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 お風呂を出た後にもソファーに二人で並んで座り美桜に借りた漫画の続きを読んだ。俺は読むのが遅い。俺が一冊読み終わる頃に美桜は既に三冊目に突入している。そして集中力が凄い。話しかけても基本スルーされるがそれももう慣れた。


「明日は仕事だし、そろそろ寝ようか」


 時刻はあっという間に夜の九時を回っていた。


「そうだね。じゃあ片してくるから先にベットに行ってて」


 大量の漫画を両手に抱えた美桜はスッと自室に消えていった。手伝うよと言ったが漫画は自分でしまいたいらしい。漫画の並びにこだわりがあるとか言っていた。


 先にベットに潜り込む。



(本当は今日一日美桜とイチャイチャラブラブするはずだったんだけどなぁ)


 いつも良いところで姫咲という悪魔に邪魔される。
 はぁーーーと長いため息が自然と何度も出てしまった。


「隆ちゃんどうしたの?」


 もぞもぞとワンピースタイプのパジャマを身にまとった美桜がベットに入り俺にピッタリとひっついては覗き込むように見上げてくる。


(いやもう可愛い。やばい。ムラムラしてきた)


「ん、ヒート状態になっちゃったかも」


 カプリと首の後ろではなく美桜の鼻の頭を軽く噛んだ。大きく目を開き驚いた表情は一瞬で、すぐに艶のある瞳に変わったのが分かる。


「隆ちゃん、ヒートってのは基本受けのオメガがなるものなんだけど、それは今日は私に攻めろって遠回しに言ってるの?」


 思考回路がショートした。
 

 俺はただ欲情したって事を言いたかっただけなのに、なんだか思っていた返事の百億倍凄い返答。


(み、美桜が俺を攻める? 俺の上で腰を振るって事だよな?)


 もう俺が受けでも攻めでも何でも良い。よく分からん! でもそれはそれで最高でしかないので、これに便乗してお願いしようと思う。


「じゃあ、それでお願いしようかな」


「なっ……隆ちゃん……」


 同意を求めるように俺は美桜の唇を啄んだ。絡み合う柔らかな舌に吸い付く。そのたびに可愛らしい甘い声を漏らすので俺の性はハーフパンツさえも突き抜けてきそうなほど滾っている。


「っ……隆ちゃん。凄いね」 


 思いもよらない刺激に身が震えた。美桜の小さくて可愛い手があろうことか俺の熱くなったところをスリスリと擦ってきた。


「美桜……?」


「今日隆ちゃんは受けなんでしょう? 私、頑張るからねっ」


「え、ちょっ……」


 二人に掛かっていたタオルケットは剥ぎ取られいつのまにか美桜は俺の足の間に移動していた。ハーフパンツの両端に手を添え、ゆっくっりと前をくつろがされる。ハーフパンツと一緒にパンツまで下げられ既にキスとこの状況だけで興奮しきっていた熱塊が勢いよく飛び出した。


「わっ、すごいね」


 膨張しているソレを美桜は物珍しそうにまじまじと見てくるのでなんだか恥ずかしい。


 ツンっと指先で突かれビクリと身体が震える。それを面白がっているのかニコニコしながら来る返してくるからすこし焦れったい。


(もしかして美桜、俺のこと焦らしてるのか……?)


 でもまぁ、美桜からしてくれると言ったんだ。ぞんぶんに焦らされるのも悪くないか。


「じゃ、じゃあ、いただきます……」


 ツンツンに満足したのか、足の間からちょっと困った顔で視線を俺に向けてきた。これは……クル。めちゃくちゃ可愛い。美桜の顔を見ただけで自身の滾った欲望はビクリと動いてしまう。


 口を開け近づいてくる美桜を上から凝視する。ついに温かく狭い口腔内に含まれ思わず鼻から声が抜ける。コレはヤバい。拙い動きで一生懸麺頭を上下に動かしながら俺のを咥えている。もうそれだけでヤバい。気持ちいい。


 美桜の唾液が口から漏れ、それがまたいい潤滑剤になりくちゅくちゅと卑猥な音を鳴らす。


「んふ……どう? 隆ちゃん気持ちいい?」


 美桜の温かな空間から取り出された熱棒はギンギンに上を向いている。


(うわ、俺ガン勃ちじゃん)


「ん、すげぇ気持ちいいよ。いつのまにこんな事覚えたんだ?」


 今までさんざん美桜を抱いてきたけどフェラはしてもらったことがなかったし、自分からも頼むことは無かった。なのにどうし急に?


 美桜は恥ずかしそうにチラリと俺を見上げた。


「本当はずっと隆ちゃんにしてあげたいって思ってたの。だって男の人は気持ちいいんでしょう? 漫画でも男の人は皆やってたから……ちょっと興味あったんだよね。でも初めてだから下手だったよねっ、もっと勉強するからね!」 


 照れ笑いする美桜。いや、まじで天使。ええと、つまりBLでフェラシーンが何度も出てくるから気になって、漫画で勉強するってこと、だよな? うん。BLグッジョブ! たまにはいい動きしてくれるな!
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