上 下
25 / 38
第二章 ダンジョン

第二十話 お説教(番外編付)

しおりを挟む


「あ、あのぉ~…?陽渡さん?もしかしなくても怒ってらっしゃってます?」

「分かってんじゃん☆
…そうやってすぐ自分が行けばいいみたいな、自己犠牲精神をまずはやめろ?」  

「は、はい…。」

なんか、お説教が始まった。


◇◇◇



さて、五時間は正座していただろうか。
 始まって一時間ぐらいで、イズナは焔誠と共に部屋を出てってしまったし、班長は助けてくれる気はないのか、ソファーでうっつらうっつら船を漕いでいる。

そして現在、ようやく、お説教も終わり、陽渡に自分の部屋へと案内されている途中だ。

「ようやく、ハク専用の部屋に、案内できるぜ!たく、2年も待ったんだからな!」

「あぁ。悪かったよ。」

ただ、ただな?
一つだけ言いたいんだ………。

お説教がなきゃもっと早かったろうに?!

俺は、陽渡には怖くて言うことが出来ないことを、心の中で叫んだ。

──のだが。

「……へぇ。ハクは部屋の案内が遅くなったのは、俺のお説教の所為だと思ってんだぁ~。」

「うぇ!?そそそ、そ、そんな事思ってるわけないだろぉ~?ははは?!どうしたんだ…!?急に…?!あはは~………。」アセダラダラ

「なら良いんだけどなー」ニヤ

こ、こいつはホントに何で心の中まで読んできてんだよ?!
と、とにかく、変なことは思わずに、付いていくのが良さそうだ……。
本当にこいつになら殺されかねない。
精神的に。

しかし、ハクは知らない。
これから使う部屋があり得ないほど精神を殺しに来ることを。



・・・・・・

・・・・

・・


扉を開けると、そこは執務室だった。

「Why?」

「どう?気に入った?いやー、ハクはこれからどうしても仕事が多くなっちゃうし、このギルドのギルマスは俺だけど、サブマス、ハクだからさー。あ、そこの扉の先がハクの部屋な?この部屋からしか入れないようになってる─って言うか、廊下に通じる扉を付け忘れた☆
それと、これからは、何か皆が提案する企画とか、そう言うヤツはハクを通してから俺のところに来るようになってる。まぁ、これでも俺はギルマスだし、忙しいからさ。仕事の説明は終わり!しゃ、よろしく~。」

なんか、陽渡のマシンガントークで色々決まってるよ……。
こうなったら、返答は一つだ。

「分かったよ。やってやるさ。」

「便りにしてるぜ?相棒♪」

こうして、俺は、『月下の白猫』のサブマスになったのだった。







───────────────────────────────────────────────

〔番外編〕~森の優しさ~

ポツッ…ポツッ…

「ん……ッ…!」

目が覚めると、そこは無数のマリンブルーの鍾乳石がが綺麗な神秘的で不思議な空間だった。

あれ…?
何で俺…。
さっきまで、森の番人と戦っていた筈じゃ…?
てか、何で身体中にあった掠り傷やら何やらがなくなってるんだ?
俺って、そんなに自然治癒が早かったっけ?
それとも、まさか、リカバ○ーガールの個性?
でも、俺の周りにハリボーなんて落ちてないし…。
じゃあ、いったい誰が?

と、考え事をしていると、声をかけられた。

『おや?起きたのかい?』

顔を上げると、そこには俺と同い年ぐらいのイケメンが立っていた。

「うわっ!…ッッ!」

『わあ、ダメだよ。まだ動いちゃ。一応傷は回復したけど、魔力の方はまだまだ回復してないんだから。』
 
「誰だ…お前。」

『そうだった。自己紹介が遅れたね。僕はフォレス。人間からは森の番人の呼ばれてるよ。』

こいつが森の番人、なのか…。

『それにしても君は本当に人間なのかい?久々に負けると思ったよ。』

「そりゃどうも。で、イズナはどこだ?」

さっきから、全くイズナを見かけていない。
結構心配だ。

『狐の子の事かい?彼女なら、すぐに戻ってくると思うよ?』

フォレスの言うとおりで、誰かが帰ってきた。
しかし、俺の知らない、美少女が。

「フォレス様ぁ~。薬草採ってきました~!」

『お疲れさま。丁度、白夜君も起きたところだよ。』

すると、イズナ、らしき美少年がこちらに駆け寄ってきて──抱き付いてきた。

「ハク様ぁ…!死んじゃったかと思いましたぁ~…!」

「え~っと…まず、イズナで合ってるんだよな…?」

「あ!そうでした!今は人化してるんです!」

何この子。
めっちゃ可愛いじゃん……!
抱き付いてしまいそうになるのをギリギリで耐えて、優しく包む。

「ごめんな?イズナ。ありがとう。」

「はぅ~…//」



そんなハクの様子を見ていたフォレスは、思う。

(白夜君は1000年に一人の逸材だよ。戦闘に関しても恋愛に関してもね)

そんな事を思われているとは知らないハクはイズナと抱き合っていたのだった。






─────あとがき─────


どーもー!

こんばにちわ!

文月くーです!

と言うことでね!
はぁい!
遂に20話いきました~!
長かったようで、短かったですね!
でも!
まだお祝いは致しません!
なぜなら、祝50話の時に何かしたいですもんね!

で、話は変わるんですけど、最近思ったのが、番外編を、区切りの話の時に付けようかなーと考えているんです!

