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二時間ほど休憩し、蒼司のスピーチの時間が近づいてきたので菜那達は部屋を出て、もう一度会場へ戻った。愛羅にまた会ってしまうのかと思うと心は憂鬱だったが蒼司のカッコイイ姿を自分の目で見たい。背筋をピンと伸ばし、菜那は蒼司の隣に立った。
「そろそろホテルのオーナーと総支配人の挨拶になると思うから、もうそろそろ行きますね。菜那さんはここで待っていてください。今椅子を用意させますから」
「はい。わざわざありがとうございます」
スタッフがすぐに椅子を持ってきてくれ、蒼司にエスコートされながら菜那は椅子に腰を下ろした。
「安定期とはいえ大事な身体だからね。完成したホテルを見るだけでわざわざ俺のスピーチなんて見なくていいのに」
「ホテルも見たいし、蒼司さんのカッコいい姿も見たいんです」
少し照れたように蒼司ははにかんで笑った。
「じゃあ失敗しないように気を付けないとな。行ってきますね」
「はい。頑張ってくださいね」
蒼司は身体を曲げ、椅子に座る菜那の耳元に顔を近づけた。
「他の男に話しかけられても無視してくださいね。菜那さんはとても魅力的な人だから心配だ」
「そんなっ……」
耳元を擽る甘いだけじゃない、少し苦みのある声に身体の芯から熱くなる。頬にちゅっと熱く柔らかな蒼司の唇が触れた。
「じゃあ、行ってきます」
恥ずかしさのあまり声が出ず、菜那はこくんと小さく頷いた。
「かっこいい……」
ポロリと思わず声に出てしまう。大勢の人の前に立つ蒼司の姿はとても凛々しく、この会場に飾られている大きなシャンデリアよりももっと輝いて見えた。堂々とマイクに向かってこのホテルの素晴らしい特徴や、設計への想いを述べている。菜那は一字一句聞き逃さないよう、目で、耳で、蒼司の言葉を感じていた。
聞こえる……? パパは本当に凄い建築家なんですよ。産まれたら一緒に泊まりに来ようね。
菜那はお腹を撫でながらも蒼司から目を離さなかった。
蒼司のスピーチが終わり会場が大きな拍手で包まれる。自分の事じゃないのにとても誇らしい気持ちになった。離れている蒼司を目で追うが沢山に人に囲まれて姿が見えずらい。
ふふっ、気長に待ってよう。
喉が渇いたので飲み物をもらいに行こうと菜那は立ち上がると、タイミングよくスタッフの方が目の前を通った。
「あっ、すいません。ノンアルコールのものを頂けませんか?」
声を掛けるとすぐに立ち止まったスタッフは驚いた顔をして菜那を見た。
「菜那、だよな……?」
え……?
