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俺の事好き?
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先に部屋に入り目につくところはささっと片付けてから松田を招き入れる。「お邪魔します」とキチンと靴を揃えるところが更に好感度が上がる。
「麦茶でもいいかしら?」
「あ、ありがとうございます、実は喉がカラカラでした」
「凄い汗かいてたもんね」
「あっ、俺汗臭いですか!? すいませんっ、水野さん追いかけるのに走ってたから」
「大丈夫、全く臭くないわよ」
私の事を追って汗だくになったと聞いて松田のことが愛おしいと思う気持ちがどんどん膨らむ。人を好きになるってこんなに優しい気持ちも持てるんだ……
出した麦茶をゴクゴクと一気に飲み干す松田。相当喉が渇いてたんだろう。おかわりの麦茶を注ぎ「ちょっと着替えてくる」と私はリビングを出た。
寝室に入りスーツを脱ぐ。この隣の部屋に松田がいると思うと着替える為に脱いでいるだけなのに無性に恥ずかしくなり急いでパーカーにデニムとゆるい私服に着替えた。
「お待たせ」
「水野さん、こっち来てください」
松田は隣に来てと床をポンポン叩いてアピールしてくる。
……恥ずかしい。でもここで恥ずかしがってたら今までと何も変わらない気がして、ゆっくり松田の隣に腰を下ろした。肩が触れるか触れないかの距離を開けたが一瞬でそれは意味の無いものになり、松田に肩を抱かれピッタリくっついてしまっていた。
心地よい。離れたくない。そう思い、素直にそのまま松田にもたれ掛かった。
「付き合った事会社の人には言ってもいいんですか? それとも二人だけの秘密とかにします?」
同じ部署でしかも年下の男と付き合ってる人なんて聞いた事ない。もしバレたら皆んなにいじられるんじゃないかと思うと……
「二人……いや四人の秘密しましょう」
「四人って誰のことですか?」
「松田君と、涼子と橅木と私の四人」
「あ~……橅木さんにも言うんですね」
「橅木にはなんだかんだお世話になってるからね」
「そうなんですか……同期とかいて羨ましいです」
少ししょぼんとしているような気がする。
確かに松田は中途採用だから同期とかはいないはずた。心細かっただろうな……
「同期はいないけど、優秀な上司が沢山いるんだからいいじゃない! ね?」
「真紀」
「へ!?」
不意に呼び捨てで名前を呼ばれ変な声を出してしまった。恥ずかしい。
ドッドッドッと自分の身体の中にドラムがあるのかと思うくらい身体の中で心臓の音を響かせる。
「真紀って呼んでいいですか?」
「あぁ、い、いいわよ、でも会社では絶対駄目よ」
会社では呼ばないように釘を刺す。あくまでも上司と部下の関係は崩したくない。
「真紀」
耳元で囁くように名前を呼ぶものだから松田の吐息が当たって背筋がゾクゾクする。自分でも分かるくらい多分今顔が真っ赤に染まっているだろう。
「真紀、好きだよ」
「っつ……」
「真紀」
何度も何度も囁かれ私の耳も身体も心も限界だった。嬉しい気持ちと恥ずかしい気持ちとで混濁し身体の底から松田が好きという気持ちが溢れ出そうになる。でも好きと言うのが恥ずかしいと思う気持ちの方が勝ってしまい「私も好き」のたった一言が言えない。
「ありがとう」と言うのが今の私の精一杯の受け答え。
「じゃあそろそろ終電無くなるから帰りますね」
「あ、送って行くわよ」
「こんな夜中に女性を外に連れて行く訳ないでしょ? じゃあまた明日」
「ありがとう……じゃあまた」
「真紀」
優しく触れる唇。好き。この触れ合っている唇からこの想いが通じればいいのに……
「おやすみなさい」
「……おやすみ」
パタンとドアが閉まり、急に静かになった自分の部屋。何故か居心地が悪い。冷静になって改めて思った。
「え、私松田君の彼女になったの!?」
何十年ぶり? もう数えられないくらい久しぶりな恋人という響きがむず痒い。
