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プロローグ
しおりを挟む照明の柔らかなオレンジの光が新雪のように真っ白な菜那の肌を照らす。
何度身体を重ねたって恥ずかしいものは恥ずかしい。ドキドキと心臓は壊れそうな程激しく動き、白い肌はほんのり紅色に染まっていく。
「んっ……あっ、ん……」
蒼司の大きな手が菜那の身体に優しく触れた。
「菜那さん……こんなに濡らして、可愛いな」
くちゅっと音を立てて、蒼司の中指が濡れた溝唇にゆっくりと入っていく。丁寧に膣内を掻き混ぜられ、淫靡な水音が段々大きくなってきた。
「やぁっ、もっ……そ、うしさんっ……」
気持ちがいい。なのにもっと、もっとと貪欲に快楽を求めて腰がよがってしまう。
「ん? どうしました?」
菜那を組み敷いた蒼司は余裕そうな笑みを浮かべている。自分だけが快楽に溺れ、必死にしがみついているのが少し悔しくなった。菜那は少しだけ口先を尖らせて蒼司を見る。
「わ、私だけいっつも……蒼司さんにも気持ちよくなって欲しいのに」
蒼司がふっと笑って身体がピタリと隙間なく触れ合った。熱い吐息が菜那の耳元を甘く擽る。
「こうして肌が触れ合うだけで、凄く、気持ちいいよ」
「っ……!」
熱い吐息は首元へ移り、体中にキスの嵐が降りそそぐ。その唇は菜那のピンっと尖った胸の先端に触れた。
「あんっ……」
チロチロと舌先を使い、蒼司は美味しそうに菜那の乳首を舐めている。
「可愛いな……こうして菜那さんに触れているだけでもイキそうになるくらいですよ」
胸の谷間から蒼司に覗き込まれ、ゾクリと身体の芯から震えあがる。雄の瞳をした蒼司に見つめられ、胸の高鳴りが止まらない。
「だからもう、菜那さんの中に入らせて……」
コクリと頷くとズブズブと熱い質量が菜那の中をいっぱいにする。
「あぁぁっ……!」
「っ……菜那さんの中、凄くトロトロで熱いな」
余裕そうだった蒼司が少し顔を歪ませた。膣内を味わうように蒼司は肉棒をゆっくりと動かし、菜那の蜜口を擦る。熱の籠った瞳で見下ろされ、無防備だった乳房を蒼司は鷲掴んだ。
「んあっ、はあっ……ひゃぁん」
小さな小粒を拾うように親指と人差し指で摘ままれ、ピリッとした刺激が走った。
「凄い……こうして乳首を摘まむと菜那さんの中、凄く締まりますね……好きなんですね、乳首弄られるの」
「やっ……はずかっ……んんぅっ!」
甘い愉悦が口から漏れる。乳首を責められ、ずちゃずちゃと蒼司の熱棒で突かれると気持ちよさで脳まで溶けてしまいそうだ。
「菜那さん……本当に可愛いな……くっ……締め付けすぎですよ」
「あぁっ、蒼司さんっ……す、きっ……」
「俺もです。好きだ……っ」
言葉に、この温もりに心も身体も全て満たされる。
全ての思いを全身に打ち込められているよう。蜜壺からは嬉しさの余り、尻の後ろまで愛液が流れ落ち、美味しそうに蒼司の剛直を咥えて離さない。
「あぁっ、はぁっ……そう、しさんっ」
菜那は両手を広げて蒼司を求めた。
「っ……! そんな可愛いことされたらイっちゃいますよ」
困ったように笑いながら蒼司は菜那の腕の中に吸い込まれるよう身体を密着させた。菜那の乳房が蒼司の厚い胸板に潰される。舌を伸ばして絡ませ合い、四肢をしっかりと繋ぎ合う。
「んぅっ……好きっ……蒼司さんっ」
蒼司に出会えたことは自分にとって奇跡だ。灰色になりかけていた世界が瞬く間に色づいた。
「菜那さんっ……俺も、愛してます……」
蒼司の腰の動きがどんどん早くなる。パンパンと肌の当たる音が寝室に鳴り響き、菜那の嬌声も大きくなった。
「はぁっ、んぅっ、も、ダメ、イク、イっちゃいますっ……!」
「あぁ、いいよ。俺も菜那さんと一緒に――」
「あぁぁあんっ!」
最奥を何度も突かれ、突然真っ白な世界に投げ出された。蒼司も菜那の身体の上でぶるっと身体を震わせ、息を乱している。
「……菜那さん、愛してるよ」
身体中が愉悦で充満している菜那を蒼司はそっと抱き寄せ、頬にキスをした。
「わた、しも……」
喘ぎすぎてカラカラの喉から小さな声を絞り出す。
「愛してます……」
蒼司は嬉しそうに目を細め、菜那の髪を優しく撫でる。
幸せだ。
――たくさんのものを失いつつあった自分がこんなにも甘い時間を過ごせるなんて、思ってもいなかったから。
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