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第五章
215 関係ないもの
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( レオン )
リーフ様からこの先一生側にいるという言葉をもらい、俺は上機嫌で地上に戻る。
そのためヒヨコもどきが目の前でブンブンと首を振って非常に邪魔だったが、気分が良い俺はそれを完全に無視。
” 椅子 ” になるべくリーフ様を持ち上げ、さっさと馬車の車体に入った。
そうしてその後は特に変わりなく馬車は進行していったが、途中あのうるさい連中が対して強くもない豚の様なモンスターを倒しリーフ様は拍手を贈ったため、またムッ!として外を睨む。
俺の方が強い。
こうなったらもっと大きいモンスターを仕留めてこよう。
そう決意し動こうとしたのだが、突然リーフ様が俺の口に食べ物を捩じ込んできた。
「 はい、もぐもぐしようね~。 」
・・・もぐもぐ。
笑顔のリーフ様に命じられては、結局俺はそれを断念するしかない。
見て触って、俺に意識が向いているなら何でも嬉しいから。
あっちへフラフラ、こっちへフラフラ・・
俺の心はどうにも落ち着かない。
感情を持つとは幸せであると同時にこんなにも忙しない日々に晒されるものかと、その代償の大きさに、俺は思わずゾッと背筋が凍った。
その後は特にモンスターに襲われる事もなくひたすら進み続け、やがて街に着いた時には気分はフワフワとした気分のまま。
何だか今日一日で随分と沢山の感情を経験してしまった・・
う~む・・とそんな感情一つ一つを振り返りながらいつも通りリーフ様の後をただくっついて歩いていく。
リーフ様は楽しそう。
だからこの街はいいモノ・・。
そう考えればギラギラ鬱陶しい光だって、リーフ様が好きならあっという間に良いモノへと変わる。
そして良いモノは同時に俺を ” 幸せにもしてくれるモノ ” だから大事にしないといけない。
自然と上向きに向いていく気分のまま、ご機嫌で食べ物を買っては俺の口へ、食べ物を買っては俺の口へと入れてくれるリーフ様を見て自然と笑みを浮かべた。
可愛い笑顔でかまってもらえるのはとても嬉しい。
俺は今、幸せ。
でも ・・・ ” 嬉しい ” や ” 幸せ ” をこんなに沢山味わってしまって大丈夫だろうか?
そんな不安すら感じ始めた時、リーフ様は何かがごちゃごちゃと並んでいる場所で突然話しかけてきた。
「 モルトもニールも出たい大会決まったみたいだね。
レオンはなにか興味があるのあった? 」
こんな満たされた心で新たに欲しいものなどない俺は、いつも通りの答えを返す。
「 リーフ様の望むものならーーー・・・ 」
そう言いかけた、その時ーーー
1つの品物が目に入る。
透明なガラスケース内に、使い道を見いだせない黒いベルトがあり、その下にはあの日結婚式で見た白いドレスの様なものを着た砂ネズミのぬいぐるみがちょこんと置かれていた。
更に、その砂ネズミは何かが書かれているプレートを持っていて、そこにはーーー
{ きゃー素敵~!君も今日から女の子にモテモテ! }
・・・と書かれている。
その砂ネズミを見た瞬間、あの日に見た情景が頭の中を巡り、白いドレスを着た女の姿がリーフ様へと切り替わった。
リーフ様は男性なのにそんな事・・!
