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ハローワークで仕事を色々調べてみたけれどどれもピンっと来なかった。接客、営業、製造、介護スタッフ、どれもやってみればきっと楽しいのかもしれない、やりがいもあるのかもしれない。数社だけ職業情報を印刷してマンションに帰ってきた。
そのままソファーに座ることもせず、菜那は自室の片付けを済ませ、リビングの掃除や洗面所を掃除していたらあっという間に夕方になっていた。大きな窓からは柔らかなオレンジ色の光が差し込んでいる。
「わあ……すっごく綺麗」
蒼司の家に初めて来た時は曇っていた事を思い出す。ここまでトントン拍子に進んでしまったが、後悔は全くしていない。幸せという二文字を噛み締める毎日だ。
「よし、一人だし簡単に夕飯を食べよっと」
くるっと大きな窓を背にして、キッチンへ向かった。
冷凍うどんを茹でて食べ、食器を洗って、お風呂に入ってと一通りのことを済ませるとどっと眠気が菜那を襲ってくる。
「んん……眠い……」
ソファーに座ってしまったのが失敗だった。ダメだ、ダメだ、蒼司さんを待つんだと頭の中で思っているはずなのに意思に逆らって瞼が下がってくる。
「……さん。菜那さん」
「んん……」
「こんなところで寝たら風邪をひきますよ」
蒼司の声が聞こえた気がした。ふわりと身体が宙に浮いている夢……? 甘い、味のある夢……?
「んぅ……甘くて美味しいです……」
「寝ぼけてるのかな? 可愛いな」
レモンキャンディーのような甘くて、少し爽やかな味が美味しくてもっと欲しくなる。
「も、っと……」
舌先を伸ばしてもっと味わいたくなる。味まで分かる夢だなんてなんてリアルなんだろう。段々と息苦しくなり、菜那の瞳が開いた。ばっちりと視界に蒼司の顔が映る。
「あ、起きちゃいました?」
「へ……夢……?」
「夢じゃないかもしれません」
「……? んぅ……へ……」
夢じゃなかった。
蒼司に抱き上げられ、唇を貪られている。
「ちょっ、えっ……ンんっ……」
夢の現実の狭間から引き戻されるような濃密なキスに目が覚めた。おかえりなさいと一言伝えたいのに、隙がない。口腔内をゆっくりと厚い舌が絡みつく。
「あっ……」
背がふわふわとした地に着いた。蒼司はベッドの上に仰向けでいる菜那の上に被さり、唇を少し噛みしめている。
「ちょっといたずら心だったはずなのに、スイッチ入っちゃいました」
蒼司はちゅっと菜那の唇にキスを落とし、乱れた前髪を掻き上げた。この熱い瞳の意味を菜那は何度も感じて知っている。
しゅるりとネクタイを取る動作を目にしてごくりと喉が鳴った。
「あの、蒼司さん……」
「貴女が可愛すぎるからいけないんですよ?」
「えっ……あっ……」
ワンピースタイプのパジャマを着ていたことをこんなに悔やんだことはない。いとも簡単に脱がされ、菜那の肌は露になる。恥ずかしさの余り身を捩って身体を両手で隠した。
「その反応も可愛すぎです。隠されるともっと見たくなる男心を擽られますね」
するりと太腿に触れられ、びくりと身体が反応してしまう。
「そんなつもりじゃっ……んんぅっ!」
蒼司の大きな手が身体を這い、太ももの内側に優しく触れる。触れられているだけなのに気持ちよくて身体が過敏に反応し、ジワリと秘部が濡れていくのが自分でも分かった。
「蒼司さん、待ってっ……」
両手を伸ばし、覆いかぶさる蒼司の胸を押さえる。
「……可愛いな」
視線を手にずらした蒼司は菜那の両手首を片手で掴んだ。白くて細い菜那の腕は余裕で蒼司の片手で掴まれてしまう。そして菜那の指にちゅっと音を立ててキスを落とした。
「ダメ。待たないよ」
