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第四章
173 ” 正しき ”
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( ザイール )
ドノバンの顔には先ほどまであった軽薄な笑みは浮かんでおらず、人の命を奪うこと、それを覚悟した穏やかそうにもみえるが真剣な眼差しを俺に向けてくる。
それを正面から受けて、その強大な魔力、気迫とともに俺はたじろぎ後ろに一歩下がる。
「 ち、ちくしょう!!
俺はまだ何にもしてねえじゃねえか!!
なのになんでこんな目にあわなきゃいけねえんだ!おかしいだろう!? 」
「 まだお喋りすんのかよ~
往生際の悪いやつ~ 」
勝ちを確信しているドノバンは余裕そうにそう言うと、はぁと呆れながらため息をついた。
「 ・・はっ!!いいよな~?
自分が勝つって決まっているからって随分と楽しそうで。
自分より弱い奴を完膚なきまでに叩き潰して楽しむとかちょっとどうかと思うぜ? 」
ドノバンは俺の発言を聞いて一度目を閉じると、スッと纏う空気が変わる。
怒りとは違う、何かを諦めているような表情であった。
「 俺はよ~、職業柄お前みたいな奴らに星の数ほど出会ってきたが、そいつらの言うことはだいたいいつも同じだ。
” この世は弱肉強食、強い奴が弱いやつを搾取してなにが悪い ” ーーってな 」
確かにその通りーーだが、なぜ今その話を?
とりあえず押し黙る俺に対しドノバンは続ける。
「 きっとな、そういう奴らにとってそれが ” 正しき ” 世界ってやつなんだろうな。
その世界に生きているからこそそれが正しい。
自分の生きてきた環境、境遇、そこで経験してきた全て、そしてその結果得た価値観に基づいた世界観ーーーそれを俺は否定することはしねぇさ。 」
俺はそれを聞いて思わず心の中でガッツポーズをとった。
ドノバンは俺と同じ ” 世界 ” に生きている!!
ならば、このまま協力関係を提案しお互い損のない関係性を築くことができるはず!
この世には搾取されるべき人間は沢山いる。
それを共に ” 共有する ” ことで俺たちは最高のパートナーになれるだろう。
そうして元騎士団長という大きな権力を今だにもつパイプと繋がることができれば今後はもっともっと人生を ” 楽しむ ” 事ができる!
俺はニヤつきながらドノバンにむかって話しかけようとしたその時、奴は最後に俺に告げた。
「 ーーだが、それは自分が ” 強者 ” に立っている時だけだ。
自分が ” 弱者 ” になりそうになると直ぐにその ” 世界 ” を捨て今の自分に都合のいい ” 世界 ” を語る。
そんなにあっさり捨てられる ” 世界 ” は本当に ” 正しい ” と思うか?
結局、お前らみたいな奴らは中身が空っぽなんだ。
楽だけを追い続け、自身のもつ ” 世界 ” にしっかり根を張らないまま生きていけば、結局いつか終りが来る。
お前にもやっと終わりが来たって事だ。
自分の ” 正しき世界 ” とともに終われ。
” 弱者 ” のお前にできる事は後はそれだけしかねぇよ。 」
ドノバンの言葉を聞き終えた瞬間、目が霞んだ。
怒りで
俺が ” 弱者 ” ?
ブワッと身体から吹き出る殺気、そのまま憎しみを込めてドノバンを睨みつけてやったが、奴はまるで可哀相な奴を見るかの様な目で俺を見つめている。
それが心底しゃくにさわった。
「 ふっざけるなよ!!
