エリート建築士は傷心した彼女を愛し抜きたい

森本イチカ

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 首がもげるんじゃないかと思うくらい上を向いてもてっぺんが見えない高層マンション。明らかに裕福層が住んでいるだろうマンションの目の前に菜那は立っていた。片手には沢山の掃除用品が入っている大きな鞄を持っている。明らかに周りの風景と合っていない。黒のスラックスに白のワイシャツ、黄色い布地に黒の太い字でカジハンドと書かれたエプロンを身に着けた菜那だけが浮き上がっているように感じてしまう。恥ずかしさを感じ、羽織っていた黒のダウンのチャックを閉めた。
 ここ、だよね……?
 何度もスマホに表示されている住所を確認しているが一字一句間違っていない。
 やっぱり合ってる。ここなんだ……。
 ふぅっと深呼吸をし、ロビーにある呼び出し番号を押そうと人差し指を伸ばした。
「っ……」
 全く違う現場のはずなのに、昨日の近藤の家での出来事がフラッシュバックして伸ばした指が震えだす。
「なんでっ……」
 指を引っ込め、胸の前で両手を握りしめる。不幸な出来事が重なりすぎてトラウマになるには菜那にとって十分だったようだ。
「仕事だから。大丈夫、大丈夫……」
 優しいお客様もたくさんいた。だから、大丈夫。
 自分に何度も何度も言い聞かせ、もう一度インターホンに指を伸ばした。
 525、押せた……。
 ホッと胸を撫で下ろすと、525号室からすぐに応答があった。
「はい、宇賀谷です」
 柔らかな優しい声が聞こえた。
 あれ? この声……。
 スピーカー越しに聞こえる声に菜那は聞き覚えがあった。その声に反応したのか、ドクドクと心臓が過敏に動き出す。
「あっ、えっと、依頼を承りましたカジハンドの堀川です。宇賀谷様、本日は宜しくお願い致します」
 インターホン越しに頭を下げると、くすくすと上品な笑い声が機械越しに聞こえてきた。
「元気そうでよかったです。今開けるので入ってきてください」
 ――あ、やっぱり。
 昨日の人、かもしれない。
 声を聞いただけだけれど、なんとなく、そんな気がする。ゆっくりとあいた自動ドアを通り、菜那は525号室へと向かった。
 あれ……?
 少し先の玄関の前に人影が見えた。菜那の方を見るなり会釈をされ、もしかして? と思い、少し足を速めて影の元へ急いだ。
「あのっ、宇賀谷蒼司(うがやそうし)様でしょうか? わたくし、カジハンドの堀川と申します」
「はい。宇賀谷です」
 その一言だけでドクンと心臓が高鳴った。
 優しく微笑むこの笑顔にはしっかりと見覚えがある。二度も助けられている彼をの顔を忘れるはずがない。スーツ姿ではなく、今日はラフなトレーナー姿だが、それでも身長が高くてスタイルの良さがはっきりと分かる。
「あのっ、昨日の方、ですよね? 私、傘とジャケットをお借りしてしまっていて、あと滑った時も助けてもらってしまって、あぁっ、傘! 事務所に置いてきてしまいましたっ」
 早くお礼が伝えたくて焦って話す菜那のことを柔らかな視線で見つめてくる。緊張でますます口が早くなってしまった。
「本当にお見苦しい姿ばかりをみせてしまいっ、本日はしっかりやらせていただきますので、えっと、そのっ」
「ははっ、落ち着いてください。ゆっくりでいいですから」
 くしゃっと笑った蒼司の顔は少し子供っぽさが残っている。そのギャップのある笑顔にまた、キュンっと胸が痛んだ。
「す、すみません。なんか緊張してしまって、本当にお恥ずかしい姿ばかり見せちゃってますね」
 菜那は苦笑いしながら口元を手で隠した。
「僕も少し緊張してますよ。本当にたまたまの偶然にいつも驚かされました」
「うっ……本当にこんな偶然ってあるんですね。これも何かのご縁だと思って精一杯務めさせて貰いますので本日は宜しくお願い致します」
 菜那が深々と頭を下げると「こちらこそ」と蒼司も高い身長を折り曲げる。顔を上げ、蒼司を見ると恥ずかしそうに髪を掻きながら笑った。
「その、部屋はかなり汚いんで……」
「ふふ、大丈夫ですよ。お任せください」
「じゃあ、どうぞお入りください」
 蒼司は手を差し出し、菜那を家へと招き入れた。汚いというからどれだけ汚いのだろうと思ったが、玄関に散乱している靴はなく、きちんと靴箱に並んでいた。
