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体験入部2(先輩side)
しおりを挟む「おい、どうした?十文字。鼻からスイカ出したような顔して」
「いや、鼻からスイカって、どんな顔だよ!そうじゃなくてさ、あの一年すごいなと思ってさ。」
2人の内の片方、ゴリゴリした方の男がそれに答える。
「それはそうだろう。何せ奴は、『十柱』が一人〝獸王〟だぞ?」
そう男が答えると、もう片方のイケメン優男が言い直す。
「あー違う違う。『十柱』の方じゃなくて、もう片方の一年だよ。蕉ちゃんは知ってる?」
「いや、知らない。大方、同じクラブだったんだろう。」
と、返答すると、イケメン優男は浮かない顔で
「うーん、なんか彼の動きに見覚えがある気がするんだよねー…。それに蕉ちゃんも見てて気づいたでしょ?彼の動きにはとてつもない程の洗練の跡が窺えるってことに。」
するとゴリ男はそれに頷いた。
ゴリ男もそれには、気づいていたようである。
(しかし、ウチのエースがここまで言うのは珍しい。)
そう思うゴリ男。
なぜなら、ウチのエースは『十柱』に限りなく近い実力を持っているためだ。
(そんなエースを唸らせる程の実力者か…。)
試してみたくなるゴリ男。
「よし。なら模擬戦で試してみよう〝獸王〟の実力も見ておきたかったしな」
「フッ。本当は彼の実力を見たいだけだろう?そんな取って付けたような理由は通じないさ。けどまぁ、その案には賛成だ」
こうして模擬戦が決まったのだった。
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