キツネと龍と天神様

霧間愁

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対流模様の天神曰く

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 その男は小さい頃から美形と言われた。女性に間違われるとこも、しばしばあった。


 その男性は高校の同級生だったのだが、美形の男を何度か無視した。幼い頃から無視などされたことのない男は、ムキになって話しかけたりを繰り返し、いつしかつるむようになった。
 そして自分の性的指向に気が付く。

 きっかけは、男性に恋人ができた時だった。高校生の恋愛、すぐに二人は別れることになったが男は自分に芽生えた嫉妬に戸惑った。

 恋。
 と、いうよりも自分はどうしてしまったのだろうかという感覚が男の中で渦巻いていた。

 自覚がないまま男は、大学と就職していく。その男性はずっと友人関係のままだ。
 意中の男性は、幾つかの恋愛を繰り返している様で、紹介される度に男は胸が痛くなる。そうして悟ったのだ、自分という生き方を。

 目の前に、可愛らしい女性。意中の男性が恋人を紹介してくれる。

 何故だろう。
 今度の相手から、同じ匂いがした。
 あぁそうかこの女は、自分と同じ様な種類の人間だ、と察する。

 そして、男は口角をあげた。
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