慌ててその映像をかき消そうとしたが上手くはいかない。
更にそれに続いて今度は向かい合わせで立つ男の姿が俺の姿に変われば・・・ゾクッとした感覚が体中を静かに走った。
俺とリーフ様は男同士。
しかもリーフ様の幸せを思って離れる事の出来ない俺の気持ちはーーーーー
” 愛 ” などというキラキラした感情では無い。
軽く頭を振り、その変な妄想を必死に振り払う。
つまり、そんな ” 愛 ” を持って意味を成すその儀式は、俺とリーフ様に全く関係のないものだ。
だからこんな想像をしたところで何の意味もないーーーーはずなのに・・
そう思いながらも気がつけば「 これに出たいです。 」と口に出していた。
そうして謎の高揚した気持ちを抱かせるその白ドレス砂ネズミを手に入れるため、俺は何かに出ることが決まったわけだが、なんと参加賞として4つの砂ネズミのおもちゃまで貰うことができた。
茶色い毛並みにつぶらな緑色の瞳、本当にリーフ様によく似ている。
可愛いな・・
俺は上機嫌でそれを大事にポケットに入れ、歩きだすリーフ様の後にまた喜んでついていった。
そうして歩き続け、大きく開けた広場の入り口に到着すると、突然リーフ様は何かを発見し、ビシッ!と手のひらをコチラに向けてくる。
「 俺、タ~イム!皆、ちょっとここで待ってて~! 」
それだけ伝え、テテテテ~と何処かへ行ってしまった。
待てと言われたからには俺はココを動いてはいけない。
しかし、どうにも体はムズムズしてそれを全力で拒否しようとして、更に余計なモヤモヤしたモノがゆっくりと近づいてくるのを感じた。
俺に見られて困る事をこれからするつもりか?
そう考えると更にゾワッと嫌な感覚が湧き上がり、居ても立っても居られなくなった俺は、直ぐにリーフ様の近くに貼り付けた俺の ” 視覚 ” を発動する。
リーフ様が何をするつもりかしっかりと " 目 " でチェックすると・・そこにはただ何か絵のようなモノ?を書いているだけのリーフ様の姿があった。
" 絵を描きたかっただけ "
その事実を知り安堵していると、細い方と太い方がペラペラと話し始める。
「 レイラさんとシュリさん可愛かったっすね~ 」
「 またお前はそんな下品なことを・・まぁ、好印象ではあったがな。 」
リーフ様に関係ない話であることを理解した俺は、そのまま意識を外し、リーフ様が戻ってくるのを黙ってひたすら待った。
そしてリーフ様が戻ってすぐに、広場にある巨大なステージを中心に大騒ぎが始まる。
わっ!!と叫ぶ声にピュー!ピュー!という口笛に拍手・・
「 ・・・・・? 」
一体何が始まったのか?
とりあえず分からないのに加えて、リーフ様も叫んでいるので黙ってひたすら待つ。
すると間も無く大きいステージの上で、変わった髪型をしているうるさい男が大きな声で騒ぎ出した。
「 さぁさぁ!!!お集まりの野郎どもーーー!!!飲んでるかーー!!?
毎日頭がお祭りの野郎ども!喜べ!!
これから ” ファイナル福人祭り ” はっじまるぜーーーー!!!! 」
「「「 「うぉぉぉぉぉぉーーーーーーーー!!!!!!!」」」」
・・・うるさい。
更に大きな声で騒ぐ周りが面倒だなと思ったが、リーフ様もそれに便乗し、うおおおーーー!!と力の限り叫んでいるのを見て、これは良いものであると判断した。
「 モルト緊張してるかな~?
俺、ワクワクして来た!こりゃ~胸が高鳴るね。 」
そうリーフ様が非常に楽しそうなご様子でそう言うと、今度は俺の頭の中は不思議で埋め尽くされる。
” 高鳴る ”
" 胸がドキドキしている・・・ "
もしやこれは割とよく起こる現象なのだろうか・・・
日に日に酷くなる心臓の鼓動に対し、俺はジワリと未知の恐怖を感じていたが、もしこれが普通の事であるならば格別気にすることではないのか・・
そう納得するのと同時に、” 普通 ” というものに恐怖し、思わず震えた。
" 普通 " とはこんなにも落ち着くことのない感覚に毎日さらされることなのか・・
ゾゾゾーーー・・
天井が見えない程沢山の感情達を思い出し背筋を凍らせていると、突然リーフ様が何かの絵を広げ、俺と太い方に見せつけてくる。
「 俺、モルトの応援旗作ったよ!どう?どう? 」
ーーームッ!!