息子に負けて惨めに騎士団を追い出された奴が偉そうに説教たれてんじゃねえぞ!!! 」
俺は後ろのホルダーから液体が入った小さな瓶を取り出し中の液体を一気に飲み干すと、ボッ!!と俺の魔力が体外に溢れ出した。
< 倍化増幅薬 >
一時的に身体能力を倍にすることの出来る薬剤。
「 おーおー、随分と高価な薬を持ってんじゃねぇか。 」
呑気に笑うドノバンにニヤッと笑う事で返事を返すと、俺は身体強化を瞬時に発動し奴の横へと一瞬で移動した。
そして奴のガラ空きの脇腹を目掛けてスキルを発動する。
<切断士の資質> (ノーマルスキル)
< 斬斬りラッシュ >
目にも止まらぬスピードで相手を切りつける攻撃系スキル。
自身のスピードが高いほど威力は増す。
(発現条件)
一定以上の魔力、魔力操作を持つこと
一定回数以上気配を遮断し生き物の命を奪う事
スキル〈 斬斬りラッシュ 〉をドノバンは大剣で受け止めたかと思ったら、そのまま次々と繰り出される攻撃も全て大剣で弾いてくる。
しかし、さすがのドノバンも攻撃をいなすだけで精一杯の様で防戦一方だ。
大剣は攻撃力が高い分機動性に欠ける武器、小回りがきくタガーの特性を活かし、数で翻弄する!
そうして連続で一方的な攻撃をしていると、ドノバンはその攻撃の合間に炎の大剣を一度振った。
すると炎の斬撃が俺の方へブワッ!!と飛んできたので俺はそれを真っ二つに切り裂き、一度後ろへ飛んで再び距離をとる。
<切断士の資質> (先天スキル)
< 全 断 >
実体を持たないものも切ることができる。
ただし、自身のステータスの総合値により切れるものの対象が決定する為、ステータスがあまりにも低い場合発動はしない。
「 俺の炎を切るか。
〈 切断士 〉っつーのは確か切断することに特化してるスキルだったっけな?
魔法も切れる才能を最初から持ってるのは戦闘系資質の中でもまぁまぁ強力だよな。 」
ーーーいける!!!
ドノバンの魔法は今の俺には通用しねぇ、魔法を切りつつ手数で押せばーー確実に勝てる!!!
頭の中には更なる名声を手にする自分の姿が見えて、俺の機嫌は瞬く間に上向きにーーー
思わずニヤッと口角を上げるとドノバンはそれを何の感情も持ってないような表情で見つめていた。
「 俺の炎を切るほどの力があって何故お前はそれを欲望の為だけに使うんだろうな?
お前達みたいな奴らを見ると心底神様が気の毒に思うぜ。
弱く蹂躙される人型種を憐んで力を授けてくれたっつーのによ。
その力を手にした奴らが今度は蹂躙を始めるんだ。
なんだかやるせねぇよな。 」
「 は?なに綺麗事言ってやがる。
なんだ?てめぇ、この俺に神の天罰が下るぞとでも神官様みてぇに説教でもするつもりかぁ?
生憎そんなもの今まで一度たりとも下ったことなんてねぇっつうの。 」
「 そうかぁ?
今から直ぐに天罰下るだろ?
頂点から一気に転がり落ちるのはキツイよな~
まっ!でもそれがお前の命運ってやつだ!
仕方ねぇよな? 」
倍化増幅薬を飲んだ訳でも無いのにドノバンの魔力が突如、あり得ないほど巨大に膨れ上がり、それに伴って炎も大きく強くなる。
自身とのあまりのレベル差に驚愕し、本能的な恐怖に全身を振るわせ絶句した。
「 俺は不器用だからよ。
色~んな属性の魔法をバラバラに使うのが苦手でな。
だから一番得意な火の魔法に特化する事にしたんだ。
だからそれに関してはちょ~とばかし自身があるぜ? 」
" 絶望的な戦場で・・赤い炎を纏いし大剣を持った鬼神が人々を勝利へと導いた "
そんなお伽話の様に聞かされた話が頭の中をグルグルと回る。
< 赤き鬼神 >
ドノバンは目にも止まらぬスピードで俺の前に現れ、避けるという選択肢を取れぬ状況下で俺は両手のタガーを交差させなんとか大剣の横からの一撃を何とか受け止める。
「 ぐぐっ!! 」
重い攻撃だが何とか止めた俺は両手に目一杯の魔力を込め、炎を消しつつ攻撃をいなそうとしたのだがーー
ーーーゴシャッ!!!!
