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第六章
231 いざ、馬車へ・・?
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( リーフ )
「 あらぁ~!皆様これから【 ライトノア学院 】の入学院試験ですのね~!
あの学院がある街は大きな大きな森が直ぐにありますので、ダンジョンがもの凄く多いことで有名ですのよ。
そのため森の入り口、街の付近にも強いモンスターが突如出没する可能性も高いので道中は十分に気をつけてくださいね。 」
女亭主のマルタさんが、俺たち一行をお見送りしようと正面玄関にきてくれて、更に馬車を待っている間にちょっとした世間話までしてくれている。
なんでも本日宿泊している他のお客さんは昨日夜通し飲み明かしたそうで、午後までぐっすりコースで当分暇なのだとか。
たしかにここに着くまで凄いお酒臭と地震?と言いたくなるような響くいびきに遭遇したので、俺とモルトとニールは、あー・・と納得して頷いた。
つまりそのせいで従業員さん達は暇を持て余している。
そしてそれをどうにか解消するため全員ワラワラと俺たちのところに集まってきては、フェイティングポーズをとってその筋肉隆々の素晴らしい肉体を見せつけにきている・・というわけか。
目の前でまた一人、逞しい上腕二頭筋をみせつけてくるお兄さんを見て俺は完全に理由を理解した。
目を細めてそれを見送る俺とモルト、ニール、そして無反応のレオンに、マルタさんは突然スッと顔を近づけてくる。
「 ・・後ちょっと脅かしちゃうかもしれませんが、最近どうも< グリモア >の様子が変ですのよ。
これは私の勘・・のようなものですが、あまり良くない事が起こるんじゃないかって心配してますの。
ーーですので、最大限の注意をして下さいね。
もし何かあったらここに避難してきなさいな。
子供を守るくらいここの従業員が軽くしてみせますわよ。 」
そう言ってニコッと笑うマルタさん。
なんて良い人なんだ~!
ジ~ンと感動しながら、俺とモルトとニール、そしてぼんやりしているレオンの頭を俺が押さえつけてお礼を言うと、ちょうどお迎えの馬車がやってきた。
よ~し!出発出発~!
意気揚々と乗り込もうとした、その時ーーー
突如、ふっと ” 春の三毛猫 ” の皆が言っていた言葉も一緒に思い出す。
” 少し前から何故か ” ある一帯でのみ ” モンスターの行動が活発になってきていて、ここの周辺もその一帯に入ります。 ”
” どうも最近< グリモア >を中心に、何かがおきているみたいで・・ ”
それが俺の記憶にフッと引っかかり、え~っと・・??と必死にそれを思い出そうとしたのだが、どうにも思い出せない。
何だろう?
何か重要な出来事があった様なーー・・
う~ん・・
う~ん・・
ひたすら頭を悩ませ、あ、思い出しそう!と思った瞬間ーーー馬と並行して歩いてくる存在が目に入り、その何かはスポンッとすっぽ抜けてしまった。
馬に顔が着くほどの至近距離でジィーーーと音が出るくらい見つめ・・いやガンつけて睨みつけている黄色いもの。
そいつは馬がそれを嫌がりスッと顔を背ける度にスイ~と顔で追いかけ回し、真正面から「 クペェ~? 」と言って凶悪な顔でずっと睨みつけている。
「「「 ・・・・ 」」」
レオン以外の俺達三名は、その様子を見ながらさ目を細めたが、その黄色いもの・・新たなリーフファミリーとなったポッポ鳥は、しらっとしているレオンと薄目の俺を見つけると目を輝かせ、テッテッテッテ~と駆けてきた。
そして、もしかして黄色いバターができちゃう?と思うくらいの高速で俺達の周りをグルグル回った後は、これまた激しいヘッドバンギングをこれでもかと見せつけ、最後は馬に向かってフッ・・と強者の余裕顔を見せる。
その後は酷く満足げなご様子で、さぁお乗り下さいと言わんばかりに俺とレオンの前でしゃがみ込み、「 クポっ! 」と鳴いた。
ーーーデジャヴ・・
なんかつい最近こんな一連の動きを見た気がする!と、俺は後ろでシラ~っと素知らぬ顔で立っているレオンを見上げる。
なんだかこのポッポ鳥くん、やたらレオンを気にしているなと思っていたが・・これは、アレだね。
ウマが合うってやつ。
あれだけ二人とも馬に対抗心があるのにウマが合うって・・
俺はレオンの顔を見つめながら、ぷーっと笑いを忍ばせた。
ならレオンはこのポッポ鳥くんに乗ってもらって、俺は今度こそこの高級馬車に乗せてもらおう!
そう考えて、俺はニコニコしながら馬車に乗り込もうとしたのだが、突如、つぃ・・と襟首をポッポ鳥くんに摘まれる。
「 へっ?? 」
何、何~??