見覚えのある顔に菜那の身体は金縛りにあったようにビシッと硬直した。
「……樹生」
賑やかな会場にすぐにかき消されてしまうような声を出した菜那の手には不穏な汗をかき始める。嫌な思い出がフラッシュバックし、頭の中を駆け走った。前髪をきっちりと纏めていて、服もホテルのウエイターだったのですぐには気が付かなかったがかつて付き合っていた恋人の樹生だ。
「なんでお前がここにいるんだよ。まさか、転職した俺を探してここまで来たとかじゃないだろうな?」
「なっ……!」
委縮する菜那に対して樹生は急に傲慢な態度になりニヤリと笑った。
「お前、俺の事大好きだったもんなぁ。本当あんな別れ方になって悪かったと思ってるよ。にしても今日はドレス着てるから随分綺麗じゃん」
何も変わらない樹生の態度にうんざりする。それに、再会したとしても全く心が揺らぐこともない。ただただ嫌な思い出が蘇るだけで菜那にとって樹生はもう完全に過去の存在になっていた。
菜那はジロジロ見てくる樹生に背を向けて歩き始める。その場にいるのも、視界に入るのも嫌だった。
「おい、菜那待てよ。もうすぐ交代の時間だから俺の部屋にこいよ。久しぶりに話そうぜ」
ぱしんと腕を取られ、ゾクゾクと嫌悪が背筋に走る。元カレといえど、触れられるのは嫌だ。もう蒼司にしか触れてほしくない。触れたくない。それに蒼司が誠心誠意、力を込めて作り上げたこのホテルの部屋に樹生がいると思うと嫌気がさす。
「……離して」
「あ?」
「だから、離してって言ってるんです!」
グイっと力を込めて振りほどこうとするが男の人の力に敵うはずがなかった。
どうしたらいいんだろう……。
ここで大騒ぎにしたら蒼司の迷惑に掛かってしまう。掴まれている腕も樹生の力が強く、ギリギリと痛みが走り菜那は目を伏せて頬を引きつらせた。
「おっとすみません」
声と同時にバシャッと音を立てて、赤ワインが樹生の服に大きなシミをつくった。そして呆気にとられている樹生の腕をはたいた蒼司が菜那の目の前に立っている。
「これは失礼いたしました。手が滑ってしまって、着替えをすぐに用意してもらいますので外にでましょう」
「あ~……大丈夫ですよ。替えの着替えがありますのでお気になさらず」
「いえ、申し訳ないですから、さぁこちらへ」
「えっ、あっ、ちょっ、おいっ……」
有無を言わせまいと蒼司は樹生の両肩を掴み、そのまま会場からどんどん離れていく。菜那もその後をついて行き、人気のない通路で足が止まった。不服気な樹生はブンっと肩を回し、蒼司の手を振り払った。
「お前まじでなんなの? 客だと思って下手に出てたのによ。あ~、もしかして菜那の今彼とか?」
ちっと舌打ちした樹生はギロリと蒼司を睨みつけた。
「お前……」
蒼司の聞いたことがない、腹の奥底から出ているような低い声に菜那はビクッと肩を震わせた。
そ、蒼司さん凄く怒ってるよね……?
菜那の目の前にある蒼司の大きな背中から、真っ青なオーラが出ているように感じるのは気のせいだろうか。止めに入ろうと手を伸ばした瞬間、バァンと音を立てて、樹生が壁に追いやられている。
「菜那に気安く触れたのはこの右手か?」
蒼司に壁ドンされている樹生は明らかに顔色が悪い。グイっと右手を蒼司に掴まれ、顔を歪めている。こんなにも樹生が小さく見えるのは初めてだ。
「まじで……なんなんだよ」
「菜那は俺の大切な妻だ。次手を出したらこの腕をへし折るぞ」
「っ……! 妻? 何、あいつ俺と別れたばっかりなのにもう結婚してんの? なんだよ、じゃあ菜那もアンタと浮気してたってことか。ばばあみたいな女だったくせにやることやってたんだな」
樹生はハハッと菜那をあざ笑った。この人を小ばかにするような笑い方に見覚えがある。あの日、樹生が浮気した日もそうやって菜那のことを馬鹿にしていた。悔しくて、もうその場に居るのも嫌で、思わず手が伸び、蒼司のジャケットの裾を掴んだ。
「蒼司さん、もういいです。行きましょう……」
すると蒼司がくすくすと笑い始めた。
「あぁ……お前か……」
ギリギリ聞こえるくらいの声で蒼司は呟いた。掴んでいる樹生の腕を振り落とし、蒼司は菜那を抱き寄せる。
「貴方は菜那さんの良さを何もわかっていませんね。本当に手放してくれてよかった。でも……妻を馬鹿にしたこと、俺を怒らせたこと、後悔することになりますよ」
