俺の妻は腐女子ですがなんら問題ありません。交際0日婚で腐女子の私は甘々に溺愛されています

森本イチカ

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プロローグ

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 先に言っておく。
俺の妻は――生粋の腐女子だ。


「ねぇ、隆ちゃん~! 今日はこのTL(ティーンズラブ)漫画一緒に読もう~?」


 満面の笑みで仔犬のように駆け寄ってくる妻は両手に何冊もの漫画を抱えてやってきた。
 彼女は前髪を赤いゴムでちょんまげのように縛っている。それが仔犬の尻尾のようにフサフサ動くものだから尚更仔犬に見えてしょうがない。


「ったく、今日は何持ってきたんだよ」


「今日はね~コレ!」


 話のあらすじはヤクザの借金取りに身体だけ求められてます、的な内容だと。このドSな感じが堪らない~と俺の隣に座り興奮しながら目をキラキラ輝かせながらどエロいシーンを普通に読み出す妻。


「一緒に漫画読んでくれるなんて本当隆ちゃんは神だよ~、お見合いして良かった!」


「ったく、本当美桜は口が上手いんだよな」


 彼女の後ろ頭に手を回し唇にチュッとわざと音を鳴らしキスをする。スリスリと俺の胸に顔を寄せ、目を細めて笑う彼女の表情が俺は好きで何度も何度も何度もキスをしてしまう。


 俺と妻の出会いはお見合いで、トントン拍子に結婚までたどり着いた。
 ちょっとだけ俺の昔話に付き合ってもらおう。
 あれは半年前の五月なのに既に暑いゴールデンウィーク中の出来事だった。
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