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お詫びデート
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「はは、じゃあ出発しますよ」
エンジンをかけゆっくり車が進み出す。
今日の松田こそ会社の時と雰囲気が別人のようで、
細身の黒いパンツにカーキのTシャツ、いつもはビシッとまとめてある髪も今日は下ろしてあり、片方の耳にだけ金の小さいピアスが目に入った。なにより今日は眼鏡をしていない。普段の倍は目力があるように見える。
「松田君今日は眼鏡じゃないの?」
「ん、あぁ会社では眼鏡の方が目が疲れなくて楽なんですよね。今日はコンタクトにしました」
「そうなのね、でもコンタクトの方が疲れるんじゃないの?」
「でもほら、眼鏡だとキスしにくいでしょ?」
「なっ!!!」
チラッと一瞬こちらを向き意地悪な表情で私を見て直ぐに前を向いた。私の反応を見て絶対に揶揄っているに違いない。
この空気に居た堪れなくなり話題を変えた。
「何処に行くの?」
「ん、動物園です」
「また随分アクティブな場所ね……」
「水野さんってあんまり動物園とか水族館とか行かなそうなイメージだったけど、当たってました?」
「……当たり」
基本インドアなので、動物園なんて小学生以来行った記憶がない。
今日は映画館とかショッピングモールかなと予想していたが、予想と遥かに違う場所だった。
「やっぱり、じゃあ今日は久しぶりに動物に癒されましょう」
「そうね」
「あ、今日はデートなんで仕事の話は無しで!」
「デ、デートって言ってもお詫びデートだからっ!」
「お詫びデートって、まぁそれでも俺はいいけど、今日で俺の事少しは好きになって下さいね?」
「は?」
「俺が告白した事忘れてます?」
まずい。この流れはまたキスされてしまう。
そう思い急いで顔を窓の方に向け松田に背を向けた。
「運転してるからキスできないですよ」
松田に見透かされていた。まるでされると思っていたみたいで恥ずかしい。いや、思っていたんだけども。
「ち、違うわよ、外の景色見てるのよ!!」
くくく、と松田は笑いを堪えながら運転している。
「着きましたよ」
一時間弱車に揺られ動物園に着いた。
「ん、ありがとう」
シートベルトを外し顔を上げると目の前に松田の顔。しまった、と思った時には遅く唇に知っている柔らかさが重なる。
「んんっ……」
片手で私の頭を掻き抱きもう片方の手で私の頬を優しく包む。それが何故か嫌じゃない。ゆっくりと柔らかさが離れていく。
「っつ……水野さん、隙ありすぎ」
「んなっ……松田君が!」
「俺がなに?」
松田の真っ黒な瞳にジッと見つめられると何も反論出来なくなる。真剣な顔。
「な、何でもないわよ、行きましょ」
「はは、じゃあ行きましょう」
小学生ぶりの動物園は入園の仕方も変わっていて、昔はチケット売り場で人数分購入し入り口にいるスタッフさんに見せて入園だったのに、今は電子チケットですんなり入る事が出来るらしい。松田が電子チケットを取っていてくれたのですんなり入園できた。どこまでもスマートな男だ。
「まずは何から見ましょっか」
「ん~とりあえず近いところから見て行こう」
入り口から一番近い小動物ゾーン。コツメカワウソや、アメリカビーバーが水中を泳いでおり、その姿が必死すぎて可愛かった。でもこの小動物ゾーンで一番可愛かったのはレッサーパンダ。あの顔もかわいいが、フッサフサの尻尾も可愛い。つい触りたいなぁと思ってしまう。
意外だったのが私より松田の方が楽しんでいた。
パシャパシャとスマホで写真を撮り、可愛く撮れたと満面の笑みで私に見せてくる。
貴方の方が可愛いわよ、とツッコミたくなるほど、松田が可愛い。
エンジンをかけゆっくり車が進み出す。
今日の松田こそ会社の時と雰囲気が別人のようで、
細身の黒いパンツにカーキのTシャツ、いつもはビシッとまとめてある髪も今日は下ろしてあり、片方の耳にだけ金の小さいピアスが目に入った。なにより今日は眼鏡をしていない。普段の倍は目力があるように見える。
「松田君今日は眼鏡じゃないの?」
「ん、あぁ会社では眼鏡の方が目が疲れなくて楽なんですよね。今日はコンタクトにしました」
「そうなのね、でもコンタクトの方が疲れるんじゃないの?」
「でもほら、眼鏡だとキスしにくいでしょ?」
「なっ!!!」
チラッと一瞬こちらを向き意地悪な表情で私を見て直ぐに前を向いた。私の反応を見て絶対に揶揄っているに違いない。
この空気に居た堪れなくなり話題を変えた。
「何処に行くの?」
「ん、動物園です」
「また随分アクティブな場所ね……」
「水野さんってあんまり動物園とか水族館とか行かなそうなイメージだったけど、当たってました?」
「……当たり」
基本インドアなので、動物園なんて小学生以来行った記憶がない。
今日は映画館とかショッピングモールかなと予想していたが、予想と遥かに違う場所だった。
「やっぱり、じゃあ今日は久しぶりに動物に癒されましょう」
「そうね」
「あ、今日はデートなんで仕事の話は無しで!」
「デ、デートって言ってもお詫びデートだからっ!」
「お詫びデートって、まぁそれでも俺はいいけど、今日で俺の事少しは好きになって下さいね?」
「は?」
「俺が告白した事忘れてます?」
まずい。この流れはまたキスされてしまう。
そう思い急いで顔を窓の方に向け松田に背を向けた。
「運転してるからキスできないですよ」
松田に見透かされていた。まるでされると思っていたみたいで恥ずかしい。いや、思っていたんだけども。
「ち、違うわよ、外の景色見てるのよ!!」
くくく、と松田は笑いを堪えながら運転している。
「着きましたよ」
一時間弱車に揺られ動物園に着いた。
「ん、ありがとう」
シートベルトを外し顔を上げると目の前に松田の顔。しまった、と思った時には遅く唇に知っている柔らかさが重なる。
「んんっ……」
片手で私の頭を掻き抱きもう片方の手で私の頬を優しく包む。それが何故か嫌じゃない。ゆっくりと柔らかさが離れていく。
「っつ……水野さん、隙ありすぎ」
「んなっ……松田君が!」
「俺がなに?」
松田の真っ黒な瞳にジッと見つめられると何も反論出来なくなる。真剣な顔。
「な、何でもないわよ、行きましょ」
「はは、じゃあ行きましょう」
小学生ぶりの動物園は入園の仕方も変わっていて、昔はチケット売り場で人数分購入し入り口にいるスタッフさんに見せて入園だったのに、今は電子チケットですんなり入る事が出来るらしい。松田が電子チケットを取っていてくれたのですんなり入園できた。どこまでもスマートな男だ。
「まずは何から見ましょっか」
「ん~とりあえず近いところから見て行こう」
入り口から一番近い小動物ゾーン。コツメカワウソや、アメリカビーバーが水中を泳いでおり、その姿が必死すぎて可愛かった。でもこの小動物ゾーンで一番可愛かったのはレッサーパンダ。あの顔もかわいいが、フッサフサの尻尾も可愛い。つい触りたいなぁと思ってしまう。
意外だったのが私より松田の方が楽しんでいた。
パシャパシャとスマホで写真を撮り、可愛く撮れたと満面の笑みで私に見せてくる。
貴方の方が可愛いわよ、とツッコミたくなるほど、松田が可愛い。
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