つまり、10、20、30、40、50………とまあ、このように、区切りの数の時に、番外編をいれたいんです!
なので!今回はしっかり付けてみたので!
どうぞ!
ご堪能ください!
次の番外編は、三十話となります!楽しみにして待っていてください!
まあ!
今回は番外編も含めてだったので一話分としては長かったんですが!
逆に読みごたえがあっていいんじゃないかなーと!
思ってます!
ただ、まあ!
ちょっち著作権かなー…?ってところは、目を瞑っていただけるとありがたいかなーと!
思います!

と言うことでね!

見てくれてありがとー!
お気に入り登録よろしくぅ!

では!

バーイバーイキーン!



 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】異世界転移で、俺だけ魔法が使えない!

林檎茶
ファンタジー
 俺だけ魔法が使えないとか、なんの冗談だ?  俺、相沢ワタルは平凡で一般的な高校二年生である。  成績は中の下。友達も少なく、誇れるような特技も趣味もこれといってない。  そんなつまらない日常は突如として幕を閉じた。  ようやく終わった担任の長話。喧騒に満ちた教室、いつもより浮き足立った放課後。  明日から待ちに待った春休みだというのに突然教室内が不気味な紅色の魔法陣で満ちたかと思えば、俺は十人のクラスメイトたちと共に異世界に転移してしまったのだ。  俺たちを召喚したのはリオーネと名乗る怪しい男。  そいつから魔法の存在を知らされたクラスメイトたちは次々に魔法の根源となる『紋章』を顕現させるが、俺の紋章だけは何故か魔法を使えない紋章、通称『死人の紋章』だった。  魔法という超常的な力に歓喜し興奮するクラスメイトたち。そいつらを見て嫉妬の感情をひた隠す俺。  そんな中クラスメイトの一人が使える魔法が『転移魔法』だと知るや否やリオーネの態度は急変した。  リオーネから危険を感じた俺たちは転移魔法を使っての逃亡を試みたが、不運にも俺はただ一人迷宮の最下層へと転移してしまう。  その先で邂逅した存在に、俺がこの異世界でやらなければならないことを突きつけられる。  挫折し、絶望し、苦悩した挙句、俺はなんとしてでも──『魔王』を倒すと決意する。

最強魔導師エンペラー

ブレイブ
ファンタジー
魔法が当たり前の世界 魔法学園ではF~ZZにランク分けされており かつて実在したZZクラス1位の最強魔導師エンペラー 彼は突然行方不明になった。そして現在 三代目エンペラーはエンペラーであるが 三代目だけは知らぬ秘密があった

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

そっと推しを見守りたい

藤森フクロウ
ファンタジー
 綾瀬寧々子は気が付いたら、大好きな乙女ゲームの世界だった。  見習い神使として転生していた新生オタク『アヤネコ』爆誕である。  そしてそこには不遇ながらも必死に生きる推しこと『エルストン・ジル・ダルシア』がいた。  母を亡くし失意の底に居ながらも、双子の弟妹の為に必死に耐える推し。  今ここに、行き過ぎた愛が圧倒的な行動力を伴って推しを救う―――かもしれない。  転生したヤベー人外と、それにストーカーされている推しのハートフル(?)ストーリーです。  悪気はないが大惨事を引き起こす無駄にパワフルで行動派のお馬鹿さんと、そんなお馬鹿さんに見守られているのを知らずに過ごす推し。  恋愛要素薄目、ほぼコメディです。

異世界最強の賢者~二度目の転移で辺境の開拓始めました~

夢・風魔
ファンタジー
江藤賢志は高校生の時に、四人の友人らと共に異世界へと召喚された。 「魔王を倒して欲しい」というお決まりの展開で、彼のポジションは賢者。8年後には友人らと共に無事に魔王を討伐。 だが魔王が作り出した時空の扉を閉じるため、単身時空の裂け目へと入っていく。 時空の裂け目から脱出した彼は、異世界によく似た別の異世界に転移することに。 そうして二度目の異世界転移の先で、彼は第三の人生を開拓民として過ごす道を選ぶ。 全ての魔法を網羅した彼は、規格外の早さで村を発展させ──やがて……。 *小説家になろう、カクヨムでも投稿しております。

三日月の竜騎士

八魔刀
ファンタジー
「レギアス、お前の中には【ドラゴンの血】が半分流れている」 ドラゴンと人間が争っている世界に生きる青年レギアスは、父親に驚きの真実を告げられた。 ドラゴンの力を目覚めさせたレギアスは、国王の命により力を制御する術を得る為、王都にあるイングヴァルト王立騎士学校へと入学する事になる。 そこで「もう一度会おう」と、嘗て約束を交わした幼馴染みであるベール王女と再会を果たす。 レギアスはドラゴンの力を隠して騎士学校に通い、力の制御を学びながら自身の生まれた理由や存在意義を知っていく。 彼は、ドラゴンと人間――どちらの道を歩むのか。 これは、ドラゴンと人間の運命に挟まれた青年の物語。 旧題=クレセント・グレイブ ―イングヴァルト王立騎士学校の竜騎士ー

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

ズボラ通販生活

ice
ファンタジー
西野桃(にしのもも)35歳の独身、オタクが神様のミスで異世界へ!貪欲に通販スキル、時間停止アイテムボックス容量無限、結界魔法…さらには、お金まで貰う。商人無双や!とか言いつつ、楽に、ゆるーく、商売をしていく。淋しい独身者、旦那という名の奴隷まで?!ズボラなオバサンが異世界に転移して好き勝手生活する!

処理中です...