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その後のストーリー( 半年後 )
62 めでたいめでたい
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☆ ここからちょっと偏見の固まり国民さんがいるのでご注意お願いします: (_;´д`;) :_
( 大樹 )
またしてもペタペタと体を触ってきては、隙あらば服の中に手を入れようとするレオンハルトの手を握ってそれを阻止し、感心していたのだが……。
俺の超感覚に引っかかる奴らが、国民の中にそれなりにいる事に気づいた。
” レオンハルト王子は騙されているのでは? "
" 同性同士では、子供も出来ないじゃないか。 "
" そんなのおかしい!正しくない!私はこんな法律反対だわ "
ザワザワする一部の国民達の声を聞き、" まぁ、そういう意見もそりゃ出るよな " と考えながら、困った様にポリポリと頭を掻いた。
こればっかりはそれぞれの人生観というやつだから必ず反発する層は出るだろうし、ある程度は仕方がない。
この国は、元々は子供ができない=生産性がないという随分と偏った価値観の元、同性間の結婚が認められていなかったようだし……これを根本から変えるとなると、長い時間が掛かるだろうな。
ざわつく国民達を見下ろしながら、ふぅ……とため息をつくと、突然レオンハルトが俺の手を取り、薬指にスポッと何かを嵌めてきた。
「 んん~?? 」
何だ何だ??とその手を見下ろせば、そこには真っ赤なルビー?がついている指輪がガチッ!と嵌っている。
おおおお????
驚きながらキラキラしたその指輪を見ていると、レオンハルトはニコッと爽やかな笑顔を浮かべた。
「 やっと結婚できますね。
全く……ニコラは得が上回らなければ動かないので、こんなに時間がかかりましたよ。 」
「 はぁ??……えっ??お前、この展開知ってたの?? 」
同性婚はレオンハルトとニコラで計画を立てていたのかと思い、そう尋ねると、レオンハルトは難しい顔で答えた。
「 知っていたというか……とりあえずニコラを動かすため、まずは国内の同性間の恋愛事情について徹底的に調べました。
すると迫害に近い扱いに不満を訴えている者達が各地に存在していまして……。
それなら大きな火種になる前に法律を変えてしまった方がいいのではないか?という観点から訴えてみました。 」
「 あ……そうなんだ~……。 」
てっきり繊細な性格だから、そういった事を調べては悩んでいたのかと思いきや……全然違うじゃ~ん!めちゃくちゃポジティブ!
あまりにも的外れだった予想に、思わずこめかみをモミモミと揉み込む。
そしてその際に左手に触れる指輪の存在を感じて、ちょっと……いや、だいぶ嬉しくなってしまい、カァァァ……と顔が若干赤くなってしまった。
結婚指輪……。
俺、おっさんだけど……う、嬉しい……。
本当は叫びたくなるくらい嬉しかったが、恥ずかしくても何も言わずにいると、レオンハルトは自らも同じ指輪を嵌めて、俺の前にその手を見せてくる。
「 ……これで永遠に一緒ですね。
私は大樹様がこちらに戻られてから、ずっと研究していたのですよ。
大樹様を殺す方法。 」
思ってもない発言にブブッ!!と思い切り吹き出した。
こ、殺す???
……えっ?何で??しかも今、ココで、この雰囲気でそれ??
全く理解できないレオンハルトの言葉に思わず口を閉ざすと、レオンハルトはそのままペラペラと滑舌に喋りだす。
「 でね、ほら?クリーチャー?化したモンスターの血液が、床の一部に少しだけこびりついていたのを発見しまして……。
多分大樹様が、羽交い締めした時についたのかと思うんですけど。 」
「 あ~……そうか……。
まぁ、そうでもおかしくはないな。 」
本気の羽交い締めをしていたので、もしかして血の一滴くらいは落ちていても不思議ではないが……だから、一体何の話???
話の意図が全く読めずに、ハテナを沢山頭上に飛ばしていると、レオンハルトは指輪を嵌めた俺の手を優しく撫で回す。
「 コレ……その血液で作ったんですよね。
さしずめこれは、 ” クリーチャーリング ” とでも言いましょうか。
外れないでしょ?指輪。 」
「 はぁぁぁぁ────!!??? 」
びっくりして直ぐに指輪を外そうとしたが、全然外れない!!
本当に外れなくなっている??!!
ポカ────ンとしながら指輪を見つめる俺の手を、レオンハルトはもう一度握り、そのままその手にチュッとキスをしてきた。
「 私から離れようとしたり、私が死んだらこの指輪が大樹様の命を奪います。
だから逃げないで下さいね?
死ぬ時は一緒に死んで下さい。
貴方を残して逝くつもりはないので。 」
ゾゾゾゾゾ~!!!!
これには流石に背筋が凍りつき、悪寒が体中を走った。
な、な、な、なんてことしてくれるんだ!この元王子様は────!!??