「っ……!」
耳元に体中が痺れるような甘い声が充満した。両手を拘束され、数えきれないほどのキスが身体に降りそそぐ。全身が性感帯になったかのように蒼司の動き一つ一つに敏感に反応してしまった。
「あっ、んっ……あぁっ……」
蒼司の指がするりと足の間へ滑り濡れた蜜溝を下着越しに上下に擦り出す。
「凄いですね。もう染み出すほど濡れてる」
嬉しそうに口角を上げた蒼司は指を擦り続けながらブラジャーの右側のカップを歯で噛んでグイっと下にずらした。
「あぁっ」
ぷるんっとカップから溢れだした片方の乳房。既に蕾はピンっと尖がり、蒼司の吐息が当たるだけでぴくっと反応してしまう。
蒼司は下から突起を舐め上げ、パクリと口の中に含んだ。チロチロと口の中で弄ばれ、ちゅうっと軽く吸われる。
「んんっ……」
思わず背が仰け反る。
どうしよう。反対側も舐めてほしい……。
カップにしまわれている乳房の先端が下着に擦れてもどかしい。触れてほしい、そう思ってしまい身体が素直に欲望に従いだす。腕は捕らわれたまま、胸を突き出すように背を反らせると蒼司が嬉しそうに笑った。
「こっちも、ですね」
その表情が余りにも妖艶で、恥ずかしいけれど嬉しくて菜那は唇を少し噛んだ。
「あぁ、こんなに硬くして。本当に心も身体も菜那さんは素直ですね」
蒼司の親指と中指が菜那の尖った両蕾を擦る。
「ふぁっ、はっ……」
軽く触れ、擦られただけなのにビリビリと快楽が先端から走り、身体全体に流れ出す。ビクビクと腰が跳ね、蒼司の指が下着のクロッチ部分から入ってきた。
「あぁっ……んぅっ、あっ……!」
「凄く濡れてますね。まだ指で触れただけなのに」
「やっ、言わないでください……」
ぷちゅっと音を立てて蒼司の中指が蜜口の中に飲み込まれていく。蜜を掻きだされ、くちゅくちゅと淫らな音が聞こえる。
「あっ、ん、んぅっ……」
頭の中が卑猥な水音でいっぱいになる。
やっ……凄い音が鳴ってて恥ずかしいっ……。
自分がそれだけ感じて濡れていることを実感してしまい、菜那は頬を真っ赤に染めた。
「菜那さんの中、すっごく熱い。それに、凄く吸い付いてくる」
「……はっ、はずか、しいっ! あぁっ」
「なんで? 凄く可愛いです。とっても魅力的だ」
ぱっと両腕が解放され、流れるように菜那の中に居た指が下着を器用に抜き取った。一息つく間もなく両足を押さえられ、大きく開かれる。菜那の足の間で蒼司は着ていたワイシャツを乱雑に脱ぎ捨てた。
あ……。
いつも優しく丁寧な蒼司が無造作にシャツを脱いだことが紳士ではなく雄の部分を見たような気がして菜那の心臓を大きく跳ねさせる。
カチャカチャと金属音が鳴り、蒼司の反り勃った熱棒がチャックの部分から飛び出した。
「菜那さんの中に入るよ」
素早く避妊具をつけた蒼司の鈴口が蜜口に触れ、グググっと腰が押し付けられる。
「あぁっ……はあっん……!」
蜜壁を大きく割広げながら硬い剛直が菜那の中をいっぱいにした。最奥まで届き、胸が蒼司の胸板に潰されるほど強く抱きしめられる。菜那も蒼司の背中に両手を回してきつく抱きしめた。
「んあぁっ……はぁん、あっ、あぁっ……」
「っく……菜那さんの声聞いただけでイキそうになるな」
蒼司の少し苦しそうな声が耳元に吐息と混じって流れ入ってくる。
「やっ……んっ、ふあっ、あっ、あっ」
身体を密着させたまま、蒼司の腰が打ちつけられた。ぶちゅっぶちゅっと愛液が音を鳴らし、蜜壁を雄笠が擦り上げる。
「ん、ん……んぅ」
身体を揺さぶられながら菜那は嬌声の漏れる口を蒼司の肩に押し付けて声を籠らせた。高揚感が押し寄せ、叫びに近い声が出てしまいそうだ。
「声、塞がないで。もっと俺に聞かせて」
