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虚言混じりに龍曰く
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小さな教室。
小さな人影が二つ。
放課後、薄暮冥冥、蛍光灯が青白く照らしている。
「今年は、やけに寒いね」
年老いたように少年がぼやいた。
「今年って、君もまだそんなに長く生きたわけじゃないでしょ」
少年の横で同級生で幼馴染の少女が笑う。
「こんな日は、火鉢に小鍋をおいて、ネギでも煮ながらのんびり突いてテレビでも眺めてたいね」
「君って……NHKとか好きそうだよね」
「いや、ニュース番組を観るのが好きなだけだよ」
「爺臭いなぁ」
「え、まさか加齢臭する?」
「給食はカレーじゃなかったよ」
「いや、精神的な部分が年老いると身体加齢も進むのかと、一瞬焦ったよ」
「言ってることの半分も分からないよ」
ため息まじりの少女が立ち上がりランドセルを背負う。
「黙っていたけど、……今、本当のことを言わなくてはいけないね。……僕等のいるこの世界は、全て偽り、幻なんだよ。本当の世界は、暖かい敷布団と掛布団の間にしか存在しないんだ」
少年もそれに倣った。
「朝起こしに行くの、大変の、解かってる?」
少女は頬を膨らませる。
「一緒に寝ればいいんじゃね? 君が起きたタイミングで僕を起こせば効率がいい」
小さな人影が二つ。
放課後、薄暮冥冥、蛍光灯が青白く照らしている。
「今年は、やけに寒いね」
年老いたように少年がぼやいた。
「今年って、君もまだそんなに長く生きたわけじゃないでしょ」
少年の横で同級生で幼馴染の少女が笑う。
「こんな日は、火鉢に小鍋をおいて、ネギでも煮ながらのんびり突いてテレビでも眺めてたいね」
「君って……NHKとか好きそうだよね」
「いや、ニュース番組を観るのが好きなだけだよ」
「爺臭いなぁ」
「え、まさか加齢臭する?」
「給食はカレーじゃなかったよ」
「いや、精神的な部分が年老いると身体加齢も進むのかと、一瞬焦ったよ」
「言ってることの半分も分からないよ」
ため息まじりの少女が立ち上がりランドセルを背負う。
「黙っていたけど、……今、本当のことを言わなくてはいけないね。……僕等のいるこの世界は、全て偽り、幻なんだよ。本当の世界は、暖かい敷布団と掛布団の間にしか存在しないんだ」
少年もそれに倣った。
「朝起こしに行くの、大変の、解かってる?」
少女は頬を膨らませる。
「一緒に寝ればいいんじゃね? 君が起きたタイミングで僕を起こせば効率がいい」
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