 なんだ、やっぱり汚くなんてないよ。
 艶やかな白いタイルがマンションだと暗くなりがちな玄関を明るくしてくれている。目の前には全面ガラスのリビングドアが見えた。
「これ、よかったら」
 蒼司から差し出されたスリッパはグレイのフワフワした素材。有難く拝借し、足を通すと靴下越しにでも分かるほどの素材の良さと履き心地の良さに思わず「凄いっ」と声が出そうになった。
「ありがとうございます。ではお邪魔致します」
 歩く蒼司の後ろをついていき、リビングに入った。
「わっ……」
 部屋のデザインやインテリアは凄く綺麗で統一感のある部屋だ。けれど、割と散らかっている。
 大きなガラス窓から見える景色は地上より空の方が近いんじゃないかと思うくらい空が近く感じる。残念なのは今日が曇りだということだ。晴れていたらきっと凄い絶景に違いない。けれどその手前に置いてあるソファーの上には脱ぎっぱなしの服が溜まっている。ガラスのローテーブルの上にも飲みかけのペットボトルが溜まっているがそれ以外のゴミはパッと見たところなさそうで菜那は少し安堵した。蒼司は罵声を浴びせるような人でないことはほんの少しの関りでも分かっている。けれど心のどこかでやはりお客様、に対して怯えてしまっている自分がいるのかもしれない。
「ははっ、汚くて驚きましたよね。仕事を理由にしたらいけないのは分かってるんですけど、忙しくて……まぁ、家事も苦手なんですけど」
 ソファーの上に脱ぎ捨てられていた服を搔き集めながら蒼司は恥ずかしそうに笑った。そっと蒼司が持っている服を取り、菜那は蒼司のことを見上げる。
「驚きなんてしません。お仕事が忙しいと家事まで手が回りませんよね」
 忙しそうな人を見ると母を思い出してしまう。ドクンと心臓が大きく動き、目頭が熱くなったのを感じたが平然を振る舞った。菜那の母親も働いている時は常に忙しそうで、家に帰ってくるとスイッチが切れたようにぐったりとしていたからよく分かる。仕事と家事の両立とはかなり大変なことだと。だからこそ、自分たちのような家事代行業者を上手く使ってその人の負担を少しでも減らすお手伝いが出来ればなと思っている。菜那は服をいったん床の上に置き、スマートフォンを取り出した。
「今日は掃除と料理のご依頼だったのですが、さっそく始めさせていただいてよろしいでしょうか?」
「よろしくお願いします。俺はここでちょっと仕事させてもらいますので、何かあったら聞いてください」
「承知致しました。では掃除が終わり次第、買い物に行き、料理にかかりたいと思います。メニューは、ご希望通りハンバーグでよろしかったですか?」
 菜那は事前にもらっていたスマホに保存しているアンケートシートと蒼司を交互に見ると、蒼司としっかり目が合ってしまった。
「っ……!」
 その瞬間、蒼司に抱きしめてもらった記憶が目の裏にしっかりと映し出される。お客様と目を合わせるなんてことは当たり前の事のはずなのに、蒼司は特別だ。助けてくれ、慰めてくれた彼の腕の温もりを身体がハッキリと覚えている。
 やだ……思い出しちゃった……。
 菜那は思わずパッと顔を逸らした。恥ずかしさがこみ上げてくる。
「どうかしましたか?」
 いきなり顔を逸らした菜那を不審に思ったのか、蒼司が顔を覗き込んできた。切れ長の瞳が菜那を捉える。
「いえ……なんでもありません」
 抱きしめられたことを思い出してしまいました、なんて言えるはずがない。今は大切なお客様なのに公私混同してしまうなんて……絶対に駄目だ。
 キュッと唇を噛み、菜那は顔を上げた。
「では作業に取り掛からせていただきます」
「あ、待って下さい」
 動き出した菜那の腕を蒼司は掴んで止めた。
「な、なんでしょうか?」
「買い物の時はご一緒しても大丈夫でしょうか?」
「一緒にですか? それは……」
 滅多にないパターンの返答に少し間が開いてしまった。大抵のお客様は自宅で待っていることが多い。
「ダメ、かな?」
「……いえ、ダメではありません。では買い物の際にはご一緒に宜しくお願い致します」
「よかった。菜那さんの手料理、凄く楽しみです」
「っ……」
 ドキドキと小さく鳴っていたはずの心臓が大きく飛び跳ねた。
 な、名前で呼んだよね……?
