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思うところの天神曰く
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散歩の途中、昔馴染みの猫に在った。
「これはこれはお久しぶりでございます。ご壮健であられましたか?」
あぁ、お前も変わらずでなによりだな、……少し痩せたか?
「そうでございますね、最近はどうにもまんまにありつくのも一苦労でして。みすぼらしいものをお手前に晒してしまい、申し訳ありません」
いや、構わない。こうも人が減ると散歩しやすいと思ったが、お前たちには悪影響のようだ。
「えぇ、そうかもしれません。ただ、私が思うに、まんまにありつけるかどうかは運しだい。己の才覚と運次第でございます。───様が気にかけるほどのことではありません」
そういうものか? この冬だけでもお前が家にいれるか、家の者にきいてみよう。
「気遣いありがとうございます。しかし、そういうものでございます」
そうか……、では、達者でな。
「はい、───様も御身お大事になさってください」
猫は一礼をすると、ひょこひょこと歩いていく。
次の日に猫を迎えに行ったが、そこに猫はいなかった。
「これはこれはお久しぶりでございます。ご壮健であられましたか?」
あぁ、お前も変わらずでなによりだな、……少し痩せたか?
「そうでございますね、最近はどうにもまんまにありつくのも一苦労でして。みすぼらしいものをお手前に晒してしまい、申し訳ありません」
いや、構わない。こうも人が減ると散歩しやすいと思ったが、お前たちには悪影響のようだ。
「えぇ、そうかもしれません。ただ、私が思うに、まんまにありつけるかどうかは運しだい。己の才覚と運次第でございます。───様が気にかけるほどのことではありません」
そういうものか? この冬だけでもお前が家にいれるか、家の者にきいてみよう。
「気遣いありがとうございます。しかし、そういうものでございます」
そうか……、では、達者でな。
「はい、───様も御身お大事になさってください」
猫は一礼をすると、ひょこひょこと歩いていく。
次の日に猫を迎えに行ったが、そこに猫はいなかった。
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