キツネと龍と天神様

霧間愁

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絶望するキツネ曰く

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 おかしい。
 こんなのってないですよ、と叫びたくなる僕、キツネです。

 洗濯をしようとして洗剤がなかったときの絶望。
「蛇口をひねっても水が出なかったときの絶望も半端ない」
 クーラーをつけっ放しで寝てしまって、朝起きたときの絶望。
「頭によぎる電気代という言葉。起きて声が出ない喉の感覚」
 米櫃にお米がなかったときの絶望。
「どうして、連続してパンを食べているとお米が食べたくなるのだろう」
 洗面台で蛇口を締めきれずに水滴が落ち続けているのを見つけたときの絶望。
「一晩放置とかしたら、半端ない絶望を通り越して虚無に至る」
 回収日にゴミ収集場所に持っていったら、おそらくすでに回収された後だろうと察したときの絶望。
「収集車の後ろ姿を見たときは跳ね上がります、絶望感」

 そんな話を喫茶店で猫としていると、隣から笑い声。
 魔女さんと見知らぬ男性がそこにいた。

「一応、こういう状況も絶望感ある?」
 僕は顔を真っ赤にして、押し黙った。
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