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第四章
167 VS カルパス ( 前半 )
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( ランド )
私ほどこの< 結界人 >の能力を使いこなせる者などいやしない。
私は天才だ
そんな私の存在する幸せな ゛世界 ゛ をこの執事は認めようとせず、この私を弾いた ゛ 世界 ゛ こそが幸せな世界であると、そう言い切ったのだ。
こんな不届きな輩、楽になど殺してなるものか
最大限に苦痛を与えてから殺してやる!!
私は残りの五人に目で合図を送る。
すると五人はお互いに距離をとりながら私の前に横並びになり、戦闘配置についた。
私のスキル : < 完全監獄 > は内側からは絶対に解くことは出来ない最上級の結界スキルだが、そのかわり自身の両手で作った円の中に対象の姿を一瞬捉えることと、その後の持続的な魔力供給が必要となる。
そのため魔力を温存しつつ前衛に戦わせながらスキをみてその姿を捉える
それを達成すれば私の勝ち。
何をしたのかは分からないが、デバフ封じに加え、流石に本気モードになったこの人数相手では逃げ切る事はできまい。
「 残念なのはそちらの方ですよ。
弱者の義務というものを私が教えて差し上げましょう。
耳も頭もイカれたクソ野郎が!! 」
なおも穏やかな笑みを貼り付ける顔に心底イラッとさせられ怒鳴り、私は前の五人に攻撃の合図を出した。
するとその場の全員が身体強化を唱え、これから一気に攻撃をするーーーはずが一番右端の仲間の男だけ身体強化を唱える気配を見せない。
私と他の仲間達がそれに気づくと、その右端の仲間からチョロチョロ・・という控えめな水音が聞こえたため、全員で盛大に呆れる。
「 まじかよ。お前漏らしたのかよ、情けねえーーー・・・ 」
漏らしたであろう男のすぐ隣の仲間がそう言いながら右の方へ視線を向けると言葉は途中で止まる。
自然と私と他の仲間たちの視線も同じ方向へ、そこにはーーーー
体長は3~4mくらいだろうか?とにかく大きい二足歩行の犬の化け物が立っていてそいつが右端の仲間の頭を巨大な口で咥えている。
それにより仲間の体は宙に浮き、咥えられている場所から滴り落ちるそいつの血がチョロリチョロリと地面に滴り落ちていたのだ。
「「「「 う・・うわぁぁぁぁーーーーーーーー!!!!!!」」」」
・・
全員が悲鳴を上げてそれから距離をとる。
いつの間に・・いつの間にこんな化け物現れた!!??
気配すら感じず現れた化け物に目が釘付けになっていると、頭を咥えられている仲間はまだ生きているようで、恐怖に目を見開きガタガタ震えながら「 た・・助け・・ 」とこちらに手を伸ばしたがーーー
化け物はそのままその仲間の頭を噛み砕いた。
ゴキゴキと嫌な音を立てて噛み砕かれる骨の音、そして崩れ去る仲間だった身体、そしてそれを呆然と見守るしか出来ぬ私達
自然と足は後ろに下がっていくが、突如仲間の一人がボソボソと呟いた。
「 お、おい・・あ・・・あれってもしかして 『 アサシン・ワーウルフ 』じゃねえか・・? 」
< アサシン・ワーウルフ >
体長3~4mの半狼半人型Bランクモンスター。
鋭い爪と牙を持ち、高い物理攻撃力とスピードを駆使し人を襲ってくる。
その際全く気配を感じず気がつけばやられていたという事が多いためアサシンの名がつけられた。
また群れで暮らす際、人の住むような集落を作り王政を築いている事から知能もトップレベルで高い。
「 ばッ馬鹿な!!Bランクモンスターですよ!?
そんなモンスターがな、なぜこんなところにいるんですかっ・・・!! 」
Bランクなど並の傭兵が束になってかかっても一瞬で殺されるほどの実力をもつ高ランクモンスターだ。
アサシン・ワーウルフの恐ろしさはその個体の強さも然ることながら集団で襲いかかってくるところで、それを考えれば依頼難易度はSランクに相当し、更に王政を築いているこのモンスター、やっと群れを蹴散らしてもその王が最後の最後に控えている。
逃げなくては!!
焦りと共にそう頭によぎったが、それはあの執事の男も一緒!
なんとかしてあいつを囮にっ・・・
全員がそう思ったその時、ワーウルフはダッ!と執事めがけて飛んでいく。
ーーーしめたっ!!!!
奴が囮になっている隙に離脱できる!とその場を逃走しようとしたが、目の前に写った光景に目を見開いた。
なんとアサシン・ワーウルフが執事の前でゴロンと転がり腹を見せてたのだ!
更にはまるで普通の犬のように尻尾をブンブンと振り撫でてくれと必死にアピールまでしている。
呆然と佇みながらその様を見ていると、執事は屈み込み豪快にワッシャワッシャとワーウルフの腹部を撫でた。
「 この子は私の従魔ですので、ここにいるのは当然でしょう? 」
「 う・・うそです!そんな高ランクモンスター、どうやってっ・・!! 」
そんな高ランクモンスターを従えた< 影従士 >など聞いたことがない。
何か特別な方法を使ったに違いないと確信を持ってそう言ったが、執事から帰ってきたのは不思議そうに首をかしげる仕草だった。
「 そんなの簡単ですよ。
完膚なきまでに叩き潰す、殴る、服従させる、ただそれだけです。
まぁ、流石にこの子を従えるのは骨が折れましたがね。
なにせ集団で襲ってくるもんですから。 」
こいつは集団で襲ってくるワーウルフの群れを倒したと、本気でそう言っているのか?