明日から会社で普通に出来るか不安でしょうがない。ニヤけてしまわないか、目で追いかけてしまうんじゃないか……
明日の朝からの流れをシュミレーションしながら眠りについた。
「麦茶でもいいかしら?」
「あ、ありがとうございます、実は喉がカラカラでした」
「凄い汗かいてたもんね」
「あっ、俺汗臭いですか!? すいませんっ、水野さん追いかけるのに走ってたから」
「大丈夫、全く臭くないわよ」
私の事を追って汗だくになったと聞いて松田のことが愛おしいと思う気持ちがどんどん膨らむ。人を好きになるってこんなに優しい気持ちも持てるんだ……
出した麦茶をゴクゴクと一気に飲み干す松田。相当喉が渇いてたんだろう。おかわりの麦茶を注ぎ「ちょっと着替えてくる」と私はリビングを出た。
寝室に入りスーツを脱ぐ。この隣の部屋に松田がいると思うと着替える為に脱いでいるだけなのに無性に恥ずかしくなり急いでパーカーにデニムとゆるい私服に着替えた。
「お待たせ」
「水野さん、こっち来てください」
松田は隣に来てと床をポンポン叩いてアピールしてくる。
……恥ずかしい。でもここで恥ずかしがってたら今までと何も変わらない気がして、ゆっくり松田の隣に腰を下ろした。肩が触れるか触れないかの距離を開けたが一瞬でそれは意味の無いものになり、松田に肩を抱かれピッタリくっついてしまっていた。
心地よい。離れたくない。そう思い、素直にそのまま松田にもたれ掛かった。
「付き合った事会社の人には言ってもいいんですか? それとも二人だけの秘密とかにします?」
同じ部署でしかも年下の男と付き合ってる人なんて聞いた事ない。もしバレたら皆んなにいじられるんじゃないかと思うと……
「二人……いや四人の秘密しましょう」
「四人って誰のことですか?」
「松田君と、涼子と橅木と私の四人」
「あ~……橅木さんにも言うんですね」
「橅木にはなんだかんだお世話になってるからね」
「そうなんですか……同期とかいて羨ましいです」
少ししょぼんとしているような気がする。
確かに松田は中途採用だから同期とかはいないはずた。心細かっただろうな……
「同期はいないけど、優秀な上司が沢山いるんだからいいじゃない! ね?」
「真紀」
「へ!?」
不意に呼び捨てで名前を呼ばれ変な声を出してしまった。恥ずかしい。
ドッドッドッと自分の身体の中にドラムがあるのかと思うくらい身体の中で心臓の音を響かせる。
「真紀って呼んでいいですか?」
「あぁ、い、いいわよ、でも会社では絶対駄目よ」
会社では呼ばないように釘を刺す。あくまでも上司と部下の関係は崩したくない。
「真紀」
耳元で囁くように名前を呼ぶものだから松田の吐息が当たって背筋がゾクゾクする。自分でも分かるくらい多分今顔が真っ赤に染まっているだろう。
「真紀、好きだよ」
「っつ……」
「真紀」
何度も何度も囁かれ私の耳も身体も心も限界だった。嬉しい気持ちと恥ずかしい気持ちとで混濁し身体の底から松田が好きという気持ちが溢れ出そうになる。でも好きと言うのが恥ずかしいと思う気持ちの方が勝ってしまい「私も好き」のたった一言が言えない。
「ありがとう」と言うのが今の私の精一杯の受け答え。
「じゃあそろそろ終電無くなるから帰りますね」
「あ、送って行くわよ」
「こんな夜中に女性を外に連れて行く訳ないでしょ? じゃあまた明日」
「ありがとう……じゃあまた」
「真紀」
優しく触れる唇。好き。この触れ合っている唇からこの想いが通じればいいのに……
「おやすみなさい」
「……おやすみ」
パタンとドアが閉まり、急に静かになった自分の部屋。何故か居心地が悪い。冷静になって改めて思った。
「え、私松田君の彼女になったの!?」
何十年ぶり? もう数えられないくらい久しぶりな恋人という響きがむず痒い。
明日から会社で普通に出来るか不安でしょうがない。ニヤけてしまわないか、目で追いかけてしまうんじゃないか……
明日の朝からの流れをシュミレーションしながら眠りについた。
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