上半身が離れ、蒼司の手のひらが頬に触れると余りにも熱くて溶け出しそうだ。
「夫の、俺だけの特権ですよね?」
「っ……!」
艶やかな瞳に見つめられ、蜜路がキュンっと締まったと同時に蒼司が動き出す。蜜路を突き破るように剛直が菜那の最奥を突き、パンパンパンと肌の当たる音が寝室に響いた。
「は、はあっ、あっ、あ……んあっ」
蒼司の動きに激しさが増し、菜那の声も比例して甲高い声が増していく。熱棒が止まることなく菜那の身体を貫き、脳天まで突き破りそうな快楽が秘部から身体全身に広がった。襲い来る愉悦に身を投げ出してしまいそうだ。
もっと、もっと繋がっていたい。
「あぁ……蒼司、さんっ……」
まるで菜那の思考を読み取ってくれたかのように両手が蒼司の指と絡み合う。しっかりと手は握られ、肌と肌が隙間なく重なり、お互いに汗ばんだ身体はよりいっそう密着感を増した。
「はっ、くっ……菜那さんの子供が早く欲しくなるなっ……」
欲情しきった瞳は菜那を見つめ物欲しそうに捉えている。
蒼司の動きがより一層激しくなり、互いに絡み合っている指の力が強くなった。
「私も、蒼司さんとの子供が、早く欲しいっ……」
出会ったばかりの人なのに、こんなにも強く惹かれている。五年も付き合った元カレとは早く子供が欲しいなんて、こんなに強い思いを抱いたことはなかった。心の底から、蒼司との子供が欲しい。欲しくて欲しくて堪らない。愛する人との子供はどのくらい可愛くて愛おしいんだろうか。
「っ……! そんなこと言われたら止まれないよ?」
「いいんですっ……中に、中に出してくださいっ!」
蒼司は大きく目を見開き、菜那の膣内から肉棒を抜き取った。脱げかけていたスラックスと下着を勢いよく脱ぎすてながら避妊具を引き抜き、また菜那の中に戻ってくる。
「く、やばいな……」
蒼司が顔を歪ませる。直に感じる熱は蜜を絡ませ、まるで自分の身体の一部を取り込むかのように蜜壁が熱棒を締め付けた。
もっと、蒼司さんのことを強く感じたい。
「そ、しさんっ……キ……んうっ」
キスして、と伝える前に唇が重なった。
繋がっている所から自分の意思が伝わっているのかと思った。吐息がまじり、まるで一つの人間になったよう。強く求められている事がひしひしと伝わり、菜那も必死で舌を絡ませて蒼司に答えた。
「んんっ……んあ、んぅ……」
剛直を突き上げられ、身体が大きく揺さぶられると重なっている唇もずれる。蜜口が擦られるたびに熱を孕み、愉悦が身体全体に充満し始めた。競りあがる快楽が愛液となって溢れだし、結合部分からは大きな水音が聞こえてくる。
「んはっ……そうしさん、も、イッちゃうっ……!」
「イッて。菜那さんのイクろころを見たいな」
「やぁっ、蒼司さんも、んあっ、一緒にぃっ」
困ったように笑った蒼司は力強くピストンを繰り返し始めた。最奥を突かれ、絶頂を押し上げられる。
「ああぁっ、うっ……んんぅ~~~!」
身体が投げ出されたように快楽の渦に飲み込まれる。唇を噛みしめて菜那は全身を硬直させた。思いっ切り蒼司に抱きつき、背中に爪を立ててしまったかもしれない。
「……凄い、菜那さんのイク姿はきますね。あと少しだけ付き合ってくださいね」
「ひうっ、あぁっ」
菜那は返事をすることも出来ない。必死に蒼司に抱きつき、身体が壊れそうな程与えられる気持ちよさに瞳が潤みだす。
「っ……くっ――!」
菜那の一番深い所に生暖かい感触が広がった。精を放った熱棒は菜那の中でドクドクと脈打っている。息を切らした蒼司はゆっくりと身体を上げ、菜那の額にちゅっとキスを落とした。
「菜那さん、愛してる」
「……私も、愛してます」
菜那はそっとお腹に手を添えた。