「は……? 何言って――」
「菜那さん、行きましょう。ウエイターさんはお仕事で忙しいでしょうから。あぁ、でも今日でクビかもしれませんね」
「お前に俺をクビにする権限はねぇだろうがよ」
鼻で笑う樹生を横目に菜那は一度も樹生を見ることなく、蒼司に腰を抱かれながらその場を後にした。初めて見る蒼司の怖さ、黒い部分。けれどそんな蒼司を見ても全く怖いと思わなかった。むしろ、蒼司ならこのホテルのオーナーに伝えて本当に樹生をクビにするだろう。
ひとけのない廊下にさしかかると蒼司はいきなり足を止めた。
「菜那さん」
地鳴りがしそうなほど低い蒼司の声に菜那は肩をビクッと震わせた。
「そ、蒼司さん……本当にごめんなさ――!」
ドンっと鈍い音と共に菜那の背は壁につき、蒼司に頭上から見下ろされている。両手で行手を阻まれ、壁と蒼司の間で菜那は不安げな表情を見せた。
確実に蒼司が怒っていることが声、視線、肌からも感じ取れる。
「蒼司さん、怒ってます、よね……」
「怒ってますね。最愛の妻を馬鹿にされて。俺がもっと早く菜那さんと出会ってればって悔しくもあります」
「そんな……蒼司さんが怒るような事じゃ――んんっ……」
突然唇が塞がれ、熱い舌が菜那の舌を絡みとる。壁に押し当てられるように力強いキスに足元から崩れ落ちそうになった。必死で蒼司の舌に絡みつき、腕も首に回してしがみつく。
「っ……菜那さんをあのクソみたいな男から守ってあげたかった」
「そ、しさん……っんんぅ……んん……」
強い欲情を唇越しに流し込まれ身体が火照る。押しつぶされてしまいそうなほど強く唇を重ね合い、息をすることさえ阻まれる。その強引さが嬉しかった。
「んっ……ふっ……」
ゆっくりと唇が離れ、身体全体を包み込まれるように抱きしめられる。
「俺が菜那さんのことを守るから。大切にする、幸せにする……」
力のこもった声に菜那は思わず微笑んだ。
「私はもう十分幸せですよ。でも……これからもっとこの子と一緒に幸せになりましょうね」
人の気配を感じないことを良いことに、何度も何度もキスを繰り返した。
「そろそろホテルのオーナーと総支配人の挨拶になると思うから、もうそろそろ行きますね。菜那さんはここで待っていてください。今椅子を用意させますから」
「はい。わざわざありがとうございます」
スタッフがすぐに椅子を持ってきてくれ、蒼司にエスコートされながら菜那は椅子に腰を下ろした。
「安定期とはいえ大事な身体だからね。完成したホテルを見るだけでわざわざ俺のスピーチなんて見なくていいのに」
「ホテルも見たいし、蒼司さんのカッコいい姿も見たいんです」
少し照れたように蒼司ははにかんで笑った。
「じゃあ失敗しないように気を付けないとな。行ってきますね」
「はい。頑張ってくださいね」
蒼司は身体を曲げ、椅子に座る菜那の耳元に顔を近づけた。
「他の男に話しかけられても無視してくださいね。菜那さんはとても魅力的な人だから心配だ」
「そんなっ……」
耳元を擽る甘いだけじゃない、少し苦みのある声に身体の芯から熱くなる。頬にちゅっと熱く柔らかな蒼司の唇が触れた。
「じゃあ、行ってきます」
恥ずかしさのあまり声が出ず、菜那はこくんと小さく頷いた。
「かっこいい……」
ポロリと思わず声に出てしまう。大勢の人の前に立つ蒼司の姿はとても凛々しく、この会場に飾られている大きなシャンデリアよりももっと輝いて見えた。堂々とマイクに向かってこのホテルの素晴らしい特徴や、設計への想いを述べている。菜那は一字一句聞き逃さないよう、目で、耳で、蒼司の言葉を感じていた。
聞こえる……? パパは本当に凄い建築家なんですよ。産まれたら一緒に泊まりに来ようね。
菜那はお腹を撫でながらも蒼司から目を離さなかった。
蒼司のスピーチが終わり会場が大きな拍手で包まれる。自分の事じゃないのにとても誇らしい気持ちになった。離れている蒼司を目で追うが沢山に人に囲まれて姿が見えずらい。
ふふっ、気長に待ってよう。
喉が渇いたので飲み物をもらいに行こうと菜那は立ち上がると、タイミングよくスタッフの方が目の前を通った。
「あっ、すいません。ノンアルコールのものを頂けませんか?」
声を掛けるとすぐに立ち止まったスタッフは驚いた顔をして菜那を見た。
「菜那、だよな……?」
え……?
