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第一章
44 イシュルの教会
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( リーフ )
教会の中に入るとまず目に入るのは大きなイシュル神像で、白銀の長い髪を持つ美しい女性が簡素な白いドレスを身に纏い天に祈るようなポーズをとっている。
そして恐らくは何かの行事ごとの時に鳴らすのだろうか?像の上には大きな鐘が設置されており、それを支える銀細工の支えにはガラスの花が所々に飾られ像全体を輝かせていた。
これがイシュル神様か~。
へぇ~と感動しながら周りをキョロキョロ見回すと、イシュル神像が立っているのは広くて綺麗な聖堂で、沢山の礼拝者達がイシュル神像に向かって祈りを捧げてはそのまま帰っていく姿が見える。
モルトとニールは勝手知ったるとばかりに慣れた様子で、イシュル神様の像の前まで俺を連れて行くと、他の礼拝者同様祈りを捧げ始めたので俺もすぐにそれを真似て祈った。
そして真剣に祈り続けるモルトとニール、その他の人達を見て、元日本人であった自分としては馴染みがないが、この国の人達にとってイシュル神が本当に大切な存在であるということを理解する。
だからこそ彼らにとってレオンハルトの存在は受け入れ難いものだったんだろうな……。
祈りのポーズのまま、こんにゃろ~!と恨んでしまう気持ちが湧くが……でも同時にそんなレオンハルトの命を救ってくれたのもイシュル教だった。
きっとイシュル神様の ” 子供は神のお使い様 ” という教えがなかったら多分生まれた瞬間に────
しゅしゅ~ん……
恨めしい気持ちはあっという間に萎んでいき、目の前のイシュル像に向かって今度は心から感謝のお祈りを捧げる。
" イシュル神様、レオンハルトを助けてくれて本当にありがとうございます!
これから俺、頑張ります! "
心の中でお礼を告げると……
────────ゴローン!ゴローン!!
突如イシュル神像の上に設置されている鐘が大きな音を立てて鳴り出したのだ。
突然教会内に響いた音に驚き、慌てて鐘の方を見ると、鐘がひとりでに鳴っている事に気づく。
" もしかして 目覚まし時計のように時間によって鳴る仕掛けがあるのかな? "
そう思ったが、周囲の人々のざわめきと、俺の両隣にいるモルトとニールの狼狽えっぷりにどうもそうではない様子。
神官さん達も慌てて鐘の方に駆け寄り何事かとその周囲を調べている。
風か何か?
そう勝手に納得していると、隣にいるモルトがボソッと呟いた。
「 ありえない……。 」
「 ?何があり得ないんだい? 」
そう尋ねると、反対隣にいるニールが答えてくれる。
「 教会の鐘はイベントの時や何らかの緊急時に神官さま達によって鳴らされるんです。
それ以外では鳴らさないですし、更にその際は2~3人掛かりで鳴らすんですよ。
勝手に鳴るなんて……ありえないっす。」
「 おいっ……言葉遣い……! 」
モルトが咄嗟に注意したが、内容的にはその通りらしく、う~む……と考え込む様子を見せた。
俺は、普段聞けない鐘の音が聞けてラッキーラッキーと思いながら、難しい顔をして考え込む2人の首に手を回しぐいっと自身に引き寄せる。
「 じゃあ俺たち今日はスーパーラッキーだ。
きっと日頃頑張ってる君たちを褒めてくれたんだよ。
だからとりあえず神様にありがとうしてから帰ろうか。 」
その言葉に2人は顔を見合わせ嬉しそうな様子を見せ、3人揃って「 ありがとうございました! 」とお辞儀したところで本日の行事は無事終了。
そのまま踵を返してその場を後にした。
教会の中に入るとまず目に入るのは大きなイシュル神像で、白銀の長い髪を持つ美しい女性が簡素な白いドレスを身に纏い天に祈るようなポーズをとっている。
そして恐らくは何かの行事ごとの時に鳴らすのだろうか?像の上には大きな鐘が設置されており、それを支える銀細工の支えにはガラスの花が所々に飾られ像全体を輝かせていた。
これがイシュル神様か~。
へぇ~と感動しながら周りをキョロキョロ見回すと、イシュル神像が立っているのは広くて綺麗な聖堂で、沢山の礼拝者達がイシュル神像に向かって祈りを捧げてはそのまま帰っていく姿が見える。
モルトとニールは勝手知ったるとばかりに慣れた様子で、イシュル神様の像の前まで俺を連れて行くと、他の礼拝者同様祈りを捧げ始めたので俺もすぐにそれを真似て祈った。
そして真剣に祈り続けるモルトとニール、その他の人達を見て、元日本人であった自分としては馴染みがないが、この国の人達にとってイシュル神が本当に大切な存在であるということを理解する。
だからこそ彼らにとってレオンハルトの存在は受け入れ難いものだったんだろうな……。
祈りのポーズのまま、こんにゃろ~!と恨んでしまう気持ちが湧くが……でも同時にそんなレオンハルトの命を救ってくれたのもイシュル教だった。
きっとイシュル神様の ” 子供は神のお使い様 ” という教えがなかったら多分生まれた瞬間に────
しゅしゅ~ん……
恨めしい気持ちはあっという間に萎んでいき、目の前のイシュル像に向かって今度は心から感謝のお祈りを捧げる。
" イシュル神様、レオンハルトを助けてくれて本当にありがとうございます!
これから俺、頑張ります! "
心の中でお礼を告げると……
────────ゴローン!ゴローン!!
突如イシュル神像の上に設置されている鐘が大きな音を立てて鳴り出したのだ。
突然教会内に響いた音に驚き、慌てて鐘の方を見ると、鐘がひとりでに鳴っている事に気づく。
" もしかして 目覚まし時計のように時間によって鳴る仕掛けがあるのかな? "
そう思ったが、周囲の人々のざわめきと、俺の両隣にいるモルトとニールの狼狽えっぷりにどうもそうではない様子。
神官さん達も慌てて鐘の方に駆け寄り何事かとその周囲を調べている。
風か何か?
そう勝手に納得していると、隣にいるモルトがボソッと呟いた。
「 ありえない……。 」
「 ?何があり得ないんだい? 」
そう尋ねると、反対隣にいるニールが答えてくれる。
「 教会の鐘はイベントの時や何らかの緊急時に神官さま達によって鳴らされるんです。
それ以外では鳴らさないですし、更にその際は2~3人掛かりで鳴らすんですよ。
勝手に鳴るなんて……ありえないっす。」
「 おいっ……言葉遣い……! 」
モルトが咄嗟に注意したが、内容的にはその通りらしく、う~む……と考え込む様子を見せた。
俺は、普段聞けない鐘の音が聞けてラッキーラッキーと思いながら、難しい顔をして考え込む2人の首に手を回しぐいっと自身に引き寄せる。
「 じゃあ俺たち今日はスーパーラッキーだ。
きっと日頃頑張ってる君たちを褒めてくれたんだよ。
だからとりあえず神様にありがとうしてから帰ろうか。 」
その言葉に2人は顔を見合わせ嬉しそうな様子を見せ、3人揃って「 ありがとうございました! 」とお辞儀したところで本日の行事は無事終了。
そのまま踵を返してその場を後にした。
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