愛してる。だから貴方の子供が欲しい、そう素直に思えた。出会った時間なんて関係ない。ただただ心から蒼司が好きで、この人と未来を歩みたいと思ったから。
そのままソファーに座ることもせず、菜那は自室の片付けを済ませ、リビングの掃除や洗面所を掃除していたらあっという間に夕方になっていた。大きな窓からは柔らかなオレンジ色の光が差し込んでいる。
「わあ……すっごく綺麗」
蒼司の家に初めて来た時は曇っていた事を思い出す。ここまでトントン拍子に進んでしまったが、後悔は全くしていない。幸せという二文字を噛み締める毎日だ。
「よし、一人だし簡単に夕飯を食べよっと」
くるっと大きな窓を背にして、キッチンへ向かった。
冷凍うどんを茹でて食べ、食器を洗って、お風呂に入ってと一通りのことを済ませるとどっと眠気が菜那を襲ってくる。
「んん……眠い……」
ソファーに座ってしまったのが失敗だった。ダメだ、ダメだ、蒼司さんを待つんだと頭の中で思っているはずなのに意思に逆らって瞼が下がってくる。
「……さん。菜那さん」
「んん……」
「こんなところで寝たら風邪をひきますよ」
蒼司の声が聞こえた気がした。ふわりと身体が宙に浮いている夢……? 甘い、味のある夢……?
「んぅ……甘くて美味しいです……」
「寝ぼけてるのかな? 可愛いな」
レモンキャンディーのような甘くて、少し爽やかな味が美味しくてもっと欲しくなる。
「も、っと……」
舌先を伸ばしてもっと味わいたくなる。味まで分かる夢だなんてなんてリアルなんだろう。段々と息苦しくなり、菜那の瞳が開いた。ばっちりと視界に蒼司の顔が映る。
「あ、起きちゃいました?」
「へ……夢……?」
「夢じゃないかもしれません」
「……? んぅ……へ……」
夢じゃなかった。
蒼司に抱き上げられ、唇を貪られている。
「ちょっ、えっ……ンんっ……」
夢の現実の狭間から引き戻されるような濃密なキスに目が覚めた。おかえりなさいと一言伝えたいのに、隙がない。口腔内をゆっくりと厚い舌が絡みつく。
「あっ……」
背がふわふわとした地に着いた。蒼司はベッドの上に仰向けでいる菜那の上に被さり、唇を少し噛みしめている。
「ちょっといたずら心だったはずなのに、スイッチ入っちゃいました」
蒼司はちゅっと菜那の唇にキスを落とし、乱れた前髪を掻き上げた。この熱い瞳の意味を菜那は何度も感じて知っている。
しゅるりとネクタイを取る動作を目にしてごくりと喉が鳴った。
「あの、蒼司さん……」
「貴女が可愛すぎるからいけないんですよ?」
「えっ……あっ……」
ワンピースタイプのパジャマを着ていたことをこんなに悔やんだことはない。いとも簡単に脱がされ、菜那の肌は露になる。恥ずかしさの余り身を捩って身体を両手で隠した。
「その反応も可愛すぎです。隠されるともっと見たくなる男心を擽られますね」
するりと太腿に触れられ、びくりと身体が反応してしまう。
「そんなつもりじゃっ……んんぅっ!」
蒼司の大きな手が身体を這い、太ももの内側に優しく触れる。触れられているだけなのに気持ちよくて身体が過敏に反応し、ジワリと秘部が濡れていくのが自分でも分かった。
「蒼司さん、待ってっ……」
両手を伸ばし、覆いかぶさる蒼司の胸を押さえる。
「……可愛いな」
視線を手にずらした蒼司は菜那の両手首を片手で掴んだ。白くて細い菜那の腕は余裕で蒼司の片手で掴まれてしまう。そして菜那の指にちゅっと音を立ててキスを落とした。
「ダメ。待たないよ」
「っ……!」
耳元に体中が痺れるような甘い声が充満した。両手を拘束され、数えきれないほどのキスが身体に降りそそぐ。全身が性感帯になったかのように蒼司の動き一つ一つに敏感に反応してしまった。
「あっ、んっ……あぁっ……」