驚いている隙に、突然感じる浮遊感。
そして着地したのはポッポ鳥くんのふわふわの背中の上で、どうやら俺は襟元を摘まれた後、そのまま上に放り投げられポッポ鳥くんの背中に乗せられた様だ。
え~っと・・?俺は馬車に・・
そんな事を言う暇もなく後ろにストンッとレオンが乗り込んできて、またしても転落防止の腕をギュムッとしっかりと取り付けられる。
「 ・・・・。 」
ポカンとしている間に既にモルトとニールは荷物を運び終えており、マルタさん達に頭を下げた後は馬車の中へ。
「「 よろしくお願いしまーす。 」」
そして2人は御者さんに元気よく挨拶をする。
「 お、お願いしまーす?? 」
俺もそれに続いて慌てて頭を下げれば、御者さんは爽やかな笑顔を浮かべ「 はい、出発しますね~ 」と言ってそのまま馬車は出発した。
「 クッピョピョ~♫ 」
出発した馬車を見てニンマリ笑ったポッポ鳥君は、俺とレオンを乗せたままスターン!スターン!と軽いステップで楽々追いかけていく。
そうして手を振るマルタさんと従業員さん達に向かい、俺達は手を振り返しながらお世話になった『 地上の楽園 』を去った。
そのまま馬車は人気の少ない街を通り抜け、そのまま街の外へ。
道端では昨日の飲み会のまま寝てしまったのだろう人たちがグースカグースカと気持ち良さそうに眠っていた。
この分では下手をしたら夜までぐっすりコースかもしれない。
「 ……分かるっ!目覚めたらまだ当日だと思っちゃうやつ。 」
散々やらかした前世で酔っ払った記憶を思い出し哀愁を感じているとーーーー数匹のポッポ鳥が突然飛び出してきたので、びっくりしてそちらへ視線を向けた。
するとその上に乗っている人達を見てあっ!と声を上げる。
「 あれっ?!ジンさん達おはよう!
もしかしてお見送りしてくれるのかい? 」
ポッポ鳥に乗っていたのは春の三毛猫さん達。
どうやらわざわざお見送りをしにきてくれた様で「 頑張って下さいね~!!」と大声を上げながら手を振ってくれた。
「 ありがとーーー!! 」
お世話になった春の三毛猫さん達の暖かいお見送りに思わずジ~ン……!
感動しながら俺達も手を振ってそれに答えると、俺達はそのまま〈 グリモア 〉を目指して進んでいった。
「 あらぁ~!皆様これから【 ライトノア学院 】の入学院試験ですのね~!
あの学院がある街は大きな大きな森が直ぐにありますので、ダンジョンがもの凄く多いことで有名ですのよ。
そのため森の入り口、街の付近にも強いモンスターが突如出没する可能性も高いので道中は十分に気をつけてくださいね。 」
女亭主のマルタさんが、俺たち一行をお見送りしようと正面玄関にきてくれて、更に馬車を待っている間にちょっとした世間話までしてくれている。
なんでも本日宿泊している他のお客さんは昨日夜通し飲み明かしたそうで、午後までぐっすりコースで当分暇なのだとか。
たしかにここに着くまで凄いお酒臭と地震?と言いたくなるような響くいびきに遭遇したので、俺とモルトとニールは、あー・・と納得して頷いた。
つまりそのせいで従業員さん達は暇を持て余している。
そしてそれをどうにか解消するため全員ワラワラと俺たちのところに集まってきては、フェイティングポーズをとってその筋肉隆々の素晴らしい肉体を見せつけにきている・・というわけか。
目の前でまた一人、逞しい上腕二頭筋をみせつけてくるお兄さんを見て俺は完全に理由を理解した。
目を細めてそれを見送る俺とモルト、ニール、そして無反応のレオンに、マルタさんは突然スッと顔を近づけてくる。
「 ・・後ちょっと脅かしちゃうかもしれませんが、最近どうも< グリモア >の様子が変ですのよ。
これは私の勘・・のようなものですが、あまり良くない事が起こるんじゃないかって心配してますの。
ーーですので、最大限の注意をして下さいね。
もし何かあったらここに避難してきなさいな。
子供を守るくらいここの従業員が軽くしてみせますわよ。 」
そう言ってニコッと笑うマルタさん。
なんて良い人なんだ~!
ジ~ンと感動しながら、俺とモルトとニール、そしてぼんやりしているレオンの頭を俺が押さえつけてお礼を言うと、ちょうどお迎えの馬車がやってきた。
よ~し!出発出発~!
意気揚々と乗り込もうとした、その時ーーー
突如、ふっと ” 春の三毛猫 ” の皆が言っていた言葉も一緒に思い出す。
” 少し前から何故か ” ある一帯でのみ ” モンスターの行動が活発になってきていて、ここの周辺もその一帯に入ります。 ”
” どうも最近< グリモア >を中心に、何かがおきているみたいで・・ ”
それが俺の記憶にフッと引っかかり、え~っと・・??と必死にそれを思い出そうとしたのだが、どうにも思い出せない。
何だろう?
