上 下
36 / 88

しおりを挟む
 二人で向かい合い朝ご飯を食べる。黙々とご飯を頬張る姿がハムスターみたいだ。


(美桜って小動物に例えやすいんだよな、小柄だからかな)


「ど、どうしたの?」


「ん、別に。可愛いなぁって見てただけ」


「なっ……」


「照れてんの? それも可愛い」


 見る見るうちに耳まで真っ赤に染め上がる。


「今日は美桜と一日ゆっくり過ごしたいなって思ってるんだけど、美桜予定ある?」


「本当っ!? なーんの予定もありません! また一人だったら漫画読もうと思ってたくらいだもん」


「よかった。昨日のお詫びと言ってはあれだけど今日は美桜の好きな料理いっぱい作ってゴロゴロイチャイチャしような?」


「い、イチャイチャ!?」


 目をまん丸に見開き驚いている。そんなに驚く事か? 俺は常に美桜とイチャイチャしたいと思っているけど。


「そう、イチャイチャ」


 更に顔を赤くして、俯向く美桜。美桜は言葉にすると反応がいい。(生粋のドMなのかな)だからついわざと言葉にして彼女の反応を楽しんでいる自分がいる。



 雲一つない晴天。直射日光が眩しいくらいのいい天気なのでベットシーツや枕カバーを洗って干したり、二人で掃除をある程度終わらせてからスーパーに買い物に向かう。勿論エコバッグを持って。


 カートを押しながら美桜と並んでスーパーを歩く。たまに設置されている鏡に俺たちの姿が映ると新婚って感じがして嬉しくなる。来週は待ちに待っ十八日の大安。早く入籍して、俺の妻ですって言いふらしたい。


 今日もたんまりと食材を買い込んだ。冷蔵庫に食材をしまい早速料理に取り掛かる。「手伝うよっ!」と言う美桜の肩を持ちストンとソファーに座らせる。


「今日は俺が美桜を甘やかしたい日だから、美桜は好きな漫画読んで待ってて」


「甘やかしたいって……私普段からかなり甘やかされてると思います……」
 

「俺がそうしたいからいいの。言う事聞かないとエロい事するよ?」


「なっ……ま、漫画持って来ます!!!」


 ちょこちょこと逃げるように自室に漫画を取りに行った。つい笑みが溢れる。すぐに顔を真っ赤にする美桜が可愛すぎるのがいけないよな?


 手毬寿司、唐揚げ、フライドポテト、ササミと胡瓜の梅和え、サーモンとアボカドのマリネを作り終えお昼ご飯にする。どれも美桜の大好物らしい。口に合うといいけれど……
 

「わぁっ、どれも凄い美味しそう~! やっぱり隆ちゃんは天才だね」


 パシャパシャとスマホで写真を撮りながら美桜が褒めてくれる。この屈託のない笑顔が見れるから作り甲斐もあるってもんだ。
 冷やしておいたスパークリングワインをワイングラスに注ぎカチンとグラスを合わせて乾杯する。程よい炭酸と爽やかな甘さで口当たりも良く飲みやすい。なんだかんだ今日は美桜と初めてお酒を嗜む。初めて美桜と飲むお酒は少しでも良いものをと思い買って冷やしておいて正解だった。酔った美桜がどうなるのかもちょっと気になる。


「んんっ、このスパークリングワインすっごい美味しい」


 美桜の口にも合ったみたいで美味しいとなかなかのハイペースで飲み終えた。


「あ~本当に全部美味しかった! これ絶対太っちゃう奴だよね」


 ヘラッと頬を少し赤く染め力ない笑顔にお酒のせいか潤んだ瞳。その表情だけで俺の理性をグサっと撃ち抜いてしまうのだから、もう今夜は覚悟しておいて欲しいと思う。



 もちろん俺が後片付けもやり、二人並んでソファーにだらりと座り込む。こんな休日も最高だ。テレビのバラエティー番組を見ている俺にコテンと頭から寄りかかり隣でどエロいTL漫画を読んでる美桜。もうエロいシーンを見られることに抵抗が無くなったのだろうか。ついこの間は恥ずかしそうに隠したのに……それとも少し酔ってるのか? 男が凄い勢いで腰打っているシーンをまじまじと見ている。



「美桜はこうやってされるの好きなの?」


 わざと耳元で吐息が当たるように囁きかける。


「っふぇ!? なっ、そ、そんな事ないよ!」


「ふーん」


 これは完全に黒だな。後ろからバックでやってるシーン。確かに俺たちまだバックでやってなかったな……。まだ身体に負担がかかって痛いかな、と思っていたけど、今日はバックを試してみよう。つい想像してしまい笑みがこぼれる。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

隠れオタクの女子社員は若社長に溺愛される

永久保セツナ
恋愛
【最終話まで毎日20時更新】 「少女趣味」ならぬ「少年趣味」(プラモデルやカードゲームなど男性的な趣味)を隠して暮らしていた女子社員・能登原こずえは、ある日勤めている会社のイケメン若社長・藤井スバルに趣味がバレてしまう。 しかしそこから二人は意気投合し、やがて恋愛関係に発展する――? 肝心のターゲット層である女性に理解できるか分からない異色の女性向け恋愛小説!

10 sweet wedding

国樹田 樹
恋愛
『十年後もお互い独身だったら、結婚しよう』 そんな、どこかのドラマで見た様な約束をした私達。 けれど十年後の今日、私は彼の妻になった。 ……そんな二人の、式後のお話。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

家族愛しか向けてくれない初恋の人と同棲します

佐倉響
恋愛
住んでいるアパートが取り壊されることになるが、なかなか次のアパートが見つからない琴子。 何気なく高校まで住んでいた場所に足を運ぶと、初恋の樹にばったりと出会ってしまう。 十年ぶりに会話することになりアパートのことを話すと「私の家に住まないか」と言われる。 未だ妹のように思われていることにチクチクと苦しみつつも、身内が一人もいない上にやつれている樹を放っておけない琴子は同棲することになった。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

処理中です...