蒼司の指がするりと足の間へ滑り濡れた蜜溝を下着越しに上下に擦り出す。
「凄いですね。もう染み出すほど濡れてる」
嬉しそうに口角を上げた蒼司は指を擦り続けながらブラジャーの右側のカップを歯で噛んでグイっと下にずらした。
「あぁっ」
ぷるんっとカップから溢れだした片方の乳房。既に蕾はピンっと尖がり、蒼司の吐息が当たるだけでぴくっと反応してしまう。
蒼司は下から突起を舐め上げ、パクリと口の中に含んだ。チロチロと口の中で弄ばれ、ちゅうっと軽く吸われる。
「んんっ……」
思わず背が仰け反る。
どうしよう。反対側も舐めてほしい……。
カップにしまわれている乳房の先端が下着に擦れてもどかしい。触れてほしい、そう思ってしまい身体が素直に欲望に従いだす。腕は捕らわれたまま、胸を突き出すように背を反らせると蒼司が嬉しそうに笑った。
「こっちも、ですね」
その表情が余りにも妖艶で、恥ずかしいけれど嬉しくて菜那は唇を少し噛んだ。
「あぁ、こんなに硬くして。本当に心も身体も菜那さんは素直ですね」
蒼司の親指と中指が菜那の尖った両蕾を擦る。
「ふぁっ、はっ……」
軽く触れ、擦られただけなのにビリビリと快楽が先端から走り、身体全体に流れ出す。ビクビクと腰が跳ね、蒼司の指が下着のクロッチ部分から入ってきた。
「あぁっ……んぅっ、あっ……!」
「凄く濡れてますね。まだ指で触れただけなのに」
「やっ、言わないでください……」
ぷちゅっと音を立てて蒼司の中指が蜜口の中に飲み込まれていく。蜜を掻きだされ、くちゅくちゅと淫らな音が聞こえる。
「あっ、ん、んぅっ……」
頭の中が卑猥な水音でいっぱいになる。
やっ……凄い音が鳴ってて恥ずかしいっ……。
自分がそれだけ感じて濡れていることを実感してしまい、菜那は頬を真っ赤に染めた。
「菜那さんの中、すっごく熱い。それに、凄く吸い付いてくる」
「……はっ、はずか、しいっ! あぁっ」
「なんで? 凄く可愛いです。とっても魅力的だ」
ぱっと両腕が解放され、流れるように菜那の中に居た指が下着を器用に抜き取った。一息つく間もなく両足を押さえられ、大きく開かれる。菜那の足の間で蒼司は着ていたワイシャツを乱雑に脱ぎ捨てた。
あ……。
いつも優しく丁寧な蒼司が無造作にシャツを脱いだことが紳士ではなく雄の部分を見たような気がして菜那の心臓を大きく跳ねさせる。
カチャカチャと金属音が鳴り、蒼司の反り勃った熱棒がチャックの部分から飛び出した。
「菜那さんの中に入るよ」
素早く避妊具をつけた蒼司の鈴口が蜜口に触れ、グググっと腰が押し付けられる。
「あぁっ……はあっん……!」
蜜壁を大きく割広げながら硬い剛直が菜那の中をいっぱいにした。最奥まで届き、胸が蒼司の胸板に潰されるほど強く抱きしめられる。菜那も蒼司の背中に両手を回してきつく抱きしめた。
「んあぁっ……はぁん、あっ、あぁっ……」
「っく……菜那さんの声聞いただけでイキそうになるな」
蒼司の少し苦しそうな声が耳元に吐息と混じって流れ入ってくる。
「やっ……んっ、ふあっ、あっ、あっ」
身体を密着させたまま、蒼司の腰が打ちつけられた。ぶちゅっぶちゅっと愛液が音を鳴らし、蜜壁を雄笠が擦り上げる。
「ん、ん……んぅ」
身体を揺さぶられながら菜那は嬌声の漏れる口を蒼司の肩に押し付けて声を籠らせた。高揚感が押し寄せ、叫びに近い声が出てしまいそうだ。
「声、塞がないで。もっと俺に聞かせて」
上半身が離れ、蒼司の手のひらが頬に触れると余りにも熱くて溶け出しそうだ。
「夫の、俺だけの特権ですよね?」
「っ……!」
艶やかな瞳に見つめられ、蜜路がキュンっと締まったと同時に蒼司が動き出す。蜜路を突き破るように剛直が菜那の最奥を突き、パンパンパンと肌の当たる音が寝室に響いた。
