キツネと龍と天神様

言い訳をしたいキツネ曰く

　僕、キツネは目覚まし時計を見て唸った。

　昨日の晩に、「明日は独りで買い物に行こう」と固く決意したのに、起きた時間に挫けてしまった。
　とりあえず部屋の温度を下げるためにボタンを押した。悪魔のボタン。
　日が陰る時間を調べて、時間を潰そうとぱそこんの電源ボタンを押した。あくまのボタン。
　いんたーねっつで動画を観て、ねっと対戦型のカードゲームを始める。
　アクマノゲーム。

　はた、と気が付くと窓の外は暗い。
　あ、と思い、買い物買い物と準備を始める。
　もう外暗いし化粧もせんでいいか、と思い、暗いし人に出会わんやろ、と部屋着のような恰好にスリッパをひっかける。

　買い物途中で、夜食を買いに来ていた猫と明日の朝食を買いに来ていた魔女に会う。
　飲物を買って、近くの公園のベンチに三人で座る。

　そうして姦しい時間が始まるけれど、終わり際に僕は猫と魔女に怒られる。
　お化粧しなさい、お洒落をしなさい、と小言を言われ「明日はちゃんとする」と宣言して帰るのだ。

　これがいつもの日常。