を確認すると直ぐにこちらへと降り立ち、ダイヤモンドみたいな塊を花びらの上にチョンっと乗せ差し出してきた。
どうやらそれは、この首だけになったノーフェイス・ネオウルフの瘴核らしい。
そしてピンクの花びらはきっとそこらへんに生えていた花から毟ってきたにちがいない。
キラキラと眩い光を放つそれと、ご機嫌なレオンを交互に見つめながら密かにため息をついた。
レオンはちょっと珍しいものを発見し俺に渡す時、基本はニールから貰ったお皿を使う。
しかしそれが手元に無い時はこうしてそこらへんに生えているきれいな花びらや葉っぱの上にそれを置き、俺に献上しようとしてくるためさほど珍しい事ではない。
そしてそれを受け取るまでーーー
” なぜ? ”
” どうして受け取ってくれないの?? ”
” もっと良いものじゃないと・・?? ”
ーーーと毎度お馴染みゴネりがはじまるのは分かっているので、俺は素直に「 ありがとう。 」とお礼を告げてその大きな瘴核をその花びらごと受け取った。
そしてその花びらを風呂敷代わりに使い瘴核を包んでいると、レオンはあげ玉の上に乗っている俺の腰をソッと掴んで下へと下ろす。
介護向け電動ベッド……
『 全自動!起き上がる時のご負担を減らします! 』
そんなキャッチフレーズを思い出しながら、これ近い将来完全介護にならない?とゾッと背筋を凍らせていた、その時ーーー
「 おいっ!そこの者達! 」
凛とした女性の声が聞こえたためそちらに視線を向けた。
声からさきほどの戦闘時に他の兵士さん達に指示を出していた子で、改めて彼女をまじまじ見ると、背はそれなりに高いが恐らく俺たちと同世代くらいである事に気づく。
そんな年のお嬢さんが勇ましく戦っていた事に、おぉ!と目を見張った。
藍色の長いポニーテールに、キリッとした表情。
まさにクールビューティーを具現化したといってもいいような美しいお嬢さんで、姿勢、仕草ともに洗練されたものを感じるし、カリスマ的オーラもビンビンと放つ彼女は、恐らく貴族でこの兵団のリーダー。
腰には刀のようなものを刺している事から恐らくは前衛職。
この歳でリーダーを任されるくらいだからかなりの強さを持っているに違いない。
この時代の子供達の人生はスーパーハードモードだぞ~!
なんとなく心の中でナムム~と祈っておいたが、やはり前世の記憶があるため、こんな年若い子供が戦うということに抵抗が凄くある。
しかし、国が違えば・・どころか世界が違えば常識も違う。
ごにゃごにゃ言っては失礼な事だと思ったので、リスペクトしつつここは " おじさんの余計なお世話 " を発動!
ちょっと見かけたら助太刀しちゃうよ!をしてその場を去る。
これが俺流、若者に嫌われない良きおじさんーーー通称 ” のっぽおじさん ” になるための心得!
キラっ!と目を輝かせた後、俺はニッコリ笑って笑顔で答える。
「 さっ、のっぽおじさん、のっぽおじさん 」
レオンとあげ玉にヒソヒソし、その心得に従ってその場を去ろうとしたのだが、クールビューティーお嬢さんはそれに待ったをかけるように大声で話しかけてきた。
「 おいっ!聞いているのか!
お前たち、見たところ平民の冒険者か何かか?
・・・まぁ良くやったと多少は褒めてやってもいいが、勘違いするなよ?
あれしきの事、我々だけで十分であった。
今後もあまり調子に乗らない事だ。
分かったらさっさと去れ。今見たものは全て忘れろ。
命が欲しいならな! 」
腕を組み、顎を上げながらそう言い放つ彼女になんだか激しいデジャヴを感じた。
モワモワっと浮かび上がるは、圧倒的なカリスマを誇る我らが同級生、いたずらな妖精を具現化したような、レオンに日々憎悪を向けるツンツン子猫ちゃん。
ーーーあ、マリオン?
ようはこれ、あれでしょ?
” 助けてくれてありがとう!
でも君たちに危険が及ぶんじゃないかって心配になっちゃった・・
これからも気を付けて戦ってね。
これ以上迷惑を掛けられないから、今見たことはどうか忘れて欲しいな! ”
ーーーって事でしょ?