見覚えのある顔に菜那の身体は金縛りにあったようにビシッと硬直した。
「……樹生」
賑やかな会場にすぐにかき消されてしまうような声を出した菜那の手には不穏な汗をかき始める。嫌な思い出がフラッシュバックし、頭の中を駆け走った。前髪をきっちりと纏めていて、服もホテルのウエイターだったのですぐには気が付かなかったがかつて付き合っていた恋人の樹生だ。
「なんでお前がここにいるんだよ。まさか、転職した俺を探してここまで来たとかじゃないだろうな?」
「なっ……!」
委縮する菜那に対して樹生は急に傲慢な態度になりニヤリと笑った。
「お前、俺の事大好きだったもんなぁ。本当あんな別れ方になって悪かったと思ってるよ。にしても今日はドレス着てるから随分綺麗じゃん」
何も変わらない樹生の態度にうんざりする。それに、再会したとしても全く心が揺らぐこともない。ただただ嫌な思い出が蘇るだけで菜那にとって樹生はもう完全に過去の存在になっていた。
菜那はジロジロ見てくる樹生に背を向けて歩き始める。その場にいるのも、視界に入るのも嫌だった。
「おい、菜那待てよ。もうすぐ交代の時間だから俺の部屋にこいよ。久しぶりに話そうぜ」
ぱしんと腕を取られ、ゾクゾクと嫌悪が背筋に走る。元カレといえど、触れられるのは嫌だ。もう蒼司にしか触れてほしくない。触れたくない。それに蒼司が誠心誠意、力を込めて作り上げたこのホテルの部屋に樹生がいると思うと嫌気がさす。
「……離して」
「あ?」
「だから、離してって言ってるんです!」
グイっと力を込めて振りほどこうとするが男の人の力に敵うはずがなかった。
どうしたらいいんだろう……。
ここで大騒ぎにしたら蒼司の迷惑に掛かってしまう。掴まれている腕も樹生の力が強く、ギリギリと痛みが走り菜那は目を伏せて頬を引きつらせた。
「おっとすみません」
声と同時にバシャッと音を立てて、赤ワインが樹生の服に大きなシミをつくった。そして呆気にとられている樹生の腕をはたいた蒼司が菜那の目の前に立っている。
「これは失礼いたしました。手が滑ってしまって、着替えをすぐに用意してもらいますので外にでましょう」
「あ~……大丈夫ですよ。替えの着替えがありますのでお気になさらず」
「いえ、申し訳ないですから、さぁこちらへ」
「えっ、あっ、ちょっ、おいっ……」
有無を言わせまいと蒼司は樹生の両肩を掴み、そのまま会場からどんどん離れていく。菜那もその後をついて行き、人気のない通路で足が止まった。不服気な樹生はブンっと肩を回し、蒼司の手を振り払った。
「お前まじでなんなの? 客だと思って下手に出てたのによ。あ~、もしかして菜那の今彼とか?」
ちっと舌打ちした樹生はギロリと蒼司を睨みつけた。
「お前……」
蒼司の聞いたことがない、腹の奥底から出ているような低い声に菜那はビクッと肩を震わせた。
そ、蒼司さん凄く怒ってるよね……?