両手から骨が砕ける嫌な音が鳴り、俺は踏ん張ることも攻撃をいなす事もできずにそのまま吹っ飛ばされた。
木々を倒しながらまるで跳ねるボールのように至るところに叩きつけられ、やっと止まった俺の体は地面にゆっくりと崩れ落ちたのだった。
< ザィール VS ドノバン >
ドノバンの完全勝利
ドノバンの顔には先ほどまであった軽薄な笑みは浮かんでおらず、人の命を奪うこと、それを覚悟した穏やかそうにもみえるが真剣な眼差しを俺に向けてくる。
それを正面から受けて、その強大な魔力、気迫とともに俺はたじろぎ後ろに一歩下がる。
「 ち、ちくしょう!!
俺はまだ何にもしてねえじゃねえか!!
なのになんでこんな目にあわなきゃいけねえんだ!おかしいだろう!? 」
「 まだお喋りすんのかよ~
往生際の悪いやつ~ 」
勝ちを確信しているドノバンは余裕そうにそう言うと、はぁと呆れながらため息をついた。
「 ・・はっ!!いいよな~?
自分が勝つって決まっているからって随分と楽しそうで。
自分より弱い奴を完膚なきまでに叩き潰して楽しむとかちょっとどうかと思うぜ? 」
ドノバンは俺の発言を聞いて一度目を閉じると、スッと纏う空気が変わる。
怒りとは違う、何かを諦めているような表情であった。
「 俺はよ~、職業柄お前みたいな奴らに星の数ほど出会ってきたが、そいつらの言うことはだいたいいつも同じだ。
” この世は弱肉強食、強い奴が弱いやつを搾取してなにが悪い ” ーーってな 」
確かにその通りーーだが、なぜ今その話を?
とりあえず押し黙る俺に対しドノバンは続ける。
「 きっとな、そういう奴らにとってそれが ” 正しき ” 世界ってやつなんだろうな。
その世界に生きているからこそそれが正しい。
自分の生きてきた環境、境遇、そこで経験してきた全て、そしてその結果得た価値観に基づいた世界観ーーーそれを俺は否定することはしねぇさ。 」
俺はそれを聞いて思わず心の中でガッツポーズをとった。
ドノバンは俺と同じ ” 世界 ” に生きている!!
ならば、このまま協力関係を提案しお互い損のない関係性を築くことができるはず!
この世には搾取されるべき人間は沢山いる。
それを共に ” 共有する ” ことで俺たちは最高のパートナーになれるだろう。
そうして元騎士団長という大きな権力を今だにもつパイプと繋がることができれば今後はもっともっと人生を ” 楽しむ ” 事ができる!
俺はニヤつきながらドノバンにむかって話しかけようとしたその時、奴は最後に俺に告げた。
「 ーーだが、それは自分が ” 強者 ” に立っている時だけだ。
自分が ” 弱者 ” になりそうになると直ぐにその ” 世界 ” を捨て今の自分に都合のいい ” 世界 ” を語る。
そんなにあっさり捨てられる ” 世界 ” は本当に ” 正しい ” と思うか?
結局、お前らみたいな奴らは中身が空っぽなんだ。
楽だけを追い続け、自身のもつ ” 世界 ” にしっかり根を張らないまま生きていけば、結局いつか終りが来る。
お前にもやっと終わりが来たって事だ。
自分の ” 正しき世界 ” とともに終われ。
” 弱者 ” のお前にできる事は後はそれだけしかねぇよ。 」
ドノバンの言葉を聞き終えた瞬間、目が霞んだ。
怒りで
俺が ” 弱者 ” ?
ブワッと身体から吹き出る殺気、そのまま憎しみを込めてドノバンを睨みつけてやったが、奴はまるで可哀相な奴を見るかの様な目で俺を見つめている。
それが心底しゃくにさわった。
「 ふっざけるなよ!!
息子に負けて惨めに騎士団を追い出された奴が偉そうに説教たれてんじゃねえぞ!!! 」
俺は後ろのホルダーから液体が入った小さな瓶を取り出し中の液体を一気に飲み干すと、ボッ!!と俺の魔力が体外に溢れ出した。
< 倍化増幅薬 >
一時的に身体能力を倍にすることの出来る薬剤。
「 おーおー、随分と高価な薬を持ってんじゃねぇか。 」
呑気に笑うドノバンにニヤッと笑う事で返事を返すと、俺は身体強化を瞬時に発動し奴の横へと一瞬で移動した。
そして奴のガラ空きの脇腹を目掛けてスキルを発動する。
<切断士の資質> (ノーマルスキル)
< 斬斬りラッシュ >
目にも止まらぬスピードで相手を切りつける攻撃系スキル。
自身のスピードが高いほど威力は増す。
(発現条件)
一定以上の魔力、魔力操作を持つこと
一定回数以上気配を遮断し生き物の命を奪う事
スキル〈 斬斬りラッシュ 〉をドノバンは大剣で受け止めたかと思ったら、そのまま次々と繰り出される攻撃も全て大剣で弾いてくる。
しかし、さすがのドノバンも攻撃をいなすだけで精一杯の様で防戦一方だ。
大剣は攻撃力が高い分機動性に欠ける武器、小回りがきくタガーの特性を活かし、数で翻弄する!
