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第一章
43 とりまき2人とレガーノという街
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( リーフ )
とりあえず・・と俺はモルトとニールの両名に挟まれ彼らの話す話に耳を傾ける。
2人は性格的にあまり似ていない様だが、家業についての考え方はそっくりで、
両親をとても尊敬している事、
先祖代々受け継いできた家業にとても誇りを持っている事、
そしてその家業を頑張って発展させていきたいという夢を持っている事を一生懸命俺に伝えようとしてくる。
夢に向かって努力する若者を見るとグスンしちゃうのはおじさんの特性
グススンと鼻を啜りながら思わず両端の2人の頭を撫で撫ですると、2人は俺を挟んでお互い顔を見合わせ撫でられた頭をサワサワと触ると、パァッ!と目を輝かせ嬉しそうに話を続けた。
その後は孫の話を聞くおじいちゃんが如し、
やれモルトの家の土に巨大ミミズが出たとか、
ニールの牧場の可愛い子ちゃん(雌の牛)が仔牛を産んだとか、
そういったお話を聞いているうちにだいぶ緊張がほぐれたのか、彼らの素の性格が出てきた気がする。
モルトは元々綺麗な物が全般的に大好きで、お花の中では1番薔薇が好き。
逆に汚い物は大嫌いでやや潔癖、物事は順序立ててきっちりと進めて行くタイプ。
ニールはその逆でマイペースなところがあり、モルトが何を言っても飄々としている感じ。
食べる事が大好きで美味しいお店を沢山知っているのが自慢であると。
そんな正反対とも言える性格の2人は、親御さん同士が仲が良いことからこういったイベント時には必ず一緒に参加してきたそうで、
今回も今まで同様二人一緒に行くところプラス俺も~ということで迎えにきてくれたらしい。
これ幸いとそのご厚意を受け、現在教会まで案内して貰っているというわけだが、実は多分あれだろうなぁと思われる大きくて立派な建物が家を出た時からずっと前方に見えている。
ここレガーノの教会は神官長が一人、神官見習いが三人と神官様達が少ないにも関わらず非常に御立派な教会が建っているのだが、なぜそんなアンバランスな事になっているかと言うと・・
元々街の規模によりそこに派遣される神官さんの人数は決められる事
教会の建物自体は街で納められる寄付金で建てられている事
ーーこの二つが主な理由である。
つまり街は発展してないけど、寄付金はいっぱいあるよ!という事なのだ。
まず、俺たちが住む街〈 レガーノ 〉は、田舎町と言うだけあって自然が主役、とにかくものすんごぉ~く広い。
それこそ東はモルト家所有のお花の研究所、及びそれに使う沢山の畑や温室、
西にはニール家所有の大きな牧場、
そして北は公爵家メルンブルク家・・つまり俺が現在住まわせてもらっている豪邸がドドーンと余裕で建っているくらいには。
しかし実際に住んでいる街の人の人数は、王都やその他活気づいている街にくらべかなり少ないので発展してるとは言えない。
そのため派遣される神官様は少ないが、街自体は商売繁盛なモルト家とニール家を筆頭に街の人達からの寄付金もかなり多く、その結果があの大きな教会だ。
更にはモルトの家もニールの家も熱心なイシュル教信者であるため、収入から決められている納金以外にも積極的に寄付をしており、
モルトの家は教会から徒歩15分程のところにバラ庭園を作り教会のイベント時に無料で貸し出したり、その時に使う花も全て無料で寄付、
ニールの家は教会が運営する孤児院へ乳製品を中心とした食べ物を無料で提供などなど・・
そのお陰で神官様の人数が少なくとも教会全体の運営レベルはべらぼうに高いのだ。
ちなみに教会でお祈りした後は、このモルト家所有のバラ庭園でランチをする予定である。
俺は前世でチューリップなら毎年子供達と植えていたから馴染み深いが、薔薇はじっくりと見る機会がなかったので実はちょっと楽しみだったりする。
そうしておしゃべりに夢中になっていると、あっという間に教会に着き、俺はその圧巻の白い外観を見上げた。
神イシュルは、【 輝くような白銀の髪を持つ女神 】であると言われており、
教会は< 白銀 >を神の色、< 白 >を神聖な神の色であるとしている。
そのため、教会は全体的に白を基調とした清潔感ある建物になっているようだ。
ほぇ~っと教会にあっとうされながら、