何か重要な出来事があった様なーー・・
う~ん・・
う~ん・・
ひたすら頭を悩ませ、あ、思い出しそう!と思った瞬間ーーー馬と並行して歩いてくる存在が目に入り、その何かはスポンッとすっぽ抜けてしまった。
馬に顔が着くほどの至近距離でジィーーーと音が出るくらい見つめ・・いやガンつけて睨みつけている黄色いもの。
そいつは馬がそれを嫌がりスッと顔を背ける度にスイ~と顔で追いかけ回し、真正面から「 クペェ~? 」と言って凶悪な顔でずっと睨みつけている。
「「「 ・・・・ 」」」
レオン以外の俺達三名は、その様子を見ながらさ目を細めたが、その黄色いもの・・新たなリーフファミリーとなったポッポ鳥は、しらっとしているレオンと薄目の俺を見つけると目を輝かせ、テッテッテッテ~と駆けてきた。
そして、もしかして黄色いバターができちゃう?と思うくらいの高速で俺達の周りをグルグル回った後は、これまた激しいヘッドバンギングをこれでもかと見せつけ、最後は馬に向かってフッ・・と強者の余裕顔を見せる。
その後は酷く満足げなご様子で、さぁお乗り下さいと言わんばかりに俺とレオンの前でしゃがみ込み、「 クポっ! 」と鳴いた。
ーーーデジャヴ・・
なんかつい最近こんな一連の動きを見た気がする!と、俺は後ろでシラ~っと素知らぬ顔で立っているレオンを見上げる。
なんだかこのポッポ鳥くん、やたらレオンを気にしているなと思っていたが・・これは、アレだね。
ウマが合うってやつ。
あれだけ二人とも馬に対抗心があるのにウマが合うって・・
俺はレオンの顔を見つめながら、ぷーっと笑いを忍ばせた。
ならレオンはこのポッポ鳥くんに乗ってもらって、俺は今度こそこの高級馬車に乗せてもらおう!
そう考えて、俺はニコニコしながら馬車に乗り込もうとしたのだが、突如、つぃ・・と襟首をポッポ鳥くんに摘まれる。
「 へっ?? 」
何、何~??
驚いている隙に、突然感じる浮遊感。
そして着地したのはポッポ鳥くんのふわふわの背中の上で、どうやら俺は襟元を摘まれた後、そのまま上に放り投げられポッポ鳥くんの背中に乗せられた様だ。
え~っと・・?俺は馬車に・・
そんな事を言う暇もなく後ろにストンッとレオンが乗り込んできて、またしても転落防止の腕をギュムッとしっかりと取り付けられる。
「 ・・・・。 」
ポカンとしている間に既にモルトとニールは荷物を運び終えており、マルタさん達に頭を下げた後は馬車の中へ。
「「 よろしくお願いしまーす。 」」
そして2人は御者さんに元気よく挨拶をする。
「 お、お願いしまーす?? 」
俺もそれに続いて慌てて頭を下げれば、御者さんは爽やかな笑顔を浮かべ「 はい、出発しますね~ 」と言ってそのまま馬車は出発した。
「 クッピョピョ~♫ 」
出発した馬車を見てニンマリ笑ったポッポ鳥君は、俺とレオンを乗せたままスターン!スターン!と軽いステップで楽々追いかけていく。
そうして手を振るマルタさんと従業員さん達に向かい、俺達は手を振り返しながらお世話になった『 地上の楽園 』を去った。
そのまま馬車は人気の少ない街を通り抜け、そのまま街の外へ。
道端では昨日の飲み会のまま寝てしまったのだろう人たちがグースカグースカと気持ち良さそうに眠っていた。
この分では下手をしたら夜までぐっすりコースかもしれない。
「 ……分かるっ!目覚めたらまだ当日だと思っちゃうやつ。 」
散々やらかした前世で酔っ払った記憶を思い出し哀愁を感じているとーーーー数匹のポッポ鳥が突然飛び出してきたので、びっくりしてそちらへ視線を向けた。
するとその上に乗っている人達を見てあっ!と声を上げる。
「 あれっ?!ジンさん達おはよう!
もしかしてお見送りしてくれるのかい? 」
ポッポ鳥に乗っていたのは春の三毛猫さん達。
どうやらわざわざお見送りをしにきてくれた様で「 頑張って下さいね~!!」と大声を上げながら手を振ってくれた。
「 ありがとーーー!! 」
お世話になった春の三毛猫さん達の暖かいお見送りに思わずジ~ン……!
感動しながら俺達も手を振ってそれに答えると、俺達はそのまま〈 グリモア 〉を目指して進んでいった。
応援ありがとうございます!
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