おやおや。
精一杯爪を伸ばして威嚇するにゃんにゃんマリオンーーの隣で同じく爪を懸命に出しているニューフェイスにゃんにゃん。
可愛いでちゅね~可愛いでちゅね~。
ビシビシと顔に当たるまん丸爪とぷにぷに肉球。
その感触をポワワ~ンと思い出し和む。
それとは対照的に周りの兵士さん達は、ツンツ~ンとそっぽを向くお嬢さんに、青ざめオロオロし出した。
「 アゼリア様っ!! 」
「 恩人にいけませんよっ!! 」
口々にそう言うが、どうやら彼女の方が立場は上の様で強くは言えない様子。
いいんです、いいんです。
はいはい、のっぽおじさんは大人しくシッシするからね~。
心の中でそう言いながらよいしょっとあげ玉に乗ろうとした、その時ーーーー
「 お待ち下さい!! 」
馬車の中から幼い少女の声が聞こえたためピタリと止まって馬車の方を見た。
そしてその扉が開かれると、兵士さん達が一斉にザッ!!と一膝をつき頭を垂れる。
その様子に ” まさか中にはよっぽど偉い人がーー? ” と思いつき、ワクワクしながら開いた扉を見つめていたが、中からゆっくりと出てくる少女の姿を見てーーーー俺は驚きのあまりビシリッ!と固まってしまった。
見事な金の髪色をもつ長いサラサラヘアーに、瞳の色は稀少で神秘的なアメジスト色ーー
髪を飾るのは左右に付けている白い花の髪飾りに、透き通った白い肌、ぱっちりした目元に長いまつ毛、ちょっと見たことないレベルの可愛らしさを持ったお嬢さんであったが、それに驚いたのではない。
ーーーー間違いない
彼女は、このアルバード王国第一王女にして、イシュル教会最高責任者、かつ今世紀の ” 聖女 ” の名を持つ・・
< ソフィア・ランジェ・アルバード >
物語の中で最後までレオンハルトの側にいて支え続けた正真正銘の正統派ヒロインだ。
顎が外れそうなくらい口を開け言葉もでない兵士たちをよそに、座布団みたいなピンクハート型の花びら?と野球ボールくらいのダイヤモンドみたいな固まりを持ったレオンがその首の上にスタッと着地した。
そして俺の姿を確認すると直ぐにこちらへと降り立ち、ダイヤモンドみたいな塊を花びらの上にチョンっと乗せ差し出してきた。
どうやらそれは、この首だけになったノーフェイス・ネオウルフの瘴核らしい。
そしてピンクの花びらはきっとそこらへんに生えていた花から毟ってきたにちがいない。
キラキラと眩い光を放つそれと、ご機嫌なレオンを交互に見つめながら密かにため息をついた。
レオンはちょっと珍しいものを発見し俺に渡す時、基本はニールから貰ったお皿を使う。
しかしそれが手元に無い時はこうしてそこらへんに生えているきれいな花びらや葉っぱの上にそれを置き、俺に献上しようとしてくるためさほど珍しい事ではない。
そしてそれを受け取るまでーーー
” なぜ? ”
” どうして受け取ってくれないの?? ”
” もっと良いものじゃないと・・?? ”
ーーーと毎度お馴染みゴネりがはじまるのは分かっているので、俺は素直に「 ありがとう。 」とお礼を告げてその大きな瘴核をその花びらごと受け取った。
そしてその花びらを風呂敷代わりに使い瘴核を包んでいると、レオンはあげ玉の上に乗っている俺の腰をソッと掴んで下へと下ろす。
介護向け電動ベッド……
『 全自動!起き上がる時のご負担を減らします! 』
そんなキャッチフレーズを思い出しながら、これ近い将来完全介護にならない?とゾッと背筋を凍らせていた、その時ーーー
「 おいっ!そこの者達! 」
凛とした女性の声が聞こえたためそちらに視線を向けた。
声からさきほどの戦闘時に他の兵士さん達に指示を出していた子で、改めて彼女をまじまじ見ると、背はそれなりに高いが恐らく俺たちと同世代くらいである事に気づく。
そんな年のお嬢さんが勇ましく戦っていた事に、おぉ!と目を見張った。
藍色の長いポニーテールに、キリッとした表情。
まさにクールビューティーを具現化したといってもいいような美しいお嬢さんで、姿勢、仕草ともに洗練されたものを感じるし、カリスマ的オーラもビンビンと放つ彼女は、恐らく貴族でこの兵団のリーダー。
腰には刀のようなものを刺している事から恐らくは前衛職。
この歳でリーダーを任されるくらいだからかなりの強さを持っているに違いない。
この時代の子供達の人生はスーパーハードモードだぞ~!