絶句して指輪を見つめている間にも同性婚反対派の者達の声は大きくなっていき、賛成派の国民たちとの間にパチパチと火花が飛び散り始めた時、ニコラ王が更にちょいちょいとザイラスに命じ、何かの紙を持ってこさせる。
すると、ザイラスは固まって動けない俺を────睨む!睨む!!睨む!!!……しながら、手にもつ紙をニコラに渡し、また先程の発表時の様にそれを大きく広げて国民達に見せた。
( 大樹 )
またしてもペタペタと体を触ってきては、隙あらば服の中に手を入れようとするレオンハルトの手を握ってそれを阻止し、感心していたのだが……。
俺の超感覚に引っかかる奴らが、国民の中にそれなりにいる事に気づいた。
” レオンハルト王子は騙されているのでは? "
" 同性同士では、子供も出来ないじゃないか。 "
" そんなのおかしい!正しくない!私はこんな法律反対だわ "
ザワザワする一部の国民達の声を聞き、" まぁ、そういう意見もそりゃ出るよな " と考えながら、困った様にポリポリと頭を掻いた。
こればっかりはそれぞれの人生観というやつだから必ず反発する層は出るだろうし、ある程度は仕方がない。
この国は、元々は子供ができない=生産性がないという随分と偏った価値観の元、同性間の結婚が認められていなかったようだし……これを根本から変えるとなると、長い時間が掛かるだろうな。
ざわつく国民達を見下ろしながら、ふぅ……とため息をつくと、突然レオンハルトが俺の手を取り、薬指にスポッと何かを嵌めてきた。
「 んん~?? 」
何だ何だ??とその手を見下ろせば、そこには真っ赤なルビー?がついている指輪がガチッ!と嵌っている。
おおおお????
驚きながらキラキラしたその指輪を見ていると、レオンハルトはニコッと爽やかな笑顔を浮かべた。
「 やっと結婚できますね。
全く……ニコラは得が上回らなければ動かないので、こんなに時間がかかりましたよ。 」
「 はぁ??……えっ??お前、この展開知ってたの?? 」
同性婚はレオンハルトとニコラで計画を立てていたのかと思い、そう尋ねると、レオンハルトは難しい顔で答えた。
「 知っていたというか……とりあえずニコラを動かすため、まずは国内の同性間の恋愛事情について徹底的に調べました。
すると迫害に近い扱いに不満を訴えている者達が各地に存在していまして……。
それなら大きな火種になる前に法律を変えてしまった方がいいのではないか?という観点から訴えてみました。 」
「 あ……そうなんだ~……。 」
てっきり繊細な性格だから、そういった事を調べては悩んでいたのかと思いきや……全然違うじゃ~ん!めちゃくちゃポジティブ!
あまりにも的外れだった予想に、思わずこめかみをモミモミと揉み込む。
そしてその際に左手に触れる指輪の存在を感じて、ちょっと……いや、だいぶ嬉しくなってしまい、カァァァ……と顔が若干赤くなってしまった。
結婚指輪……。
俺、おっさんだけど……う、嬉しい……。
本当は叫びたくなるくらい嬉しかったが、恥ずかしくても何も言わずにいると、レオンハルトは自らも同じ指輪を嵌めて、俺の前にその手を見せてくる。
「 ……これで永遠に一緒ですね。
私は大樹様がこちらに戻られてから、ずっと研究していたのですよ。
大樹様を殺す方法。 」
思ってもない発言にブブッ!!と思い切り吹き出した。
こ、殺す???
……えっ?何で??しかも今、ココで、この雰囲気でそれ??
全く理解できないレオンハルトの言葉に思わず口を閉ざすと、レオンハルトはそのままペラペラと滑舌に喋りだす。
「 でね、ほら?クリーチャー?化したモンスターの血液が、床の一部に少しだけこびりついていたのを発見しまして……。
多分大樹様が、羽交い締めした時についたのかと思うんですけど。 」
「 あ~……そうか……。
まぁ、そうでもおかしくはないな。 」
本気の羽交い締めをしていたので、もしかして血の一滴くらいは落ちていても不思議ではないが……だから、一体何の話???
話の意図が全く読めずに、ハテナを沢山頭上に飛ばしていると、レオンハルトは指輪を嵌めた俺の手を優しく撫で回す。
「 コレ……その血液で作ったんですよね。
さしずめこれは、 ” クリーチャーリング ” とでも言いましょうか。
外れないでしょ?指輪。 」
「 はぁぁぁぁ────!!??? 」
びっくりして直ぐに指輪を外そうとしたが、全然外れない!!
本当に外れなくなっている??!!
ポカ────ンとしながら指輪を見つめる俺の手を、レオンハルトはもう一度握り、そのままその手にチュッとキスをしてきた。
「 私から離れようとしたり、私が死んだらこの指輪が大樹様の命を奪います。
だから逃げないで下さいね?
死ぬ時は一緒に死んで下さい。
貴方を残して逝くつもりはないので。 」
ゾゾゾゾゾ~!!!!
これには流石に背筋が凍りつき、悪寒が体中を走った。
な、な、な、なんてことしてくれるんだ!この元王子様は────!!??
絶句して指輪を見つめている間にも同性婚反対派の者達の声は大きくなっていき、賛成派の国民たちとの間にパチパチと火花が飛び散り始めた時、ニコラ王が更にちょいちょいとザイラスに命じ、何かの紙を持ってこさせる。
すると、ザイラスは固まって動けない俺を────睨む!睨む!!睨む!!!……しながら、手にもつ紙をニコラに渡し、また先程の発表時の様にそれを大きく広げて国民達に見せた。
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