キツネと龍と天神様

変貌の天神曰く

 　ある男がみた夢。


　女性が家に怒鳴り込んできた。
　何事かと見ると、会社の部下。彼女は子供が出来たのにどうして一緒に暮らせないのかを怒っている様だった。
　男は、一緒に暮らせばいいだろうと言うが、彼女は暮らせないだろうが、と怒鳴り続けている。何をしても怒鳴り声をあげているので、男は段々と可笑しくなってきた。
　問答しているうちに時計を見ると出社の時間になっている。
　怒鳴られながら着替えて、電車に乗り、事務机に座った。横には彼女だ。
　「いい加減、席に着きなさい」と言うおうとして、彼女の席を見ると彼女が座っている。そうして、彼女とそんな関係になく、彼女は理性的な女性だったことを思いだした。
　じゃぁこの怒鳴っている彼女は誰だと、そちらを見ようとして席に座る彼女に呼ばれた。

「すいません、お話があります」

　話す時間を下さいと言われた。怒鳴り声は聞こえない。
　一瞬で夕方になった。女性と二人きりの事務所。
　「貴方のことが好きです」と言いながら、彼女がギラリと刃物を取り出して……。


　男は妙な気持で、目が覚めた。