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第二章
81 邪神
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( リーフ )
突如変化した痛みを感じるほどの鋭い視線と重だるい空気に、レオンは大丈夫かと慌てて視線を向ける────が、先ほどと全く変わらず、俺をジッと睨みつけているレオンがそこにいた。
レオンは意外と肝が座っている!
そしていい感じに俺にヘイトが集まっている!
良き良き~と俺は満足気に微笑むと、ゴホンッとわざとらしく咳き込んだ。
「 レオン、このドノバンはこれから剣や魔法を教えてくれる先生になる。
君は俺のためにこれから ” 的 ” として、修行に付き合ってもらうよ。
精一杯彼から学び、そして最強の下僕、兼 ” 的 ” になるんだ!
分かったね? 」
要は " 俺と一緒に修行頑張ろ~ " 的な事を改めて言い聞かせたのだが……レオンは険しい表情のまま「 はい!! 」と良い返事を返し、更に強くギラッと俺を睨みつけてきた。
まるで親の敵でも取ろうかというほどの鋭い眼光に、俺はゆっくり眼を逸らす。
やる気が満々なことは非常に喜ばしい事なのだが、かなり頑張らないと俺が高学院まで持たないかもしれない。
途中でレオンの理性がブチギレて殺されたらどうしよう……。
────ドキドキ……。
ヒヤヒヤ~!
思った以上に効果が出すぎている事に不安と恐怖を抱いていたため、俺はドノバンが探るように俺とレオンを眺めていた事に全く気づかなかった。
「 お~い。とりあえずリーフに確認なんだが、本当に体に何か変調はないんだな? 」
「 え?うんうん、大丈夫だよ。 」
「 そいつに触れた場所に変な黒い痣みてぇな模様が浮かんでないか? 」
痣?と不思議そうに首をかしげる俺に、「 ねぇーんだな? 」と再確認するドノバン。
戸惑いながらもコクリと頷く。
するとピンっと張り詰めた空気は和らぎ、ドノバンはまた気の抜けた顔つきに戻ると、大きく息を吐き出した。
「 あ──……そいつは伝染性の呪いじゃねぇみたいだな。
まぁ、ならとりあえずは安心して大丈夫だろう。
……しかし、見たところ相当強力な呪いの様だな。
俺は専門家じゃねえから詳しくはわからねぇが、そりゃー恐らく ” 人 ” が発生させられるレベルのもんじゃねぇ。
一体どこで貰ったのか……見当もつかん。 」
そう言ってまだ少し警戒しながら、ドノバンはジロジロとレオンを見下ろす。
レオンに呪いを掛けたのは ” 人 ” ではなく ” 邪神 ”
・・いわゆるイシュル神とは別の力を持った神様だ。
邪神 < ゼノン >
彼はイシュル神さえ解くことができない呪いを、レオンの魂に刻み込んだ。
物語の中で彼について描かれている事は少なく、結局は謎に包まれたまま物語は終焉を迎えることとなったが……その中で唯一分かる事と言えば、彼はその言動や行動からも " 人 " に良い感情は持っていなかったことくらい。
一体彼< ゼノン >は何者で何故 " 人 " を恨んでいたのだろう?
勿論気にはなるが、途中で脱落する俺にはその答えを知る事はないだろうなぁ~と諦めている。
今後レオンが旅に出た時、きっと彼は物語と同様にレオンの前に姿を現し、そして────……。
ゼノンの最後を思い出し、ブルリと身震いすると、それを誤魔化すように俺はドノバンに話しかけた。
「 元第二騎士団、団長なのに、そんなに呪いが怖いのかい? 」
軽く聞いたつもりだったが、ドノバンは思いの外真剣な顔をして言った。
「 あぁ、怖いぜ? この世で1番な。
戦いに携わるものが1番恐れるものは何か?
そう問われれば全員が同じ答えを返す。
" それは呪いだ " ────ってな。 」
多少戯けた様な言い方はしているが、多分これはドノバンの本心の様だ。
こんなに強い人でも呪いはとても怖いモノらしい。
ふむふむと頷きながら俺を今だに睨みつけているレオンの左半身をじーっと見つめていると、ドノバンは呪いについて教えてくれた。
突如変化した痛みを感じるほどの鋭い視線と重だるい空気に、レオンは大丈夫かと慌てて視線を向ける────が、先ほどと全く変わらず、俺をジッと睨みつけているレオンがそこにいた。
レオンは意外と肝が座っている!