私ほどこの< 結界人 >の能力を使いこなせる者などいやしない。
私は天才だ
そんな私の存在する幸せな ゛世界 ゛ をこの執事は認めようとせず、この私を弾いた ゛ 世界 ゛ こそが幸せな世界であると、そう言い切ったのだ。
こんな不届きな輩、楽になど殺してなるものか
最大限に苦痛を与えてから殺してやる!!
私は残りの五人に目で合図を送る。
すると五人はお互いに距離をとりながら私の前に横並びになり、戦闘配置についた。
私のスキル : < 完全監獄 > は内側からは絶対に解くことは出来ない最上級の結界スキルだが、そのかわり自身の両手で作った円の中に対象の姿を一瞬捉えることと、その後の持続的な魔力供給が必要となる。
そのため魔力を温存しつつ前衛に戦わせながらスキをみてその姿を捉える
それを達成すれば私の勝ち。
何をしたのかは分からないが、デバフ封じに加え、流石に本気モードになったこの人数相手では逃げ切る事はできまい。
「 残念なのはそちらの方ですよ。
弱者の義務というものを私が教えて差し上げましょう。
耳も頭もイカれたクソ野郎が!! 」
なおも穏やかな笑みを貼り付ける顔に心底イラッとさせられ怒鳴り、私は前の五人に攻撃の合図を出した。
するとその場の全員が身体強化を唱え、これから一気に攻撃をするーーーはずが一番右端の仲間の男だけ身体強化を唱える気配を見せない。
私と他の仲間達がそれに気づくと、その右端の仲間からチョロチョロ・・という控えめな水音が聞こえたため、全員で盛大に呆れる。
「 まじかよ。お前漏らしたのかよ、情けねえーーー・・・ 」
漏らしたであろう男のすぐ隣の仲間がそう言いながら右の方へ視線を向けると言葉は途中で止まる。
自然と私と他の仲間たちの視線も同じ方向へ、そこにはーーーー
体長は3~4mくらいだろうか?とにかく大きい二足歩行の犬の化け物が立っていてそいつが右端の仲間の頭を巨大な口で咥えている。
それにより仲間の体は宙に浮き、咥えられている場所から滴り落ちるそいつの血がチョロリチョロリと地面に滴り落ちていたのだ。
「「「「 う・・うわぁぁぁぁーーーーーーーー!!!!!!」」」」
・・
全員が悲鳴を上げてそれから距離をとる。
いつの間に・・いつの間にこんな化け物現れた!!??
気配すら感じず現れた化け物に目が釘付けになっていると、頭を咥えられている仲間はまだ生きているようで、恐怖に目を見開きガタガタ震えながら「 た・・助け・・ 」とこちらに手を伸ばしたがーーー
化け物はそのままその仲間の頭を噛み砕いた。
ゴキゴキと嫌な音を立てて噛み砕かれる骨の音、そして崩れ去る仲間だった身体、そしてそれを呆然と見守るしか出来ぬ私達
自然と足は後ろに下がっていくが、突如仲間の一人がボソボソと呟いた。
「 お、おい・・あ・・・あれってもしかして 『 アサシン・ワーウルフ 』じゃねえか・・? 」
< アサシン・ワーウルフ >
体長3~4mの半狼半人型Bランクモンスター。
鋭い爪と牙を持ち、高い物理攻撃力とスピードを駆使し人を襲ってくる。
その際全く気配を感じず気がつけばやられていたという事が多いためアサシンの名がつけられた。
また群れで暮らす際、人の住むような集落を作り王政を築いている事から知能もトップレベルで高い。
「 ばッ馬鹿な!!Bランクモンスターですよ!?
そんなモンスターがな、なぜこんなところにいるんですかっ・・・!! 」
Bランクなど並の傭兵が束になってかかっても一瞬で殺されるほどの実力をもつ高ランクモンスターだ。
アサシン・ワーウルフの恐ろしさはその個体の強さも然ることながら集団で襲いかかってくるところで、それを考えれば依頼難易度はSランクに相当し、更に王政を築いているこのモンスター、やっと群れを蹴散らしてもその王が最後の最後に控えている。
逃げなくては!!
焦りと共にそう頭によぎったが、それはあの執事の男も一緒!
なんとかしてあいつを囮にっ・・・
全員がそう思ったその時、ワーウルフはダッ!と執事めがけて飛んでいく。
ーーーしめたっ!!!!
奴が囮になっている隙に離脱できる!とその場を逃走しようとしたが、目の前に写った光景に目を見開いた。
なんとアサシン・ワーウルフが執事の前でゴロンと転がり腹を見せてたのだ!
更にはまるで普通の犬のように尻尾をブンブンと振り撫でてくれと必死にアピールまでしている。
呆然と佇みながらその様を見ていると、執事は屈み込み豪快にワッシャワッシャとワーウルフの腹部を撫でた。
「 この子は私の従魔ですので、ここにいるのは当然でしょう? 」
「 う・・うそです!そんな高ランクモンスター、どうやってっ・・!! 」
そんな高ランクモンスターを従えた< 影従士 >など聞いたことがない。
何か特別な方法を使ったに違いないと確信を持ってそう言ったが、執事から帰ってきたのは不思議そうに首をかしげる仕草だった。
「 そんなの簡単ですよ。
完膚なきまでに叩き潰す、殴る、服従させる、ただそれだけです。
まぁ、流石にこの子を従えるのは骨が折れましたがね。
なにせ集団で襲ってくるもんですから。 」
こいつは集団で襲ってくるワーウルフの群れを倒したと、本気でそう言っているのか?
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