 スマートに名前で呼んできた蒼司は何事もなかったかのようにどこか別の部屋に消えて行った。
 あ……。
 意識しているのは多分自分だけだと思い知らされた。名前で呼ばれただけで反応してしまったことが恥ずかしくなってくる。
 もしかして蒼司にとっては誰かを助けることは当たり前なのかもしれない。たまたま自分が居合わせて助けてもらえた。ただそれだけの事だったのかもしれないと思えてくる。
「さ、頑張ろう」
 それなら、それでいいじゃないか。蒼司はとても優しい人、誰にでも優しい人なんだ。いいことのはずなのに、胸がもやっとする。今日の曇り空のようにどよんと薄黒いものが胸に広がった。
 洗濯物を洗濯機に入れてリビングに戻ると蒼司がソファーに座りノートパソコンを弄っていた。
 わ……眼鏡してる……。
 シンプルなシルバーフレームの眼鏡をした蒼司は更に色気を増しているように見える。長い足を組みパソコンに向かう姿は知的で、見惚れてしまいそうになるほどカッコいい。菜那は蒼司の邪魔にならないように身を低くし、ササっとローテーブルの上にあったペットボトルを回収した。
「菜那さん、ありがとうございます」
 菜那の姿が目の端に映ったのか、蒼司はパソコンから顔を上げて眼鏡を外した。目が疲れたのか目頭を指で摘んでぐいぐい揉んでいる。
「いえ……その、お仕事大変そうですね」
「ちょっと案件が立て込んじゃいまして。あ、邪魔だったら別の部屋に行きますけど大丈夫ですか?」
 蒼司はノートパソコンを閉めようと手を掛けた。
「いえ、全く邪魔だなんてことはありません。むしろ私の方がちょこちょこ動いていてお邪魔になってはいませんか? できるだけお仕事の邪魔にならないように気を付けますが……」
「大丈夫ですよ。俺の家にいる菜那さんを見ていたいですから」
「へ……?」
 思わず素っ頓狂な声が出てしまった。聞き間違いではないだろうかと自分の耳を疑ってしまう。見ていたいと言った蒼司は菜那を見つめたまま、なんの言葉も発しない。その真っすぐな視線に耐えることが出来ず、菜那は勢いよく立ち上がった。
「で、では仕事に取り掛からせていただきますので。失礼いたしましたっ!」
 ペットボトルを胸に抱えて、その場を立ち去った。
 見ていたからって言ったよね……?
 もしかして仕事に対して手を抜いてないかとか監視したいってことだろうか。確かに蒼司は仕事ができる人間のオーラが漂っている。蒼司は優しいだけじゃなく、厳しい人なのかもしれない。
 チラッと蒼司のことを見ると目が合った。思わず焦って目を逸らしてしまったけれど、蒼司は厳しい顔つきではない。むしろ優しく見守ってくれているような視線に感じた。
 よし、頑張ろう……っ。
 上昇する体温を押さえたくて、菜那はペットボトルをぎゅっと抱きしめた。
 でも……これだけカッコいいんだからきっと彼女がいると思うけど、あんまり女の人の気配は不思議と感じないんだよなぁ。
 ラベルを剥がしながらソファーに座る蒼司を見る。少し口を曲げて、なんだか悩んでいるようだ。パソコンとにらめっこしている。その姿がなんだか少し可愛く見えてしまい思わず頬が緩んだ。
 そういえば、職業はなんなんだろう? でもきっといいとこのエリートなんだろうな。じゃなきゃこんな豪邸に住めないよね。
 ゴミの処分はあっという間に終わり、リビングの掃除に取り掛かる。濡れた布巾でほこりの被ったインテリアを次々と拭き上げ、仕事をしている蒼司を考慮して床は雑巾で拭き上げた。巾木にもホコリが溜まっていたので雑巾の方がちょうどよかったというのもある。
 時々、蒼司からの視線を感じたが、振り向いたら目が合ってしまいそうなので、とにかく仕事をした。それに仕事に夢中になれば余計なことは考える必要がくなるから。
 でも、本当にオシャレなお家だなぁ……。
 あまり高級マンションの依頼はカジハンドには来ず、普段は一人暮らしの老人のお宅などの一般家庭が多い。だからあまり感じることがなかったが雲泥の差とやらを肌で感じた。自分と彼は住む世界が全く違うのだと。
 使った雑巾を洗い、ふぅと深呼吸をして気持ちを落ちつかせると菜那は蒼司の元へ向かった。しばらく蒼司の視線を感じなかったのは仕事に没頭していたからのようだ。真剣に画面を見ながら手元を動かしている。
 ……かっこいいな、って何キュンとしちゃってるの、私!
