クラスに馴染めない少年はいつまで経っても初恋に囚われ続ける

Onfreound

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EP3

#45.5~65-2-3

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   「...先輩、出て。私も出るから」

   「おい白渡、弱み握っただろ。それとも買収か?」
 
 目を逸らしつつ、驚愕の頼みをする黒瀬。彼女の様子は前々からだが、言ってることは流石におかしい。

   「うーん、本当は握らされたんだけどね。でも、今の君の話し相手は私じゃないでしょ」

 黒瀬は斜め下に目線を向けつつ、返事を待っている。妙に頬が赤い気がするが、見なかったことにする。

   「...いや、出るのは止めないけど、僕はいらないだろ」

   「...断ったら、これから毎日私が作った弁当を昼休みに届けろって、白渡さんが」

   「.........作るって、何するんだよ」

   「私の家に泊まってもらって作るんだよ。大丈夫、材料はしっかり揃えるから」

   「え、2人ってそんな親密だったのか...じゃなくて、冷凍食品と炊いた米だけを用意して欲しいのだが」

   「そんなの、楓ちゃんが作ったものにならないじゃん」

 恐らく予測は間違っていたようだが、罰が厳し過ぎる。

 酷いのは、黒瀬に直接届けさせるという点だ。白渡ならともかく、こいつ相手に流石に突き返す訳にはいかないし、食べなきゃいけないような気がする。間違いなく不味いのに。

   「...まぁ、もういいや」

   「いいの?良かったぁ。監督さん、私達皆んな入れてくれるよね?」

   「そんな強引なぁ...」

 黒瀬の頼み事とかかなり久々だし、どうせ委員会で忙しくなるのならもう変わらん。そう自分を納得させ、了承する。

   「...先輩、よろしく」
  
   「あぁ...ん?」
 
 ここで、ようやく疑問に思う。何故か忘れていた肝心なポイントに、ようやく頭が向かう。

   「なぁ白渡、これって何の劇なんだよ」

   「えっと、監督はNTRモノだって言ってたよ」
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