怒りの感情と嫉妬が混じり合い、思わずそれを睨みつけた。
気に入らない。
ずるい。
俺以外を応援するのが嫌だ。
言いたい言葉と裏腹に、口から出てきた言葉は「 素敵です・・ 」
リーフ様の絵は素晴らしいものだから、ここで否定するのはダメだから。
その後直ぐにムスッとしてしまったが、リーフ様は全く気にする事なく、その応援旗なるものの振り方を披露してきた。
「 レオンが振ってね! 」
・・・どうやらあれは俺が振るモノらしい。
” 嫌だ! ” という想いが最初前面に出てしまったが、その直後ある事実に気づき、その気持ちはスッと沈んでいく。
" そうか、俺が振ればリーフ様は直接応援したことにならないのか・・ "
それに気づいた俺は心の中でニヤリと笑った。
既に生み出されたモノは仕方がない。
俺がすべき事はリーフ様に応援させない様、旗を振る事であった。
最終的にその考えに至り、すぐさまその動きを完璧にマスターする。
そしてその動きをしっかりと見せつけ、任せて欲しい旨を伝えたのだが、なんと太った方は応援されることを辞退した。
ーーームッ!!!
断られても怒りが湧く。
もう自分でも何に引っかかってるのか分からない。
願ってもない事だというのに・・
俺はジトっとした目で太い方と旗を交互に睨むと、はっ!とある事に気づき、期待という感情に胸を踊らせながらリーフ様にチラチラと視線を送る。
もしかして俺の応援旗もあるのでは?
リーフ様の一番は俺、そして先程など永遠に側にいてくれると約束までしてくれた。
そんな一番の俺をリーフ様は一番に応援してくれるはず、だからきっと俺の旗も・・
その存在を今か今かと待っていると、なぜか排泄の心配をされてしまったが、なんとーーー
” あるに決まっている! ”
” 応援旗を振るからには全力で優勝をもぎ取ってこい ”
そう堂々と宣言されてしまったのだ。
リーフ様に俺は応援されている!
嬉しい!嬉しい!
その感情に支配された俺の戦闘スイッチはーーーー完全に入った。
リーフ様が望むなら!と強い意志をもって頷くと、リーフ様は嬉しそうに笑う。
「 レオン頑張れー!ファイッオー!ファイッオー! 」
更に可愛い動きで旗を振る姿まで見せてくれて、嬉しくて顔は自然と笑顔に変わっていった。
リーフ様からこの先一生側にいるという言葉をもらい、俺は上機嫌で地上に戻る。
そのためヒヨコもどきが目の前でブンブンと首を振って非常に邪魔だったが、気分が良い俺はそれを完全に無視。
” 椅子 ” になるべくリーフ様を持ち上げ、さっさと馬車の車体に入った。
そうしてその後は特に変わりなく馬車は進行していったが、途中あのうるさい連中が対して強くもない豚の様なモンスターを倒しリーフ様は拍手を贈ったため、またムッ!として外を睨む。
俺の方が強い。
こうなったらもっと大きいモンスターを仕留めてこよう。
そう決意し動こうとしたのだが、突然リーフ様が俺の口に食べ物を捩じ込んできた。
「 はい、もぐもぐしようね~。 」
・・・もぐもぐ。
笑顔のリーフ様に命じられては、結局俺はそれを断念するしかない。
見て触って、俺に意識が向いているなら何でも嬉しいから。
あっちへフラフラ、こっちへフラフラ・・
俺の心はどうにも落ち着かない。
感情を持つとは幸せであると同時にこんなにも忙しない日々に晒されるものかと、その代償の大きさに、俺は思わずゾッと背筋が凍った。
その後は特にモンスターに襲われる事もなくひたすら進み続け、やがて街に着いた時には気分はフワフワとした気分のまま。
何だか今日一日で随分と沢山の感情を経験してしまった・・
う~む・・とそんな感情一つ一つを振り返りながらいつも通りリーフ様の後をただくっついて歩いていく。
リーフ様は楽しそう。
だからこの街はいいモノ・・。
そう考えればギラギラ鬱陶しい光だって、リーフ様が好きならあっという間に良いモノへと変わる。
そして良いモノは同時に俺を ” 幸せにもしてくれるモノ ” だから大事にしないといけない。
自然と上向きに向いていく気分のまま、ご機嫌で食べ物を買っては俺の口へ、食べ物を買っては俺の口へと入れてくれるリーフ様を見て自然と笑みを浮かべた。
可愛い笑顔でかまってもらえるのはとても嬉しい。
俺は今、幸せ。
でも ・・・ ” 嬉しい ” や ” 幸せ ” をこんなに沢山味わってしまって大丈夫だろうか?