まるでヨーロッパ旅行に来たみたいだと海外旅行に一度も行った事がない俺はなんだかワクワクした気持ちでモルトとニールに続いて教会の中へと入って行った。
とりあえず・・と俺はモルトとニールの両名に挟まれ彼らの話す話に耳を傾ける。
2人は性格的にあまり似ていない様だが、家業についての考え方はそっくりで、
両親をとても尊敬している事、
先祖代々受け継いできた家業にとても誇りを持っている事、
そしてその家業を頑張って発展させていきたいという夢を持っている事を一生懸命俺に伝えようとしてくる。
夢に向かって努力する若者を見るとグスンしちゃうのはおじさんの特性
グススンと鼻を啜りながら思わず両端の2人の頭を撫で撫ですると、2人は俺を挟んでお互い顔を見合わせ撫でられた頭をサワサワと触ると、パァッ!と目を輝かせ嬉しそうに話を続けた。
その後は孫の話を聞くおじいちゃんが如し、
やれモルトの家の土に巨大ミミズが出たとか、
ニールの牧場の可愛い子ちゃん(雌の牛)が仔牛を産んだとか、
そういったお話を聞いているうちにだいぶ緊張がほぐれたのか、彼らの素の性格が出てきた気がする。
モルトは元々綺麗な物が全般的に大好きで、お花の中では1番薔薇が好き。
逆に汚い物は大嫌いでやや潔癖、物事は順序立ててきっちりと進めて行くタイプ。
ニールはその逆でマイペースなところがあり、モルトが何を言っても飄々としている感じ。
食べる事が大好きで美味しいお店を沢山知っているのが自慢であると。
そんな正反対とも言える性格の2人は、親御さん同士が仲が良いことからこういったイベント時には必ず一緒に参加してきたそうで、
今回も今まで同様二人一緒に行くところプラス俺も~ということで迎えにきてくれたらしい。
これ幸いとそのご厚意を受け、現在教会まで案内して貰っているというわけだが、実は多分あれだろうなぁと思われる大きくて立派な建物が家を出た時からずっと前方に見えている。
ここレガーノの教会は神官長が一人、神官見習いが三人と神官様達が少ないにも関わらず非常に御立派な教会が建っているのだが、なぜそんなアンバランスな事になっているかと言うと・・
元々街の規模によりそこに派遣される神官さんの人数は決められる事
教会の建物自体は街で納められる寄付金で建てられている事
ーーこの二つが主な理由である。
つまり街は発展してないけど、寄付金はいっぱいあるよ!という事なのだ。
まず、俺たちが住む街〈 レガーノ 〉は、田舎町と言うだけあって自然が主役、とにかくものすんごぉ~く広い。
それこそ東はモルト家所有のお花の研究所、及びそれに使う沢山の畑や温室、
西にはニール家所有の大きな牧場、
そして北は公爵家メルンブルク家・・つまり俺が現在住まわせてもらっている豪邸がドドーンと余裕で建っているくらいには。
しかし実際に住んでいる街の人の人数は、王都やその他活気づいている街にくらべかなり少ないので発展してるとは言えない。
そのため派遣される神官様は少ないが、街自体は商売繁盛なモルト家とニール家を筆頭に街の人達からの寄付金もかなり多く、その結果があの大きな教会だ。
更にはモルトの家もニールの家も熱心なイシュル教信者であるため、収入から決められている納金以外にも積極的に寄付をしており、
モルトの家は教会から徒歩15分程のところにバラ庭園を作り教会のイベント時に無料で貸し出したり、その時に使う花も全て無料で寄付、
ニールの家は教会が運営する孤児院へ乳製品を中心とした食べ物を無料で提供などなど・・
そのお陰で神官様の人数が少なくとも教会全体の運営レベルはべらぼうに高いのだ。
ちなみに教会でお祈りした後は、このモルト家所有のバラ庭園でランチをする予定である。
俺は前世でチューリップなら毎年子供達と植えていたから馴染み深いが、薔薇はじっくりと見る機会がなかったので実はちょっと楽しみだったりする。
そうしておしゃべりに夢中になっていると、あっという間に教会に着き、俺はその圧巻の白い外観を見上げた。
神イシュルは、【 輝くような白銀の髪を持つ女神 】であると言われており、
教会は< 白銀 >を神の色、< 白 >を神聖な神の色であるとしている。
そのため、教会は全体的に白を基調とした清潔感ある建物になっているようだ。
ほぇ~っと教会にあっとうされながら、
まるでヨーロッパ旅行に来たみたいだと海外旅行に一度も行った事がない俺はなんだかワクワクした気持ちでモルトとニールに続いて教会の中へと入って行った。
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