菜那の目の前にある蒼司の大きな背中から、真っ青なオーラが出ているように感じるのは気のせいだろうか。止めに入ろうと手を伸ばした瞬間、バァンと音を立てて、樹生が壁に追いやられている。
「菜那に気安く触れたのはこの右手か?」
蒼司に壁ドンされている樹生は明らかに顔色が悪い。グイっと右手を蒼司に掴まれ、顔を歪めている。こんなにも樹生が小さく見えるのは初めてだ。
「まじで……なんなんだよ」
「菜那は俺の大切な妻だ。次手を出したらこの腕をへし折るぞ」
「っ……! 妻? 何、あいつ俺と別れたばっかりなのにもう結婚してんの? なんだよ、じゃあ菜那もアンタと浮気してたってことか。ばばあみたいな女だったくせにやることやってたんだな」
樹生はハハッと菜那をあざ笑った。この人を小ばかにするような笑い方に見覚えがある。あの日、樹生が浮気した日もそうやって菜那のことを馬鹿にしていた。悔しくて、もうその場に居るのも嫌で、思わず手が伸び、蒼司のジャケットの裾を掴んだ。
「蒼司さん、もういいです。行きましょう……」
すると蒼司がくすくすと笑い始めた。
「あぁ……お前か……」
ギリギリ聞こえるくらいの声で蒼司は呟いた。掴んでいる樹生の腕を振り落とし、蒼司は菜那を抱き寄せる。
「貴方は菜那さんの良さを何もわかっていませんね。本当に手放してくれてよかった。でも……妻を馬鹿にしたこと、俺を怒らせたこと、後悔することになりますよ」
「は……? 何言って――」
「菜那さん、行きましょう。ウエイターさんはお仕事で忙しいでしょうから。あぁ、でも今日でクビかもしれませんね」
「お前に俺をクビにする権限はねぇだろうがよ」
鼻で笑う樹生を横目に菜那は一度も樹生を見ることなく、蒼司に腰を抱かれながらその場を後にした。初めて見る蒼司の怖さ、黒い部分。けれどそんな蒼司を見ても全く怖いと思わなかった。むしろ、蒼司ならこのホテルのオーナーに伝えて本当に樹生をクビにするだろう。
ひとけのない廊下にさしかかると蒼司はいきなり足を止めた。
「菜那さん」
地鳴りがしそうなほど低い蒼司の声に菜那は肩をビクッと震わせた。
「そ、蒼司さん……本当にごめんなさ――!」
ドンっと鈍い音と共に菜那の背は壁につき、蒼司に頭上から見下ろされている。両手で行手を阻まれ、壁と蒼司の間で菜那は不安げな表情を見せた。
確実に蒼司が怒っていることが声、視線、肌からも感じ取れる。
「蒼司さん、怒ってます、よね……」
「怒ってますね。最愛の妻を馬鹿にされて。俺がもっと早く菜那さんと出会ってればって悔しくもあります」
「そんな……蒼司さんが怒るような事じゃ――んんっ……」
突然唇が塞がれ、熱い舌が菜那の舌を絡みとる。壁に押し当てられるように力強いキスに足元から崩れ落ちそうになった。必死で蒼司の舌に絡みつき、腕も首に回してしがみつく。
「っ……菜那さんをあのクソみたいな男から守ってあげたかった」
「そ、しさん……っんんぅ……んん……」
強い欲情を唇越しに流し込まれ身体が火照る。押しつぶされてしまいそうなほど強く唇を重ね合い、息をすることさえ阻まれる。その強引さが嬉しかった。
「んっ……ふっ……」
ゆっくりと唇が離れ、身体全体を包み込まれるように抱きしめられる。
「俺が菜那さんのことを守るから。大切にする、幸せにする……」
力のこもった声に菜那は思わず微笑んだ。
「私はもう十分幸せですよ。でも……これからもっとこの子と一緒に幸せになりましょうね」
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