なんとなく心の中でナムム~と祈っておいたが、やはり前世の記憶があるため、こんな年若い子供が戦うということに抵抗が凄くある。
しかし、国が違えば・・どころか世界が違えば常識も違う。
ごにゃごにゃ言っては失礼な事だと思ったので、リスペクトしつつここは " おじさんの余計なお世話 " を発動!
ちょっと見かけたら助太刀しちゃうよ!をしてその場を去る。
これが俺流、若者に嫌われない良きおじさんーーー通称 ” のっぽおじさん ” になるための心得!
キラっ!と目を輝かせた後、俺はニッコリ笑って笑顔で答える。
「 さっ、のっぽおじさん、のっぽおじさん 」
レオンとあげ玉にヒソヒソし、その心得に従ってその場を去ろうとしたのだが、クールビューティーお嬢さんはそれに待ったをかけるように大声で話しかけてきた。
「 おいっ!聞いているのか!
お前たち、見たところ平民の冒険者か何かか?
・・・まぁ良くやったと多少は褒めてやってもいいが、勘違いするなよ?
あれしきの事、我々だけで十分であった。
今後もあまり調子に乗らない事だ。
分かったらさっさと去れ。今見たものは全て忘れろ。
命が欲しいならな! 」
腕を組み、顎を上げながらそう言い放つ彼女になんだか激しいデジャヴを感じた。
モワモワっと浮かび上がるは、圧倒的なカリスマを誇る我らが同級生、いたずらな妖精を具現化したような、レオンに日々憎悪を向けるツンツン子猫ちゃん。
ーーーあ、マリオン?
ようはこれ、あれでしょ?
” 助けてくれてありがとう!
でも君たちに危険が及ぶんじゃないかって心配になっちゃった・・
これからも気を付けて戦ってね。
これ以上迷惑を掛けられないから、今見たことはどうか忘れて欲しいな! ”
ーーーって事でしょ?
おやおや。
精一杯爪を伸ばして威嚇するにゃんにゃんマリオンーーの隣で同じく爪を懸命に出しているニューフェイスにゃんにゃん。
可愛いでちゅね~可愛いでちゅね~。
ビシビシと顔に当たるまん丸爪とぷにぷに肉球。
その感触をポワワ~ンと思い出し和む。
それとは対照的に周りの兵士さん達は、ツンツ~ンとそっぽを向くお嬢さんに、青ざめオロオロし出した。
「 アゼリア様っ!! 」
「 恩人にいけませんよっ!! 」
口々にそう言うが、どうやら彼女の方が立場は上の様で強くは言えない様子。
いいんです、いいんです。
はいはい、のっぽおじさんは大人しくシッシするからね~。
心の中でそう言いながらよいしょっとあげ玉に乗ろうとした、その時ーーーー
「 お待ち下さい!! 」
馬車の中から幼い少女の声が聞こえたためピタリと止まって馬車の方を見た。
そしてその扉が開かれると、兵士さん達が一斉にザッ!!と一膝をつき頭を垂れる。
その様子に ” まさか中にはよっぽど偉い人がーー? ” と思いつき、ワクワクしながら開いた扉を見つめていたが、中からゆっくりと出てくる少女の姿を見てーーーー俺は驚きのあまりビシリッ!と固まってしまった。
見事な金の髪色をもつ長いサラサラヘアーに、瞳の色は稀少で神秘的なアメジスト色ーー
髪を飾るのは左右に付けている白い花の髪飾りに、透き通った白い肌、ぱっちりした目元に長いまつ毛、ちょっと見たことないレベルの可愛らしさを持ったお嬢さんであったが、それに驚いたのではない。
ーーーー間違いない
彼女は、このアルバード王国第一王女にして、イシュル教会最高責任者、かつ今世紀の ” 聖女 ” の名を持つ・・
< ソフィア・ランジェ・アルバード >
物語の中で最後までレオンハルトの側にいて支え続けた正真正銘の正統派ヒロインだ。
応援ありがとうございます!
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