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お詫びデート
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滅多にならない二日酔いと戦いながら出勤すると涼しい顔で既に松田は出勤していた。
ピョンと跳ねていた寝癖もきちんと直っておりいつも通りビシッと整えられている。
頭痛に耐えきれずこっそり鎮痛薬を飲み、松田も特にこれといって絡んでくる事はなくあっという間に一日が終わった。
その日家に帰っても松田からの連絡はなく、次の日出社してもデートの事に触れる事はなくあっという間に就業時間になった。
二日間なんのアクションもなかった松田から夜の十九時頃に急にメールが届いた。
"明日の十時にアパートの前に迎えに行きます"
(なんて急な……本当にデートするのね……)
"了解です"
たった一言だけ返信をした。
二日間も何も言ってこなかったのでまさか本当にデートする気だとは思っていなかった。メールがきて少し驚いた。本気だったんだ、と。
スッと立ち上がり寝室にあるクローゼットを開け服を見渡すがデートに着ていくような服がない事に気がつく。
もうここ何年もデートと言うものをしていない。
基本パンツスタイルなので女子っぽいフワフワしたスカートなんて持っていなかった。
自分の恋愛から遠ざかりすぎていた生活に今更愕然とする。
(相手は松田君だし……気にする事ないか)
そっとクローゼットを閉め、ベットにドサっとダイブしスマホを充電器に刺す。何事もなく明日が終わりますように……そんな事を考えながらいつの間にか眠っていた。
「んんっ……」
カーテンの隙間から朝の光が差し込む。
グーっと一度背伸びをしカーテンを開け、日の光をあび、朝を確認する。
時間を確認すると七時少し前。
休日はアラームをかけないが今日はいつもより身だしなみを整えるのに時間がかかりると思いアラームを七時にセットした。アラームより早く起きたのは多分今日をかなり意識しているからだろう。相手は松田だがデートと言うワードが自分の残り少なかったであろう女の部分が少しでもお洒落をしようと思わせる。
スマホを手に取り『秋 大人デート服』と検索し画像をスクロールしまくる。似たような服があったのでデニムのハイウェストパンツにブラウンのレースタンクトップをインし、ベージュの薄いロングカーディガンを羽織る。足元はベージュのパンプスにした。
会社ではいつもポニーテールだが今日は髪を下ろし丁寧に巻き上げハーフアップにまとめる。
化粧は……いつも通り。
約束の十時まであと三十分。
鞄の中身を何度もチェックし、ソワソワしながら何度もスマホを覗いてしまう。
"着きました"
九時五十五分、約束の時間の五分前。
スマホを鞄にしまい急いでパンプスを履き玄関を出ると目の前の道路に一台の白い乗用車が見えた。
運転席から出てきたのは松田だった。
「水野さーん、おはようございます」
「……松田君、車持ってたのね」
なんとなく劣等感。免許証は持っているが車は持っていないいわゆる私はペーパードライバーだ。
「社会人になったときに買ったんです、じゃ行きましょっか」
スッと松田は助手席の方へ回りドアを開けてくれた。本当にやることなす事スマートだ。
「どうも」と助手席に腰を下ろす。
車内はとても綺麗にされていて、芳香剤の匂いもなんだろう……爽やかなでかなり好みな匂い。好感度が持てる。
松田が運転席に座りシートベルトをするなり、ジロジロこっちを見てくる。
(ま、まさか……この格好変だったかな……)
「な、何よ」
「ん? 今日の水野さん会社と全く雰囲気違くて可愛いなぁ~って見てました」
「なっ! 上司をからかうのは止めなさい!」
「照れてる?」
「照れてない!!!」
嘘だ。物凄く恥ずかしい。可愛いなんて言われるとは思ってもいなかった。
どう反応していいのか全く分からなく変な態度を取ってしまった。ここは大人の余裕っぽく「ありがとう」とでも言えばよかったのだろうか……
ピョンと跳ねていた寝癖もきちんと直っておりいつも通りビシッと整えられている。
頭痛に耐えきれずこっそり鎮痛薬を飲み、松田も特にこれといって絡んでくる事はなくあっという間に一日が終わった。
その日家に帰っても松田からの連絡はなく、次の日出社してもデートの事に触れる事はなくあっという間に就業時間になった。
二日間なんのアクションもなかった松田から夜の十九時頃に急にメールが届いた。
"明日の十時にアパートの前に迎えに行きます"
(なんて急な……本当にデートするのね……)
"了解です"
たった一言だけ返信をした。
二日間も何も言ってこなかったのでまさか本当にデートする気だとは思っていなかった。メールがきて少し驚いた。本気だったんだ、と。
スッと立ち上がり寝室にあるクローゼットを開け服を見渡すがデートに着ていくような服がない事に気がつく。
もうここ何年もデートと言うものをしていない。
基本パンツスタイルなので女子っぽいフワフワしたスカートなんて持っていなかった。
自分の恋愛から遠ざかりすぎていた生活に今更愕然とする。
(相手は松田君だし……気にする事ないか)
そっとクローゼットを閉め、ベットにドサっとダイブしスマホを充電器に刺す。何事もなく明日が終わりますように……そんな事を考えながらいつの間にか眠っていた。
「んんっ……」
カーテンの隙間から朝の光が差し込む。
グーっと一度背伸びをしカーテンを開け、日の光をあび、朝を確認する。
時間を確認すると七時少し前。
休日はアラームをかけないが今日はいつもより身だしなみを整えるのに時間がかかりると思いアラームを七時にセットした。アラームより早く起きたのは多分今日をかなり意識しているからだろう。相手は松田だがデートと言うワードが自分の残り少なかったであろう女の部分が少しでもお洒落をしようと思わせる。
スマホを手に取り『秋 大人デート服』と検索し画像をスクロールしまくる。似たような服があったのでデニムのハイウェストパンツにブラウンのレースタンクトップをインし、ベージュの薄いロングカーディガンを羽織る。足元はベージュのパンプスにした。
会社ではいつもポニーテールだが今日は髪を下ろし丁寧に巻き上げハーフアップにまとめる。
化粧は……いつも通り。
約束の十時まであと三十分。
鞄の中身を何度もチェックし、ソワソワしながら何度もスマホを覗いてしまう。
"着きました"
九時五十五分、約束の時間の五分前。
スマホを鞄にしまい急いでパンプスを履き玄関を出ると目の前の道路に一台の白い乗用車が見えた。
運転席から出てきたのは松田だった。
「水野さーん、おはようございます」
「……松田君、車持ってたのね」
なんとなく劣等感。免許証は持っているが車は持っていないいわゆる私はペーパードライバーだ。
「社会人になったときに買ったんです、じゃ行きましょっか」
スッと松田は助手席の方へ回りドアを開けてくれた。本当にやることなす事スマートだ。
「どうも」と助手席に腰を下ろす。
車内はとても綺麗にされていて、芳香剤の匂いもなんだろう……爽やかなでかなり好みな匂い。好感度が持てる。
松田が運転席に座りシートベルトをするなり、ジロジロこっちを見てくる。
(ま、まさか……この格好変だったかな……)
「な、何よ」
「ん? 今日の水野さん会社と全く雰囲気違くて可愛いなぁ~って見てました」
「なっ! 上司をからかうのは止めなさい!」
「照れてる?」
「照れてない!!!」
嘘だ。物凄く恥ずかしい。可愛いなんて言われるとは思ってもいなかった。
どう反応していいのか全く分からなく変な態度を取ってしまった。ここは大人の余裕っぽく「ありがとう」とでも言えばよかったのだろうか……
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