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第二章

57 リーフと庭師のクラン

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( リーフ )

そろそろ庭師の< クラン >がお花の様子を見にくる時間なので、俺は下手をしたら小さな遊園地が入りそうな程大きな庭をグルグルと探し回り、やっとお目当ての彼を見つけ出した。


< クラン >は恐らくジェーンと同じくらいの年齢の……30代にはまだ届いてなさそうな年齢の青年だ。

深めのブラウンの髪を肩につくかつかないかくらいの長さで切ってある髪型に、目はニコニコと常に笑っていて、非常に穏やかで優しそうな、まさにザ・好青年といったイメージを持つ若者である。


クランはこれから土をいじる予定だったのかスコップとバケツを持ち、俺の姿を目にすると驚きながら近づいてきた。


「 どうかしましたか?また迷子ですか? 」


実は記憶を思い出す前の俺。

クランがお花に使う大きな肥料袋にしがみついてはビャービャーと泣き喚き、挙げ句の果てにはそれを引きずって倉庫に隠そうとしたりの意地悪をしていた。


しかし……

まさに天罰か因果応報か……それを隠した後は、毎回迷子になってしまい怖くて泣きながらのお漏らし。

結局は肥料をひきづった跡を辿ってきたクランに助けられ、ギャンギャン泣きながら屋敷に送ってもらいパンツを変えてもらうと……。



これはこれは……もっと他の方法は思いつかなかったのかい?と尋ねたいくらい酷い。


しかもなんとこの記憶!前世の記憶を思い出した今は、何だかすっごいデジャブ感があって、前世でも全く同じ様な事を当時の孤児院の先生達相手にして同じ結果を辿った事があったのを思い出した。


そしてその時も、先生達に苦笑いされながらおもらしパンツ洗ってもらうという、そりゃ~もう恥ずかし~い子供時代の記憶なわけだが、俺は転生しても全く変わらずこの恥ずかしい思い出を増やしてしまってたらしい。


恥ずかしさに思わず顔がクシャッと崩れる。


クランは毎回、カルパスやジェーンにバレないようパンツをこっそり洗ってくれたのち、更にはそれが乾くまで俺のギャン泣きに根気強く付き合ってくれたり、庭の至る所に簡易式トイレまで作ってくれたりした。


ありがとう……。


そんな心より感謝の言葉しかでないくらいクランには迷惑をかけていて、今のところこれが俺の断トツトップの恥ずかしい記憶となっている。


俺は直ぐに今まで迷惑かけた事を謝り、悪戯で肥料隠したことも同様に謝った。

しかし、クランは気にするどころか本当に楽しそうな様子で、ニコニコと笑う。


「 肥料を隠そうと頑張るリーフ様はすごく面白かったのでいつでもどうぞ。」


肥料袋は大体20キロくらいかな?結構重く、まだまだ非力な俺にはそれを持ち上げることができないため仕方なくそのまま引きずっていくわけだが、それでも重い。


その為フガフガと鼻息を荒げ真っ赤な顔をして引っ張っていくわけだが、当然道にはタイヤの跡の様な模様ができてしまい直ぐに見つかる。


それがあるから最終的に見つけてもらえるわけだが……自分のまぬけっぷりにもはやため息も出ない。


そんな恥ずかしさをググッと堪え、俺は続けてクランにここへ来たもう一つの目的について話した。


実は庭にいる ” あるもの ” を探したいので、それがいそうな場所を教えてもらいたかったのだ。


これはレオンのスキル発現のため絶対に必要になるはずだ。

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