そんな不安すら感じ始めた時、リーフ様は何かがごちゃごちゃと並んでいる場所で突然話しかけてきた。
「 モルトもニールも出たい大会決まったみたいだね。
レオンはなにか興味があるのあった? 」
こんな満たされた心で新たに欲しいものなどない俺は、いつも通りの答えを返す。
「 リーフ様の望むものならーーー・・・ 」
そう言いかけた、その時ーーー
1つの品物が目に入る。
透明なガラスケース内に、使い道を見いだせない黒いベルトがあり、その下にはあの日結婚式で見た白いドレスの様なものを着た砂ネズミのぬいぐるみがちょこんと置かれていた。
更に、その砂ネズミは何かが書かれているプレートを持っていて、そこにはーーー
{ きゃー素敵~!君も今日から女の子にモテモテ! }
・・・と書かれている。
その砂ネズミを見た瞬間、あの日に見た情景が頭の中を巡り、白いドレスを着た女の姿がリーフ様へと切り替わった。
リーフ様は男性なのにそんな事・・!
慌ててその映像をかき消そうとしたが上手くはいかない。
更にそれに続いて今度は向かい合わせで立つ男の姿が俺の姿に変われば・・・ゾクッとした感覚が体中を静かに走った。
俺とリーフ様は男同士。
しかもリーフ様の幸せを思って離れる事の出来ない俺の気持ちはーーーーー
” 愛 ” などというキラキラした感情では無い。
軽く頭を振り、その変な妄想を必死に振り払う。
つまり、そんな ” 愛 ” を持って意味を成すその儀式は、俺とリーフ様に全く関係のないものだ。
だからこんな想像をしたところで何の意味もないーーーーはずなのに・・
そう思いながらも気がつけば「 これに出たいです。 」と口に出していた。
そうして謎の高揚した気持ちを抱かせるその白ドレス砂ネズミを手に入れるため、俺は何かに出ることが決まったわけだが、なんと参加賞として4つの砂ネズミのおもちゃまで貰うことができた。
茶色い毛並みにつぶらな緑色の瞳、本当にリーフ様によく似ている。
可愛いな・・
俺は上機嫌でそれを大事にポケットに入れ、歩きだすリーフ様の後にまた喜んでついていった。
そうして歩き続け、大きく開けた広場の入り口に到着すると、突然リーフ様は何かを発見し、ビシッ!と手のひらをコチラに向けてくる。
「 俺、タ~イム!皆、ちょっとここで待ってて~! 」
それだけ伝え、テテテテ~と何処かへ行ってしまった。
待てと言われたからには俺はココを動いてはいけない。
しかし、どうにも体はムズムズしてそれを全力で拒否しようとして、更に余計なモヤモヤしたモノがゆっくりと近づいてくるのを感じた。
俺に見られて困る事をこれからするつもりか?
そう考えると更にゾワッと嫌な感覚が湧き上がり、居ても立っても居られなくなった俺は、直ぐにリーフ様の近くに貼り付けた俺の ” 視覚 ” を発動する。
リーフ様が何をするつもりかしっかりと " 目 " でチェックすると・・そこにはただ何か絵のようなモノ?を書いているだけのリーフ様の姿があった。
" 絵を描きたかっただけ "
その事実を知り安堵していると、細い方と太い方がペラペラと話し始める。
「 レイラさんとシュリさん可愛かったっすね~ 」
「 またお前はそんな下品なことを・・まぁ、好印象ではあったがな。 」
リーフ様に関係ない話であることを理解した俺は、そのまま意識を外し、リーフ様が戻ってくるのを黙ってひたすら待った。
そしてリーフ様が戻ってすぐに、広場にある巨大なステージを中心に大騒ぎが始まる。
わっ!!と叫ぶ声にピュー!ピュー!という口笛に拍手・・
「 ・・・・・? 」
一体何が始まったのか?