 浮気されて、振られたばかりなのに他の男性にキュンとしてしまうなんて。でも、仕事に一生懸命な人って素敵だな、と思ってしまう。容姿うんぬんではなく、目の前にある課題を真剣に取り組んでいる姿は誰だってカッコいい。
「宇賀谷様お仕事中に失礼します。リビングの掃除はある程度終わりましたので、お時間的に料理の方に移りたく、買い物に行きたいのですが……ご一緒されますか?」
「わ……凄く綺麗です。いつの間にか仕事に集中しちゃってたんだ。買い物ですよね? 車を出しますので一緒に行きましょう」
 パソコンを閉じ、とった眼鏡をパソコンの上に置いた。
「お車出してもらってよろしいんですか?」
「もちろんです。荷物だって重いですからね。さぁ、行きましょうか」
 歩き出す蒼司の後を鞄を持ってついていく。家を出て、エレベーターに乗り込んだ。
「本当にリビングが凄く綺麗になりました。インテリアとか、職業柄ついこだわって買ってしまうんですけど、その後の手入れが間に合わなくて」
 菜那の隣に立つ蒼司は恥ずかしそうに目を細めて笑う。狭い空間だからか、蒼司の柔らかく低い声がやたら響いて聞こえた。
「職業柄……インテリアコーディネーターさんなんですか?」
「いえ、俺は建築士です。今更ですけど一応、これ名刺です」
 蒼司は財布の中から名刺を一枚取り出し菜那に差し出しだ。
 菜那は「ご丁寧にありがとうございます」と名刺を受け取りまじまじと見る。UGY建築事務所 一級建築士 代表取締役 宇賀谷蒼司と書いてあった。
「わ……建築士の社長さん……」
「個人でやってるから社長っていうのもなんか違うけど。家で仕事をしてる分、散らかってしまうんですよね。まぁ仕事を言い訳にしてるだけですけど」
「家を設計したりできるなんて、尊敬します。仕事に集中してたらなかなか家事まで手が回りませんよ」
 自分に誇れる仕事があるって凄いなぁ、と率直に思った。
「え……?」
 ふわっと爽やかな柑橘系の匂いが鼻を抜け、蒼司は身長の低い菜那の顔を覗き込んだ。
「俺は家事のできる菜那さんの方が尊敬しますよ」
 蒼司に見つめられ、痛いくらいに心がドクンと反応した。次第に鼻の奥がツンと痛くなってくる。
「……私はそんな」
 何にもない空っぽの人間なんです。そう口にしたら耐えている涙がこぼれてしまいそうな気がして菜那は蒼司から顔をサッと背けた。
「ハンバーグ! チーズ入りがいいですか?」
 視線は蒼司からずらしたまま、菜那はポンポンと跳ねるような明るい声を出して話を逸らす。
「チーズ、いいですね。食べたいです」
「で、ではそう致しますね」
 蒼司の「楽しみです」という声と同時にエレベーターが三階で開いた。一人の男性が入ってきたと思えば、蒼司の腕が菜那の腰を抱き寄せている。
 え……な、なに?
 人にぶつかりそうな程たくさん入ってきたわけではないのに、何故か蒼司の腕の中に捉えられている。もしかして自分が入ってくる人の邪魔になっていたとか? けど、ここで蒼司のことを突き放したら暴力を振るったとか言われてしまうのだろうか? あれ、そもそもこれはセクハラに入るんじゃ? なんて色んな考えがぐるぐると頭の中を駆け巡る。
 あ、でも……。
 抱き寄せられて嫌じゃないからセクハラじゃないか。蒼司にはもう二度、抱きしめられているわけだし、なんて思考が頭によぎる。
 菜那は顔を見上げて蒼司を見た。
「あ、あの……宇賀谷様?」
 なるべく人に聞こえないよう小さな声を出す。
「はい?」
 小さすぎて聞こえなかったのか、蒼司は顔を傾け菜那の顔に近づけた。柑橘系の香りが段々とムスクの香りに変わっていくのを感じる。
 顔っ、近いっ……。
 サラリと蒼司の髪が菜那の頬を擽った。バクバクと心拍数は上がって行く。
 この状況は一体何? 
「あっ、その――」
 ポーンっとタイミングよくエレベーターが一階に着き、先に男性が下りて行った。そのまま何故か蒼司に腰を抱かれたまま歩き出す。
「宇賀谷様っ、あの、離していただけませんか!?」
 顔を真っ赤にした菜那が足を止めると、蒼司もピタリと止まった。
「あ、すみません。つい……大丈夫でしたか?」
 パッと腕が離れ、菜那を見つめる漆黒の瞳はなにやら心配の色が見える。
「えっと、何がでしょうか? あ、もしかしてハンバーグが作れるかとかの心配ですか?」
「いや、なんだか瞳が潤んでいたような……」
 首をかしげると、ははっと蒼司は笑い、また優しい表情を見せた。
「いや、なんでもないです。買い物に行きましょうか」
「はい」
 歩き進めた蒼司の後を菜那は首をかしげながら着いていった。
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