そうして連続で一方的な攻撃をしていると、ドノバンはその攻撃の合間に炎の大剣を一度振った。
すると炎の斬撃が俺の方へブワッ!!と飛んできたので俺はそれを真っ二つに切り裂き、一度後ろへ飛んで再び距離をとる。
<切断士の資質> (先天スキル)
< 全 断 >
実体を持たないものも切ることができる。
ただし、自身のステータスの総合値により切れるものの対象が決定する為、ステータスがあまりにも低い場合発動はしない。
「 俺の炎を切るか。
〈 切断士 〉っつーのは確か切断することに特化してるスキルだったっけな?
魔法も切れる才能を最初から持ってるのは戦闘系資質の中でもまぁまぁ強力だよな。 」
ーーーいける!!!
ドノバンの魔法は今の俺には通用しねぇ、魔法を切りつつ手数で押せばーー確実に勝てる!!!
頭の中には更なる名声を手にする自分の姿が見えて、俺の機嫌は瞬く間に上向きにーーー
思わずニヤッと口角を上げるとドノバンはそれを何の感情も持ってないような表情で見つめていた。
「 俺の炎を切るほどの力があって何故お前はそれを欲望の為だけに使うんだろうな?
お前達みたいな奴らを見ると心底神様が気の毒に思うぜ。
弱く蹂躙される人型種を憐んで力を授けてくれたっつーのによ。
その力を手にした奴らが今度は蹂躙を始めるんだ。
なんだかやるせねぇよな。 」
「 は?なに綺麗事言ってやがる。
なんだ?てめぇ、この俺に神の天罰が下るぞとでも神官様みてぇに説教でもするつもりかぁ?
生憎そんなもの今まで一度たりとも下ったことなんてねぇっつうの。 」
「 そうかぁ?
今から直ぐに天罰下るだろ?
頂点から一気に転がり落ちるのはキツイよな~
まっ!でもそれがお前の命運ってやつだ!
仕方ねぇよな? 」
倍化増幅薬を飲んだ訳でも無いのにドノバンの魔力が突如、あり得ないほど巨大に膨れ上がり、それに伴って炎も大きく強くなる。
自身とのあまりのレベル差に驚愕し、本能的な恐怖に全身を振るわせ絶句した。
「 俺は不器用だからよ。
色~んな属性の魔法をバラバラに使うのが苦手でな。
だから一番得意な火の魔法に特化する事にしたんだ。
だからそれに関してはちょ~とばかし自身があるぜ? 」
" 絶望的な戦場で・・赤い炎を纏いし大剣を持った鬼神が人々を勝利へと導いた "
そんなお伽話の様に聞かされた話が頭の中をグルグルと回る。
< 赤き鬼神 >
ドノバンは目にも止まらぬスピードで俺の前に現れ、避けるという選択肢を取れぬ状況下で俺は両手のタガーを交差させなんとか大剣の横からの一撃を何とか受け止める。
「 ぐぐっ!! 」
重い攻撃だが何とか止めた俺は両手に目一杯の魔力を込め、炎を消しつつ攻撃をいなそうとしたのだがーー
ーーーゴシャッ!!!!
両手から骨が砕ける嫌な音が鳴り、俺は踏ん張ることも攻撃をいなす事もできずにそのまま吹っ飛ばされた。
木々を倒しながらまるで跳ねるボールのように至るところに叩きつけられ、やっと止まった俺の体は地面にゆっくりと崩れ落ちたのだった。
< ザィール VS ドノバン >
ドノバンの完全勝利
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