とりあえず分からないのに加えて、リーフ様も叫んでいるので黙ってひたすら待つ。
すると間も無く大きいステージの上で、変わった髪型をしているうるさい男が大きな声で騒ぎ出した。
「 さぁさぁ!!!お集まりの野郎どもーーー!!!飲んでるかーー!!?
毎日頭がお祭りの野郎ども!喜べ!!
これから ” ファイナル福人祭り ” はっじまるぜーーーー!!!! 」
「「「 「うぉぉぉぉぉぉーーーーーーーー!!!!!!!」」」」
・・・うるさい。
更に大きな声で騒ぐ周りが面倒だなと思ったが、リーフ様もそれに便乗し、うおおおーーー!!と力の限り叫んでいるのを見て、これは良いものであると判断した。
「 モルト緊張してるかな~?
俺、ワクワクして来た!こりゃ~胸が高鳴るね。 」
そうリーフ様が非常に楽しそうなご様子でそう言うと、今度は俺の頭の中は不思議で埋め尽くされる。
” 高鳴る ”
" 胸がドキドキしている・・・ "
もしやこれは割とよく起こる現象なのだろうか・・・
日に日に酷くなる心臓の鼓動に対し、俺はジワリと未知の恐怖を感じていたが、もしこれが普通の事であるならば格別気にすることではないのか・・
そう納得するのと同時に、” 普通 ” というものに恐怖し、思わず震えた。
" 普通 " とはこんなにも落ち着くことのない感覚に毎日さらされることなのか・・
ゾゾゾーーー・・
天井が見えない程沢山の感情達を思い出し背筋を凍らせていると、突然リーフ様が何かの絵を広げ、俺と太い方に見せつけてくる。
「 俺、モルトの応援旗作ったよ!どう?どう? 」
ーーームッ!!
怒りの感情と嫉妬が混じり合い、思わずそれを睨みつけた。
気に入らない。
ずるい。
俺以外を応援するのが嫌だ。
言いたい言葉と裏腹に、口から出てきた言葉は「 素敵です・・ 」
リーフ様の絵は素晴らしいものだから、ここで否定するのはダメだから。
その後直ぐにムスッとしてしまったが、リーフ様は全く気にする事なく、その応援旗なるものの振り方を披露してきた。
「 レオンが振ってね! 」
・・・どうやらあれは俺が振るモノらしい。
” 嫌だ! ” という想いが最初前面に出てしまったが、その直後ある事実に気づき、その気持ちはスッと沈んでいく。
" そうか、俺が振ればリーフ様は直接応援したことにならないのか・・ "
それに気づいた俺は心の中でニヤリと笑った。
既に生み出されたモノは仕方がない。
俺がすべき事はリーフ様に応援させない様、旗を振る事であった。
最終的にその考えに至り、すぐさまその動きを完璧にマスターする。
そしてその動きをしっかりと見せつけ、任せて欲しい旨を伝えたのだが、なんと太った方は応援されることを辞退した。
ーーームッ!!!
断られても怒りが湧く。
もう自分でも何に引っかかってるのか分からない。
願ってもない事だというのに・・
俺はジトっとした目で太い方と旗を交互に睨むと、はっ!とある事に気づき、期待という感情に胸を踊らせながらリーフ様にチラチラと視線を送る。
もしかして俺の応援旗もあるのでは?
リーフ様の一番は俺、そして先程など永遠に側にいてくれると約束までしてくれた。
そんな一番の俺をリーフ様は一番に応援してくれるはず、だからきっと俺の旗も・・
その存在を今か今かと待っていると、なぜか排泄の心配をされてしまったが、なんとーーー
” あるに決まっている! ”
” 応援旗を振るからには全力で優勝をもぎ取ってこい ”
そう堂々と宣言されてしまったのだ。
リーフ様に俺は応援されている!
嬉しい!嬉しい!
その感情に支配された俺の戦闘スイッチはーーーー完全に入った。
リーフ様が望むなら!と強い意志をもって頷くと、リーフ様は嬉しそうに笑う。
「 レオン頑張れー!ファイッオー!ファイッオー! 」
更に可愛い動きで旗を振る姿まで見せてくれて、嬉しくて顔は自然と笑顔に変わっていった。
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