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第三章、更に甘い唇にたくさんのキス
3、曖昧な関係
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「なぁ、あいつ誰? 日和のこと名前で呼んでた。気に入らねぇなぁ」
不機嫌な声に不機嫌な態度の洸夜。悠夜の後ろ姿を睨みつけている。
「誰でもいいでしょう。仕事中なんで帰ってもらえます?」
胸の奥がそわそわしてしまっている事を気づかれたくない一心で冷静を装いすぎて冷たい態度になってしまう。
「俺はお前が他の男にその可愛い笑顔を振りまくのは嫌だ」
この前も同じような事を言っていたが、そんなことを真剣な顔で言われても困る。困るけれどドキッとしてしまった自分もちゃんちゃらおかしい。昨日から自分が自分じゃないような気がするくらい洸夜の一言、一言にいちいち反応してしまう。洸夜のことを深く知ってしまったからだろうか。心音を掻き回すように乱されてしまう。
「仕事なんだからしょうがないでしょう」
乱されているけれど平然を必死で装った。
「日和は俺の婚約者だろ?」
「婚約者じゃないってば。ケーキ買いに来たなら早く選びなさいよ」
「日和、さっきのあの男には気をつけろよ。なんか気に食わない目付きだった。もしかしたら日和の事狙ってるのかもしれねぇからな」
話が噛み合わない。早くケーキを選べと言ったのに違う話をしだした。しかも悠夜が自分の事を好きかもしれないって? そんな事あり得ない。悠夜はケーキが好きで気に入ってくれているだけだ。可愛らしい子犬のような目つきが気に入らなかったのだろうか。「早く選びなさいよ」そう急かさせると店の中に「社長、遅すぎます!」とスーツ姿の秘書らしき男性がタイミングよく洸夜を引っ張るようにして店を出ていった。
本当嵐のような男だ。いきなり現れては日和の心をガサガサとかき乱して急に去っていく。
「今日の社長も独占欲が最強だっだわね。あの爽やかイケメンに嫉妬してたわね、あれは」
「爽やかイケメンって……」
一通りの出来事を隣で見ていた綾乃がボソリと呟いた。いつの間にか悠夜の事を爽やかイケメンと呼んでいる。まぁ確かに側から見たら黒髪の笑顔が可愛い爽やかイケメンなのかもしれない。
「独占欲なんだか、俺様なんだか……」
「婚約者だなんて焦れったいこと言ってないでさっさと結婚しちゃえば?」
「な、何いってんのよ! そんなの有り得ないでしょ。付き合ってもいないんだし」
「え、そうなの? てっきりもう付き合ってるのかと思ってたわ」
「本当あの男何考えてるんだか分からないし……婚約者なんかじゃないから」
そうだ。あんなに愛おしそうに日和を見つめ、好きだと何度も囁き、あんなにキスをして、セックスする。なのに日和と洸夜は付き合ってはいない。この関係を言葉にするならなんて言うのだろう。恋人? いや、付き合ってとは言われていない。セフレ? とはまた違う、曖昧な関係だ。もやもやする。
不機嫌な声に不機嫌な態度の洸夜。悠夜の後ろ姿を睨みつけている。
「誰でもいいでしょう。仕事中なんで帰ってもらえます?」
胸の奥がそわそわしてしまっている事を気づかれたくない一心で冷静を装いすぎて冷たい態度になってしまう。
「俺はお前が他の男にその可愛い笑顔を振りまくのは嫌だ」
この前も同じような事を言っていたが、そんなことを真剣な顔で言われても困る。困るけれどドキッとしてしまった自分もちゃんちゃらおかしい。昨日から自分が自分じゃないような気がするくらい洸夜の一言、一言にいちいち反応してしまう。洸夜のことを深く知ってしまったからだろうか。心音を掻き回すように乱されてしまう。
「仕事なんだからしょうがないでしょう」
乱されているけれど平然を必死で装った。
「日和は俺の婚約者だろ?」
「婚約者じゃないってば。ケーキ買いに来たなら早く選びなさいよ」
「日和、さっきのあの男には気をつけろよ。なんか気に食わない目付きだった。もしかしたら日和の事狙ってるのかもしれねぇからな」
話が噛み合わない。早くケーキを選べと言ったのに違う話をしだした。しかも悠夜が自分の事を好きかもしれないって? そんな事あり得ない。悠夜はケーキが好きで気に入ってくれているだけだ。可愛らしい子犬のような目つきが気に入らなかったのだろうか。「早く選びなさいよ」そう急かさせると店の中に「社長、遅すぎます!」とスーツ姿の秘書らしき男性がタイミングよく洸夜を引っ張るようにして店を出ていった。
本当嵐のような男だ。いきなり現れては日和の心をガサガサとかき乱して急に去っていく。
「今日の社長も独占欲が最強だっだわね。あの爽やかイケメンに嫉妬してたわね、あれは」
「爽やかイケメンって……」
一通りの出来事を隣で見ていた綾乃がボソリと呟いた。いつの間にか悠夜の事を爽やかイケメンと呼んでいる。まぁ確かに側から見たら黒髪の笑顔が可愛い爽やかイケメンなのかもしれない。
「独占欲なんだか、俺様なんだか……」
「婚約者だなんて焦れったいこと言ってないでさっさと結婚しちゃえば?」
「な、何いってんのよ! そんなの有り得ないでしょ。付き合ってもいないんだし」
「え、そうなの? てっきりもう付き合ってるのかと思ってたわ」
「本当あの男何考えてるんだか分からないし……婚約者なんかじゃないから」
そうだ。あんなに愛おしそうに日和を見つめ、好きだと何度も囁き、あんなにキスをして、セックスする。なのに日和と洸夜は付き合ってはいない。この関係を言葉にするならなんて言うのだろう。恋人? いや、付き合ってとは言われていない。セフレ? とはまた違う、曖昧な関係だ。もやもやする。
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