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懐旧談な龍曰く
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遠い昔、とある国に、一人の男がいた。
男は母親の腹を食い破って生まれ落ちたと言われ、幼児の頃に父の短刀で家に忍び込んだ賊を殺した。
生きているだけで暴力がつきまとった。
次第に拳で人を殴り飛ばしている時が、生を実感するように至った。「我は、歪んでいる」とも理解していた。
成人となり隣国と戦争になると兵士として徴兵され、幾つもの人の山を作り敵に恐れられ、味方からは「英雄」として崇められた。
男からしてみれば、剣を持った腕を振るうだけで人は凪ぎ倒れ、武具を着た足で蹴り上げれば人が飛んでいく、それだけだった。「強き者は何処だ?」と男は戦場でただ求めていた。
終戦して国に帰ると「英雄」として扱われ、持て囃された。
しかし「くだらん」「つまらん」と、男は退屈だった。金銭を積もうとも、美女をあてがわれようとも、地位を用意しようとも、退屈だった。
恐怖、嫉妬、妬み。男が嫌うモノが周囲に増えていく。
煩わしくなった男は、国を去ることにした。
男は強者を探す旅に出た。そして、人外に出会った。
男は母親の腹を食い破って生まれ落ちたと言われ、幼児の頃に父の短刀で家に忍び込んだ賊を殺した。
生きているだけで暴力がつきまとった。
次第に拳で人を殴り飛ばしている時が、生を実感するように至った。「我は、歪んでいる」とも理解していた。
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男からしてみれば、剣を持った腕を振るうだけで人は凪ぎ倒れ、武具を着た足で蹴り上げれば人が飛んでいく、それだけだった。「強き者は何処だ?」と男は戦場でただ求めていた。
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