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残業
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「真紀、お疲れ様、先に上がるわね」
「涼子お疲れ様~、お迎え気をつけてね」
「あー帰ってからも忙しいと思うと憂鬱よ」
働くママは本当に凄いなと尊敬する。
昼間は普通に仕事をこなし帰ってからは子供の面倒と家事。
私なんて一人暮らしの家事でさえ大変なのに……
本当に母親って凄いなと涼子を見ていると日々思う。
「松田君もお疲れ様、今日はもう上がって大丈夫よ」
「水野さんはまだ帰らないんですか?」
「私はまだ少し仕事残ってるから片付けて帰るわ」
「じゃあ手伝いますよ」
「え、いいわよ、帰りなさい」
急に声が近くに聞こえたと思ったら私の耳元で松田が囁く。「二人でやった方が早いでしょ?」
まただ。松田の吐息が耳に当たり身体の芯がゾクゾクと波打つ。
「ちょ! 近すぎだから!!」
松田の胸あたりを両手で押し自分から引き離す。
それでもやはり男の力には勝てず松田はまた私を後ろから包み込むように顔を耳元に近づける。
「で、二人でやった方が早いですよね?」
松田の濁りのない優しく声が身体の中に響くように伝わる。
「ここ会社だから! 近すぎ! 分かったから手伝ってもらうから!!」
「誰も気にしちゃいないですよ、てか会社じゃなかったら近くてもいいんですか?」
「するから! 私がしてるから! 会社じゃなくても駄目!」
「はいはい」と言いながらやっと松田は離れてくれた。
松田はまだ入社して二日目なのに中途採用なだけあって仕事を覚えるのもこなすのも早い。
結局手伝ってもらったおかげで早く終わったが他の社員は帰っていて周りを見渡すと私と松田の二人だけだった。
「涼子お疲れ様~、お迎え気をつけてね」
「あー帰ってからも忙しいと思うと憂鬱よ」
働くママは本当に凄いなと尊敬する。
昼間は普通に仕事をこなし帰ってからは子供の面倒と家事。
私なんて一人暮らしの家事でさえ大変なのに……
本当に母親って凄いなと涼子を見ていると日々思う。
「松田君もお疲れ様、今日はもう上がって大丈夫よ」
「水野さんはまだ帰らないんですか?」
「私はまだ少し仕事残ってるから片付けて帰るわ」
「じゃあ手伝いますよ」
「え、いいわよ、帰りなさい」
急に声が近くに聞こえたと思ったら私の耳元で松田が囁く。「二人でやった方が早いでしょ?」
まただ。松田の吐息が耳に当たり身体の芯がゾクゾクと波打つ。
「ちょ! 近すぎだから!!」
松田の胸あたりを両手で押し自分から引き離す。
それでもやはり男の力には勝てず松田はまた私を後ろから包み込むように顔を耳元に近づける。
「で、二人でやった方が早いですよね?」
松田の濁りのない優しく声が身体の中に響くように伝わる。
「ここ会社だから! 近すぎ! 分かったから手伝ってもらうから!!」
「誰も気にしちゃいないですよ、てか会社じゃなかったら近くてもいいんですか?」
「するから! 私がしてるから! 会社じゃなくても駄目!」
「はいはい」と言いながらやっと松田は離れてくれた。
松田はまだ入社して二日目なのに中途採用なだけあって仕事を覚えるのもこなすのも早い。
結局手伝ってもらったおかげで早く終わったが他の社員は帰っていて周りを見渡すと私と松田の二人だけだった。
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