幻想艷談

愛炎機炎

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3 龍神姉妹の加護

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ある土地では、人々を庇護する龍神と人々に害なす邪神とが熾烈な闘いを繰り広げていました。

たまたまそこに立ち寄った貴方は龍神に助太刀し、見事に邪神を打ち破ることに成功しました。

龍神は称賛し、貴方に加護を与えることを約束してくれました。

龍神曰く、貴方の身体に龍の力を纏わせることで無比の防御力を授けるとのこと。

龍の体液や体組織が人を強靭にするのは有名な話です。
悪竜を倒した時に浴びた返り血で不死身になった勇者もいるそうですし、龍の角は万病に効く薬になります。

さて、今回はどうするのでしょうか?

龍神の導きで人の身でありながら神域、神々が棲まう領域に辿り着いた貴方は、そこで白く輝く空間へ進むよう命じられます。

そこにあったのは湯が張られた浴場。
貴方に湯浴みをするよう命じると、龍神はその気配を消しました。

おや、どうしました?さあ、早く入浴しましょう。

なるほど、彼女たちが気になるのですね。
彼女たちは龍神の子である姉妹神。貴き存在の一糸まとわぬ姿を只人ごときが視界に入れるなんて、本来は許されることではありません。

でも、ほら、見て下さい、彼女たちの笑みを。
仇敵であった邪神を打倒した貴方のことをとても好ましく思っているようですよ。

だから、貴方がその肢体を食い入るように見ていることも、身体の一部が『不敬な』反応を示していることもきっと許してくれるでしょう。





彼女たちはたっぷりと時間を掛けて貴方に全身を擦りつけ、加護を与えてくれました。
ずっと、ずっと。繰り返し、繰り返し。

人界から戻った貴方は、しばらくは心ここにあらずといった様子でした。
どうも勇者としての栄誉を得たことよりも、ずっと喜ばしい経験ができたようですね。
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