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第二章
93 貴族とはなんぞや?
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この国の貴族は、一番下が、
〈 準男爵 〉と〈 武人爵 〉
この二つは生まれは平民でも、商売が軌道に乗り税をかなり多く支払ったり、何かしら戦闘に関して凄い手柄を立てたりする事で国から貰える身分である。
ちなみに前者に与えられるのが〈 準男爵 〉
後者が〈 武人爵 〉だ。
要は一般の平民より格上だよと示す証であり、言うなれば上流平民階級とでも言えば分かりやすいかもしれない。
そしてその上が
〈 男爵 〉
貴族の中で最も多い男爵は、準男爵や武人爵からさらに出世しこの地位を得た者達で実力高きいわゆる現場の叩き上げタイプ。
平民の生まれでたどり着ける身分はここまでとなる。
そしてその上が
〈 子爵 〉
ここからグンッと、ザ・貴族、的なイメージが強くなっていく感じで、家自体の歴史も古く、次代に語り継ぐ知識や技術などがしっかりと存在する、いわゆるスタンダード貴族というやつだ。
男爵とは地と空くらいの差があり、ここから貴族と平民の差が顕著になっていく。
街を治める領主の大部分はこの子爵が務めている。
そしてその上、そこからはもう平民からしたら雲の上に突入した感がある超上流階級
〈 伯爵 〉
ここまで来ると、ガッツリと国の重鎮とも呼べる程の身分であり、血筋による特殊性の高い資質を持ち国にとって欠かすことの出来ない存在となっている。
街や村を治める領主達の上司であり、自身の担当する地域の総領主という地位を持つ上流貴族である。
さらにそれと僅差で上にいるのが
〈 辺境伯 〉
伯爵家の中でもかなり重要なポジションについている者にこの地位は与えられる。
そしてその上、雲の上を超え、宇宙に到達しちゃった的な身分が
〈 侯爵 〉
伯爵を纏めあげ、国を実際に動かしている重要ポスト。
イメージ的には、ザ・四天王みたいな感じの身分である。
もうこれ以上はないでしょうと言いたくなるのだが、宇宙の果てに到達したよ的なイメージの、侯爵より上がーー
〈 公爵 〉
これが貴族の中ではNo. 1、王家に次ぐ権力を持つ頂点の階級だ。
ちなみに俺はこの頂点階級である〈 公爵 〉。
それに気づき、周りの子供達はレオンに対する恐怖はあれど、俺に対して無礼を働くことを恐れて悲鳴をあげまいと頑張っていると言う訳だ。
怖がらせて申し訳ないが、これは最大限に活かしていこうと俺は思っている。
このくらいの子供達は周りの子と比べる事で自分というものを知っていくお年頃。
自分と他人の違いにすごく敏感だ。
自分より優秀な人を見て憧れたり嫉妬したり、自分より出来ない人を見つけては優越感に浸ったり逆に助けたいと思ったりと、とにかく心の中が忙しい。
だから周りの子達が、自分達と全く異なる容姿を持つレオンを怖がってしまうのは仕方がないが、そこから先に進んでしまう事はレオンにとっても本人達にとってもあまり良い事ではない。
そこで俺のこの〈 公爵 〉という爵位が非常に役にたつ!
俺は怖いよ~?爵位は高いし、説教するし、ゲンコツするし、お尻も叩くしね。
彼らがレオンに対しなにか良からぬことをする暇など与えない。
この俺が彼らの最大の脅威として立ち塞がって差し上げよう。
ニマ~と意地の悪い笑みを浮かべる俺。
それを見てビクッと体を揺らす周囲の子供達。
そんな恐ろしい俺に、皆きっと蜘蛛の子を散らす様に逃げていくに違いない。
それこそ大人しくて真面目でやさし~いレオンの方が全然良いと思うほどに・・
クックックっと悪役に相応しい笑いを漏らし、更に周りの子供達を怖がらせる俺だったが、それには気づかずリーフに生まれて大ラッキー!とガッツポーズ。
公爵家の下僕などとくれば、周りの子達はレオンに表立って悪い事はできなくなる。
かつ俺が近くにいる事で呪いは伝染性のものではないと証明まで出来ると、良い事づくめな訳だ。
ーーーんん??まてよ?
そこで俺は更なる事実にハッと気づく。
今のおんぶされている状況は、レオンは公爵家のお手つきだぞと触れ回っているようなもの。
これは周りに対しての先制パンチとしては最高の形ではないか?
これは詳しく説明する手間が省けそうだと、うひょ~と喜びの声を上げ、俺は上機嫌で小学院の門を無事くぐっていった。
応援ありがとうございます!
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