そしていい感じに俺にヘイトが集まっている!
良き良き~と俺は満足気に微笑むと、ゴホンッとわざとらしく咳き込んだ。
「 レオン、このドノバンはこれから剣や魔法を教えてくれる先生になる。
君は俺のためにこれから ” 的 ” として、修行に付き合ってもらうよ。
精一杯彼から学び、そして最強の下僕、兼 ” 的 ” になるんだ!
分かったね? 」
要は " 俺と一緒に修行頑張ろ~ " 的な事を改めて言い聞かせたのだが……レオンは険しい表情のまま「 はい!! 」と良い返事を返し、更に強くギラッと俺を睨みつけてきた。
まるで親の敵でも取ろうかというほどの鋭い眼光に、俺はゆっくり眼を逸らす。
やる気が満々なことは非常に喜ばしい事なのだが、かなり頑張らないと俺が高学院まで持たないかもしれない。
途中でレオンの理性がブチギレて殺されたらどうしよう……。
────ドキドキ……。
ヒヤヒヤ~!
思った以上に効果が出すぎている事に不安と恐怖を抱いていたため、俺はドノバンが探るように俺とレオンを眺めていた事に全く気づかなかった。
「 お~い。とりあえずリーフに確認なんだが、本当に体に何か変調はないんだな? 」
「 え?うんうん、大丈夫だよ。 」
「 そいつに触れた場所に変な黒い痣みてぇな模様が浮かんでないか? 」
痣?と不思議そうに首をかしげる俺に、「 ねぇーんだな? 」と再確認するドノバン。
戸惑いながらもコクリと頷く。
するとピンっと張り詰めた空気は和らぎ、ドノバンはまた気の抜けた顔つきに戻ると、大きく息を吐き出した。
「 あ──……そいつは伝染性の呪いじゃねぇみたいだな。
まぁ、ならとりあえずは安心して大丈夫だろう。
……しかし、見たところ相当強力な呪いの様だな。
俺は専門家じゃねえから詳しくはわからねぇが、そりゃー恐らく ” 人 ” が発生させられるレベルのもんじゃねぇ。
一体どこで貰ったのか……見当もつかん。 」
そう言ってまだ少し警戒しながら、ドノバンはジロジロとレオンを見下ろす。
レオンに呪いを掛けたのは ” 人 ” ではなく ” 邪神 ”
・・いわゆるイシュル神とは別の力を持った神様だ。
邪神 < ゼノン >
彼はイシュル神さえ解くことができない呪いを、レオンの魂に刻み込んだ。
物語の中で彼について描かれている事は少なく、結局は謎に包まれたまま物語は終焉を迎えることとなったが……その中で唯一分かる事と言えば、彼はその言動や行動からも " 人 " に良い感情は持っていなかったことくらい。
一体彼< ゼノン >は何者で何故 " 人 " を恨んでいたのだろう?
勿論気にはなるが、途中で脱落する俺にはその答えを知る事はないだろうなぁ~と諦めている。
今後レオンが旅に出た時、きっと彼は物語と同様にレオンの前に姿を現し、そして────……。
ゼノンの最後を思い出し、ブルリと身震いすると、それを誤魔化すように俺はドノバンに話しかけた。
「 元第二騎士団、団長なのに、そんなに呪いが怖いのかい? 」
軽く聞いたつもりだったが、ドノバンは思いの外真剣な顔をして言った。
「 あぁ、怖いぜ? この世で1番な。
戦いに携わるものが1番恐れるものは何か?
そう問われれば全員が同じ答えを返す。
" それは呪いだ " ────ってな。 」
多少戯けた様な言い方はしているが、多分これはドノバンの本心の様だ。
こんなに強い人でも呪いはとても怖いモノらしい。
ふむふむと頷きながら俺を今だに睨みつけているレオンの左半身をじーっと見つめていると、ドノバンは呪いについて教えてくれた。
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