「は、はあっ、あっ、あ……んあっ」
蒼司の動きに激しさが増し、菜那の声も比例して甲高い声が増していく。熱棒が止まることなく菜那の身体を貫き、脳天まで突き破りそうな快楽が秘部から身体全身に広がった。襲い来る愉悦に身を投げ出してしまいそうだ。
もっと、もっと繋がっていたい。
「あぁ……蒼司、さんっ……」
まるで菜那の思考を読み取ってくれたかのように両手が蒼司の指と絡み合う。しっかりと手は握られ、肌と肌が隙間なく重なり、お互いに汗ばんだ身体はよりいっそう密着感を増した。
「はっ、くっ……菜那さんの子供が早く欲しくなるなっ……」
欲情しきった瞳は菜那を見つめ物欲しそうに捉えている。
蒼司の動きがより一層激しくなり、互いに絡み合っている指の力が強くなった。
「私も、蒼司さんとの子供が、早く欲しいっ……」
出会ったばかりの人なのに、こんなにも強く惹かれている。五年も付き合った元カレとは早く子供が欲しいなんて、こんなに強い思いを抱いたことはなかった。心の底から、蒼司との子供が欲しい。欲しくて欲しくて堪らない。愛する人との子供はどのくらい可愛くて愛おしいんだろうか。
「っ……! そんなこと言われたら止まれないよ?」
「いいんですっ……中に、中に出してくださいっ!」
蒼司は大きく目を見開き、菜那の膣内から肉棒を抜き取った。脱げかけていたスラックスと下着を勢いよく脱ぎすてながら避妊具を引き抜き、また菜那の中に戻ってくる。
「く、やばいな……」
蒼司が顔を歪ませる。直に感じる熱は蜜を絡ませ、まるで自分の身体の一部を取り込むかのように蜜壁が熱棒を締め付けた。
もっと、蒼司さんのことを強く感じたい。
「そ、しさんっ……キ……んうっ」
キスして、と伝える前に唇が重なった。
繋がっている所から自分の意思が伝わっているのかと思った。吐息がまじり、まるで一つの人間になったよう。強く求められている事がひしひしと伝わり、菜那も必死で舌を絡ませて蒼司に答えた。
「んんっ……んあ、んぅ……」
剛直を突き上げられ、身体が大きく揺さぶられると重なっている唇もずれる。蜜口が擦られるたびに熱を孕み、愉悦が身体全体に充満し始めた。競りあがる快楽が愛液となって溢れだし、結合部分からは大きな水音が聞こえてくる。
「んはっ……そうしさん、も、イッちゃうっ……!」
「イッて。菜那さんのイクろころを見たいな」
「やぁっ、蒼司さんも、んあっ、一緒にぃっ」
困ったように笑った蒼司は力強くピストンを繰り返し始めた。最奥を突かれ、絶頂を押し上げられる。
「ああぁっ、うっ……んんぅ~~~!」
身体が投げ出されたように快楽の渦に飲み込まれる。唇を噛みしめて菜那は全身を硬直させた。思いっ切り蒼司に抱きつき、背中に爪を立ててしまったかもしれない。
「……凄い、菜那さんのイク姿はきますね。あと少しだけ付き合ってくださいね」
「ひうっ、あぁっ」
菜那は返事をすることも出来ない。必死に蒼司に抱きつき、身体が壊れそうな程与えられる気持ちよさに瞳が潤みだす。
「っ……くっ――!」
菜那の一番深い所に生暖かい感触が広がった。精を放った熱棒は菜那の中でドクドクと脈打っている。息を切らした蒼司はゆっくりと身体を上げ、菜那の額にちゅっとキスを落とした。
「菜那さん、愛してる」
「……私も、愛してます」
菜那はそっとお腹に手を添えた。
愛してる。だから貴方の子供が欲しい、そう素直に思えた。出会った時間なんて関係ない。ただただ心から蒼司が好きで、この人と未来を歩みたいと思ったから。
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